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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu153.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中東を代表する政府系ファンドのカタール投資庁(QIA)は総資産
に占めるドル建て比率を2年間で99%から40%に大幅圧縮した。
2007年10月9日 火曜日
◆10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる 10月9日
http://blog.mag2.com/m/log/0000102800/
●中東を代表する政府系ファンドのカタール投資庁(QIA)は総資産に占めるドル建て比率を2年間で99%から40%に大幅圧縮した。QIAを管理するカタールのハマド首相が8日までにCNBCテレビに明らかにした。
日本経済新聞 10月9日
今回の記事は、3日には表に出ていたもの。この記事を見て自分のFXの材料にしようとしても、遅すぎ。
カタールのソブリン・ウェルス・ファンドの資産規模は約6兆円。
この6割の3.6兆円が「ドル売り」に動いたわけ。
金額的には少ないし、すでに終わったことなので市場に与える影響はこれだけでは、少ない。しかし、9月21日に書いたように。サウジアラビアはFRBの利下げに連動しないことで通貨市場を動揺させたし、ドル・ペッグ制からの離脱も近いと見られる。
クウェートは既にペッグ制を廃止している。イランは、石油輸出へのドル建支払を拒絶し「より信頼性のある通貨」での支払いを求めるとしていて、支払いの65%をユーロ、20%を 円で受け取っている。
ベトナムは約5兆円の外貨準備を持つ債権国だが、国内のインフレ傾向に配慮して、国内でのドルの買いオペを廃止すると報じられている。
たんねんに記事を積み重ねていくと、世界の経常黒字の太宗を占める新興成長国の多くが、ドル安による国富の減少を懸念して、これまでのむやみやたらなドル買いを続々と廃止していることが見えてくる。
8月公表の米国国債への海外中央銀行から投資額が3.5兆円減少したと公表されているが、これもこうした動きの表れだろう。
◆10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる 9月20日
http://blog.mag2.com/m/log/0000102800/108973953.html
FRBのFFレート切り下げも、日銀の政策金利変わらずも市場の想定内。しかし、想定外の動きがまた1つ生まれた。
サウジアラビアの金利が、FRB連動切り下げしなかったこと。サウジアラビアリヤルは、1ドル3.75リヤルとドルペグ制。
これまでは、FRBの金利変動に沿ってサウジアラビア金利も常に連動してきた。しかし、サウジアラビアはじめ湾岸諸国は好景気に沸いており、インフレ率は4%を越えており、通貨のM3は前年比22%と急増している。
国内情勢を考えるなら、金利上げこそあっても、利下げはありえなかった。そこで、今回はFRBとは別行動を採ることになった。先に、中国が政策金利を上げたが、この中国の動きに沿った行動だ。
この結果、サウジアラビアには投資家の資金がこぞって流入する事になる。それでなくても、大量の原油売却代金がドルで貯まっているのに。
つまり、早晩、サウジアラビアも自国通貨のドルペグを離脱する事は避けられない。クウェートがこの5月にドルペグを離脱したのに次ぐわけだ。
原油輸出国のロシアも、イランも外貨準備をドルから他通貨にシフト中で原油の決済もドル以外の通貨に変更している。
こうした経済好調な産油国の動きは、これまでのようにアメリカドルがFRBの好きなように印刷発行することが難しくなってきていることを示唆している。
FRBの利下げは、これまでとは違った混乱を呼ぶきっかけになるかもしれない。
◆イラン原油 円建て決済が本格化 元売り各社「効果は限定的」 10月5日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071005-00000067-san-int
石油元売り各社が、イランの原油決済を従来のドル建てから円建てに切り替える動きが広がっている。業界最大手の新日本石油をはじめ、コスモ石油やジャパンエナジーは9月の調達分(9月積み)から円建て決済を導入。昭和シェル石油も変更を検討している。タンカーが入港する10月から、実際に円での支払いが始まるが、「メリットは限定的」との見方も強く、今後の動向には不透明感も漂う。
