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2007年10月31日
雑感、薬害肝炎・厚労省の態度について
薬害肝炎の問題で、俄かに舛添厚労相の動きに異変が見られるようになりました。調査と通知が遅れた件で、第三者による調査チームの初会合が開始直前にキャンセルされ、翌日の夕方に前触れもなく開催されました。当日は「忖度して」という表現を用いて記者に深く追求しないよう促し、翌日には「緊急の会談や折衝で東奔西走」と発言を変えました。
これは厚労省内で突然新たなデータが発見されて対応に追われたのか、その全く逆で不十分な資料に会議開催の必要性が薄くなったのか、そのどちらかなのでしょう。これまで厚労省の説明と舛添氏の答弁に食い違いも多く、この問題で舛添外しの動きが省内にあるものと見られることからも、そうしたものが強く影響していると考えられます。
年金問題は厚労省内でも社保庁の問題との認識があり、舛添氏が刑事裁判を示唆しても対岸の火事と静観していたはずです。しかし今回の問題で不作為を問い、当時から現在に至るまでの責任者にその罪を問うていけば、それらは厚労省内のパワーバランスの問題に発展します。
舛添氏は厚労族でもありませんし、党内基盤も脆弱です。政権内に後ろ盾もなく、正論で責めても相手は官僚ですから、組織防衛には長けています。舛添氏も右往左往させられて結果的に密室会議となり、被害者の声に答える形での「東奔西走」という答弁になったのでしょうが、相当煮え湯を飲まされていることでしょう。
そもそも、この問題は病気にならなくてもよかった人に感染を広げ、かつ肝硬変、肝がんなどへの病状の進行を食い止めることも出来たはずなのに、その通知を怠った、はっきりと国が責任を負うべきものです。福田氏が国の責任を認める発言を行っていますが、舛添氏の側面援護の位置付けもあるのでしょうし、本来もっと早くそう指示を出しても良かったものです。
今必要なことは公務員トレーサビリティ制度をつくり、不作為などが発覚すれば、その当時の人間を罰していくことです。そうしない限り、この国の官僚組織はツケ回しや先送りで問題解決を遅らせる、そうした性向が抜けません。結果的に被害拡大を誘発するそうした態度を官僚が改めない限り、幾ら第三者による調査チームを作ろうと、また同じ事例が繰り返されます。根本的な問題は官僚の態度にある、ということを踏まえて対策を講じて欲しいと思います。
analyst_zaiya777 at 22:59|Permalink │Comments(0) │TrackBack(0) │clip! │政治 | 社会
2007年10月30日
経済の話。竹中氏の発言について
まず今日の日本市場は裁定解消売買が盛んだったようです。前場はこれまで買われていた商船や鉄鋼、それらを売り、後場は売っていた建設などを買う。材料が出たとはいえ、この動きの背後にあるのは明晩のFOMCで仮にの利下げでも、材料出尽くしで売られることを警戒し、持分を調整する流れにあるということでしょう。市場では0.5%利下げの期待も高く、また仮に0.25%でも追加支援策などがない場合は売り材料視される可能性があり、どちらにもポジションを傾け難いのでしょうね。
日曜日に竹中氏の発言を耳にする機会がありました。経済財政諮問会議で、有識者が提出した消費税増税容認資料について、財務省が製作したものだということは全くその通りです。福田内閣下で位置付けの低くなった経済財政諮問会議、そこに揺さぶりをかけて民間議員を納得させ、連名で提出させたというのが事の真相でしょう。
竹中氏の一つの試論に、日銀が資金を吸収しているから、日本はいつまでもデフレのままであり経済成長が殺がれている、というものがありました。確かに日銀は日米欧協調介入が行われた8月も真っ先に吸収オペに転じていますし、資金は吸収する方向にあることは確実です。
ただマネーサプライベースで見ると、量的緩和解除後の落ち込んだ06年から比べ、07年は若干増加しています。一方で銀行貸出は05年後半から順調に増え続けていることから、市場に資金を供給せずとも流通する資金に変化はない、ということはこれでも証明されています。
竹中氏の論は簡単に言えば、資金量が豊富になれば物量との相対的な関係により、通貨価値が下がり物価が上がると言うことですが、これは90年代までの経済理論と考えています。現在は金融機関に資金が豊富でも、より効率の良い市場に資金が流れていくだけで、わざわざ非効率の国内に滞留させておく必要もなく、結果国内の資金流通量は変わらず物価にも影響しないことになります。グローバル化はダイナミックな資金の移動を可能にしており、また魅力的な市場が世界に増えたことも理由の一つです。
ロンドン取引所の創設者、グレシャムの言葉に「悪貨は良貨を駆逐する」というものがあります。質の良い貨幣は手元に置き、質の落ちた貨幣ばかりが市場に流通するという意味ですが、市場に溢れ過ぎたマネーは悪貨の類です。欧米がインフレ期待を煽る今、適度なバブルの方が経済環境は良いとする成長重視論者とともに日本もそれに乗れ、との意見も理屈では分かりますが、現状の環境的に日本を資金量の面からインフレ誘導するのは難しいのでしょうね。
昨今為替相場で話題に上がるのは、ドルキャリー取引で更にドル安誘導されるのではないか?とする懸念です。米国が利下げを継続していけば当然高金利通貨国との間に金利差が生まれますから、一度円で味を占めた層が狙うのは確かでしょう。明日のFOMCはその意味で重要になるのでしょうね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/