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原油100ドル突破へ 暴落リスクに目をつぶり、投機マネーはまだ強気 = BusinessWeek
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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 10 月 22 日 18:22:44: mY9T/8MdR98ug
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071019/138019/

Moira Herbst (BusinessWeek.com記者、ニューヨーク)

米国時間2007年10月17日更新

 原油価格は数カ月にわたる高騰を続け、また史上最高値を更新した。10月17日、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物価格は1バレル89ドルを超え、同取引所で先物売買が始まって以来の高値を記録した。

 直近の上昇相場の材料は何か。多くのアナリストは、供給が逼迫する最中の世界需要の拡大を挙げる。この日はトルコ議会が、クルド人ゲリラを追跡するための軍によるイラク北部への越境攻撃を承認。こうした動きが中東の原油供給を混乱させかねないという懸念がさらなる相場急騰を招き、原油先物は7日続伸の展開となった。

投機筋が市場を支配

 だが、複数のアナリストは、直近の相場急騰は市場のファンダメンタルズ(基礎的条件)よりも、むしろ投機筋や相場の勢いに乗って売買するトレーダーが原因だと言う。彼らが利益を追い求めて相場を押し上げるため、原油価格が3ケタに達するとの見方も出ている。

 「この相場急騰はファンダメンタルズというより、根拠なき熱狂で、もっと上がる可能性がある」。米調査会社、石油価格情報サービス(OPIS)の主席アナリスト、トム・クローザ氏はこう語る。「特別な事態が起きなくても、1バレル100ドルまで上がるだろう。石油に対する投資マネーの流入とドル安だけで、大台乗せする可能性がある」。

 過去数年間、ヘッジファンドや投資銀行、投資信託、そしてゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーをはじめとした機関投資家は、世界の原油需要と匹敵するような勢いで、原油に大量投資してきた(BusinessWeek.comの記事参照、2007年1月16日「How Speculators Increase Oil Volatility」)。市場における彼らの影響力のために、需要予測や地政学、気候問題に基づく小さな相場変動が増幅されることになる。

 投機筋は現在、原油相場に強気で、6900万バレルに相当する先物契約を抱えている。世界需要が日量約8300万バレルの原油市場において、かなり大きなシェアを占めているわけだ。

 「ヘッジファンドなどの投資家がこの市場を支配している。主客転倒のいい例だ」。エネルギーコンサルタントで、業界ニューズレター「ショーク・レポート」の編集長を務めるステファン・ショーク氏はこう語る。

 10月17日にエネルギー省が発表した統計では、原油とガソリンの在庫水準がアナリストの予想以上に増えていた。統計発表を受けて原油相場は一時的に下げたものの、トルコ議会がイラク越境攻撃を承認したというニュースが伝わると再び買いが優勢になり、強気相場の心理の強さを見せつけた。

 「2〜3カ月前に思っていた以上に、1バレル100ドルは間近に迫っている」とショーク氏は言う。

このバブルもいずれは弾ける

 投機筋の影響力が拡大しているために、相場は急激に下落する可能性もある。オッペンハイマー(OPY)の上席エネルギーアナリストであるファデル・ゲイト氏は、原油価格は歴史的に、戦争などの大きな出来事を予測して急騰し、その後すぐ暴落してきたと指摘する。

 アラブ・イスラエル戦争、イラン革命、イラン・イラク戦争、イラクのクウェート侵攻、砂漠の嵐作戦、2003年の米国によるイラク侵攻、そして2006年のイスラエルによるレバノン侵攻――。いずれの場合も同じ展開で、「今回も違いはないだろう」とゲイト氏は言う。

 「業界のファンダメンタルズでは、1バレル80ドルはおろか、60ドル以上の原油高さえ正当化できない」。ゲイト氏はメールでこう書いた。「原油相場の急騰は、中東危機による供給混乱の可能性を巡る過剰な投機を映したものだと我々は考えている」。

 ゲイト氏は、中東で軍事攻撃が起きると考えているが、それは原油相場の一段高ではなく、下落の始まりになると予想する。

 「我々は、米軍によるイランの軍事施設爆撃が今の原油高騰のサイクルに終止符を打つと考えている。原油バブルは崩壊する。そして、投機筋が買いポジションの解消を急ぐために、相場の下げは増幅されるだろう」

 アナリストの中には、投機筋と金融機関が市場を動かしているという見方を否定する人もいる。「これは投機的な相場上昇ではない」と言うのは、アラロン・トレーディングのアナリスト、フィル・フリン氏。「今の原油高は、供給が逼迫する中で世界の需要が急拡大しているという事実を映したものだ」。

 フリン氏は、原油価格に組み込まれた投機的な「フロス(小さな泡)」は、世界市場にとってプラスに働くと見ている。ともすれば無制限に拡大しかねない需要を抑える効果があるためだ。「投機には、1つの役割がある。制御不能なまでに需要が拡大するのを防ぎ、市場の均衡を取るのだ」。

利益を圧迫される石油精製業者

 原油価格の上昇はまだ米国のガソリン・灯油価格に影響を及ぼしていないが、石油精製企業の利益を圧迫している(BusinessWeek.comの記事参照、2007年10月10日「Oil Refiner Profits Will Miss the Mark」)。

 10月10日、石油精製会社バレロ・エナジーは、第3四半期の利益がウォール街の予測を下回ると警告した。その前日には、シェブロンとマラソンオイルが業績見通しを下方修正している。

 悲観的な業績見通しの火蓋を切ったのは、コノコフィリップスだ。同社は10月3日、石油精製事業の利益率が「大幅に低下」して、業績を悪化させると述べた。エクソンモービルは11月1日に6〜9月期の決算を発表する予定だ。

 原油相場が今後どう動こうとも、金融機関が重要な役割を果たすのは間違いない。10月12日、米エネルギー長官のサミュエル・ボッドマン氏は、石油輸出国機構(OPEC)のような供給国は原油価格の支配力を低下させており、今の市場は需給のファンダメンタルズよりも思惑で大きく変動するようになったと語った。「原油相場は今、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、そして東京の取引所で決まるようになった」とボッドマン氏は見ている。

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