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http://jp.rian.ru/analytics/economics/20071022/84886082.html
ロシアの電力会社がフランスに去る?
11:0022/10/2007
ロシアの石油ガスセクターにおける国家管理が厳しくなったことに連れて、電力市場の分野では自由化が起こっている。2008年には巨大エネルギー独占企業の1つ「ロシア統一電力」社が組織解体され、同社の場所には互いに競争し合う複数の企業が占めることになる。この組織改革は、西側諸国にロシアへ投資する際の新しい可能性を開いている。ドイツのE.ON社やイタリアのEnel社はすでにロシアの電力エネルギー部門に数10億ドル投資した。フランスのElectric de France (EdF)は来年投資を行なう準備を始めた。
電力エネルギーの輸出入に従事している「インター・ロシア統一電力(インター・ロシアと略)」社のセルゲイ・イワノフ副社長は先日、外国投資家、例えばフランスのEdF社が、同社の買収に関心を示していることを表明した。他の情報筋も、「インター・ロシア」社もすでにEdF社の同社への株主参入のための交渉を行なっていることを伝えた。現在国家管理下にある「ロシア統一電力」社は、「インター・ロシア」社の株式の60%を保有している。残りの40%は完全な国営コンツェルン企業である「ロスエネルゴアトム」が保有している。しかし2008年の中葉には「ロシア統一電力」社は存在しなくなる。その時、マイノリティー(小規模)民間株主が「インター・ロシア」社の株式を比例配分で取得することになるが、フランスのEdF社は、広まっているデータでは、まさにこの部分の株式を買収する意向があるわけだ。
EdF社は、周知の如く、ロシアと隣接する市場への進出を展開している。従い、ロシアのエネルギー輸出入企業を買収することは、EdF社にCIS市場への参入のチャンスを与えることになる。他方、EdF社の「インター・ロシア」社への資本参加のお陰で、「インター・ロシア」社にとっては、ロシア市場よりはるかに高い価格で売買されている西ヨーロッパ市場で電力の販売を行なうことが可能になる。
「ロシア統一電力」社の解体の結果、「インター・ロシア」社の構成には「北西熱併給発電会社(Combined Heat and Power 略してCHP)」、「ソチ・CHP」、「カリーニングラードCHP-2」そして「イワノフスク・ガス蒸気タービン社」が入る。複数の専門家は、「インター・ロシア」社が自分自身の発電設備を持っているということが、何と言っても、EdFの関心を引き寄せたと判断している。専門家の評価では、発電会社の資産の拡大のお陰で、ロシアのエネルギー企業の総資産は35億ドルに達し、利益の大部分は株主は、自分自身の電力エネルギーの製造と販売から取得する。
しかし、EdF社から見れば、「インター・ロシア」社の将来の分割企業はこれほど魅力的なビジネスから遠ざかることなど希望しないだろうから、ロシア社との間で問題が起こる可能性がある。ましてや分割企業の構成には、すでに電力業界への進出に関心があることを表明し、自分の持分の「インター・ロシア」社の株をもしかしたら売らないかも知れない「ガスプロム」、「シベリア石炭エネルギー会社」そして「ノリリスク・ニッケル」のような巨大企業が入っている。EdFについては、噂では、「インター・ロシア」社の株を最低25%取得したいとの意向があるようだ。
いずれにせよ、フランス社のロシアの電力エネルギー界への参入のための取引は、2008年7月に予定されている「ロシア統一電力」社の解散より以前にはない。しかしフランス社と違ってドイツのE.ON社は、10月にすでに、59億ドルで「合同電力会社No.4(ロシア語表記でOGK-4)」の管理株数(約70%)の買収のための取引きを完了した。そして、もっと以前には、15億ドルで「合同電力会社NO.5(OGK-5)」の株式の約30%を買収したイタリアのEnel社もロシアの電力市場に進出して来ている。
9月19日に、欧州委員会が、特に、自由化されていないエネルギー市場を持つ国からのEU圏への投資は禁止する旨の一連の法案を公表したことを思い起こそう。組織改変したロシアの電力会社にEUが導入の意向を示している制限処置が適用されず、そして、ロシアのEU諸国の電力市場への投資の可能性が潰されないことをただ期待するだけである。