1日あたり12万バレル(約1万9000キロリットル)をイランから調達する国内最大手の買い手となっている新日石は、イランから調達する長期契約分の全量を円建て決済に変更した。積み込み時の原油価格で想定コストを計上し、タンカーが入港する1カ月後に円で支払う。同様に輸入量の約11%をイランに頼るジャパンエナジーやコスモも、一部を円に変更した。
原油市場は国際指標価格がドルベースのため、ドル建て決済が一般的。円建ては異例だが、実現した背景には、核開発問題を巡るイランと米国との関係悪化がある。
米国による経済制裁の強化を視野に、イランはドル以外の通貨での貿易決済を昨年から要請。日本や欧州にユーロや円での決済を求め、独、仏などの石油大手はユーロ建てに切り替えた。日本側は、対米関係など外交面を考慮し「政府に問題がないか確認したうえで切り替えを決めた」(新日石)という。
円建て決済にすることで、元売り各社は為替予約に伴う円高局面での差損リスクがなくなるほか、外貨借り入れによる金利負担が軽減されるなどのメリットがある。
半面、石油取引は決済額が大きく、イランからの輸入分の約5割が円決済となった場合、700億〜800億円の決済がドルから円に切り替わるとされる。このため、日本エネルギー経済研究所・永田安彦研究主幹は「資金需要の減少がドル相場の下落要因になる可能性がある」と指摘する。
こうした懸念もあってか、元売り各社は「為替差損は、さほど大きな問題ではない」「実務的なメリットは少なく、イランの要望に応じただけ」とそっけない。円建て決済の効果は、業界もまだ見極め切れていない。
(私のコメント)
中東産油国のドル離れが進んでいますが、石油のドル決済からも離脱の動きが見られます。アメリカにとってはドルが基軸通貨であることが必要不可欠な条件だ。サダムフセインのイラクに攻め込んだのも露骨にドル離れの動きを示したからですが、最近の動きから見ると世界のドル離れが加速している。つまりイラク戦争は何の効果もなかったということです。
日本だけは相変わらずドル一辺倒ですが、ドルと円とが図らずも連動しているので、ドル離れの動きはさほど目立たない。日本はアメリカや中国が大きな貿易相手国であり、ユーロ圏諸国やその他への貿易額はさほど大きな割合ではないからだ。アメリカと中国だけで4割を超えてしまう。
中国もドルと連動しているから円もドルと連動してしまう。もし中国の元が切りあがっていけば日本の円も上がっていくのでしょうが、日米中の三国のトライアングルはいつ崩れるのだろうか? 中東産油国は世界中に石油を売っているからドル決済だと目減りしてしまってドル離れの動きがあります。
特にサウジアラビアなどは要注目なのですが、アメリカの利下げにサウジアラビアは追随しなかった。サウジアラビアも日本に対して円建てで売る時が来るのだろうか? イランは円建てで決済が始まりましたが、日本の石油会社も為替リスクがなくなるわけだから円建てで石油が決済できればそれに越した事は無い。
このような動きに対してアメリカが妙に静かなのはなぜだろう。イランとの戦争準備でそれどころではないのかも知れませんが、イラク戦争はかえってドルからユーロへの動きを加速しただけだった。アメリカによるイラン攻撃があればドルはさらに下落する可能性が強い。
イラクに比べて3倍も広いイランは空爆はできても地上戦まではとても出来る状況ではないし、イランも空爆されてそのまま黙っている訳がない。戦費もさらにかさむからアメリカ経済が持たないと見られてドルが売られるだろう。今でもイラク戦争で毎月一兆円もの戦費を使い、さらに追加予算も計上しなければならないようだ。
日本としてはアメリカの覇権の失墜は悪夢であり見たくないことだろう。しかし世界的視野から見ればアメリカの権威失墜は明らかであり、イラク戦争での不始末はブッシュばかりのせいではなくアメリカそのものの国力の低下によるものだ。だから「株式日記」でもアメリカ没落後の日本の戦略を解説してるのですが、多くの人は今現在のことしか目に入らない。
中東産油国は石油を売って生活してきたから、アメリカが石油が手に入らなくなった時の事は一番よく知っている。ドルは基軸通貨だから紙に印刷したドルで石油を買うことが出来ましたが、産油国のドル離れが進めば基軸通貨の特権を失いユーロでしか売らない国も出てくるだろう。そうなるとアメリカはユーロを手に入れなければ石油は買えなくなる。
アメリカの国内油田のオイルピークは1971年であり、アメリカの国力もピークであった。ソ連の滅亡は国内油田のオイルピークが原因であった。アメリカが生き延びる事ができたのはドルが基軸通貨であり、紙に印刷したドルで海外の石油を買うことが出来たからだ。しかしドルで石油が買えなくなればソ連と同じく帝国としてのアメリカは滅亡するしかない。ソ連とアメリカは兄弟国であり石油が命であった。