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「題名:No.796 大恐慌前夜の米国
From : ビル・トッテン
Subject : 大恐慌前夜の米国
Number : OW796
Date : 2007年10月26日
7月の参院選であれほど国民から「NO」を突きつけられても辞めなかった安倍氏が、後任総理にテロとの闘いを委ねて辞職した。
(ビル・トッテン)
大恐慌前夜の米国
政府にとってテロとの闘いがいかに大切であるかを、これほど鮮明に示すものはない。国内でやりのこした政策について、なんの説明責任もなされていないことには、あきれることを超えて異常さが際立つほどだ。そして予想通り、福田内閣は臨時閣議を開き、海上自衛隊がインド洋で米軍への補給活動を継続する「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動特別措置法案」(新テロ特措法)を決定した。
私の友人や複数の読者から、死守したいテロ対策特別措置法にもとづくインド洋における海上自衛隊の給油活動が、実は米国のイラク戦争を支援しているという情報が送られてきた。元になっているのは8月末にテレビ番組で衆院議員の江田氏がおこなった発言で、インド洋での自衛隊の給油の約85%がイラク戦争に使われている、というものである。早速そのデータ元である米海軍中央司令部・第五艦隊のウェブサイトに行ってみたがアクセスできなかった。しかし石油がイラク戦争に使われていようがいまいが、日本政府には、累計で約220億円もの給油費用を負担してまでこの「テロとの闘い」を支援する大義名分はまったくない。
テロとの闘い、ブッシュ大統領のいう“War on Terrorism”とは文字通り戦争なのだ。日本の憲法第9条は、戦争をしないと定めている。イラクでもテロでも日本は参加すべきではない。しかし日本では、政府の憲法違反行為を訴えることはできないようだ。こう書いている間にも、ニューヨークの原油先物相場は史上最高値を更新し続けている。原油価格の高騰は、今後日本がテロとの闘いに負担する金額も増えるということである。
ブッシュ大統領も、日本の首相と同じくらいリーダーシップを失っている。大統領の弾劾を望む米国民は半数以上という世論調査結果もある。日本のメディアがどこまで報道したかわからないが、9月にはホワイトハウス前に数千人が集まり、イラク戦争の終結とブッシュ大統領の弾劾を求めるデモ行進も行われた。
日本の政治家が崇める米国の問題はイラク戦争だけではない。ブッシュ批判の一番の原因は経済問題で、米国ではサブプライムローン問題が雇用や消費に大きな影響を与えている。
不動産バブルとその崩壊を経験した日本と同じく、米国にも住宅購入ブームが起きた。米国経済は消費に依存しているため、ITバブルの後、投資先が住宅に代わっただけだったが、貯蓄率がマイナスの米国ではすべてが借金でまかなわれる。
特にサブプライムローンは、米国の低所得・低信用者向けの住宅ローンであり、不動産価格が下落し始めると返済不能となって焦げ付きが増えていった。こうして金融機関に損失が出始め、信用が低下し、また金融機関同士の資金の融通が縮小し、金融機関が保有する株式の売却につながった。はじけないバブルはない。それにもかかわらず貪欲という燃料によって今の米国は、大恐慌の前夜のような状態に陥っている。人間の欲望は無限であり、それに基づいて動いているのがマネー資本主義なのだ。
日本のバブルがはじけたように、米国のバブルがはじけるのも時間の問題だ。米国の植民地の総督として日本を米国のために運営するような首相はいらない。日米の政治が混迷している今だからこそ、米国のマネー資本主義の布教者の言葉ではなく、日本のリーダーが追従する米国で実際に何が起きているかに注目すべきだ。」
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1184590_629.html