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悲観的な経済構造になった日本経済:構造改革の混沌
構造改革の方向が狂っている。正気の沙汰とは思えない。是認できない経済構造に進んでいる
いったいどこに自国経済を輸出入に頼る経済にする国があろうか。
普通の国であれば、内需が減少し輸出と輸入に活路を見いださざる負えない経済を憂えるのが当たり前であろう。
発展途上国なみの経済構造になってしまった、と嘆くのが普通であろう。
現与党が目指す構造改革は、改革という言葉とは裏腹に、間違った方向に進んでいる。所得の偏差値は下振れし、下流層を広げ生活保護以下の所帯を多数作ってしまった。それが今話題の格差問題やワーキングプアという言葉を生んだのである。このような事になったのも政府のデフレという物の認識が間違っていることによる。
今進んでいる無理やりの経済成長、すなわちデフレ下の経済成長がこのような問題を引き起こしている根本だと思います。すなわち消費者側になんら見返りを与える事なくただただ生産者側を優遇する政策、この質素倹約を旨としただただ仕事に打ち込むことを奨励する武家政権のやり方と同じような政策が、この惨状を引き起こしているのです。
しかし日本ではこのような状態を歓迎しているようだ。特に小泉政権から今の政府は、この6年間の低金利過剰融資政策のための失政のため、外需による実質GDPのわずかな伸びが自分たちの実績のように喧伝している。この成長は単なるデフレの消耗によるものが大部分であり、そこに輸出による成長が足されたものである。もし成長だとしても内需の拡大ではなく、間違った方向に進んでいるのは確かだろう。
しかもこのような情けない経済をマスコミ等のメディアは、ほめたたえているものが多いように思われる。最悪は外需に頼る政策を取ることを推奨しているものさえあることだ。ひどいものになると外需に頼る経済をさらに促進すべきだといい企業減税を行うべきだと主張するものまである。
しかし内需が朽ち欠けることが国にとって一番悪いことであり、企業競争がなくなることは、将来性がないことである。内需が無く輸出入に頼る経済は、資金が国民所得の形成に回らず、貧富の差が激しく固定的であるのが特徴である。今格差が問題になっているが、その大部分はデフレに由来しており、内需が縮小していることに起因がある。
このような構造は、発展途上国に良く見られる形であり、また第2次大戦前の日本の状況にも通じる物がある。
ただ唯一違うのは、輸出が付加価値の高い先進技術に基づいたものであることだろう。
輸出は相手国の条件や環境に左右され、安定したものではない。過去輸出一辺倒でアメリカやヨーロッパでいざこざが起こった経験から、中国などでもこれから先経済摩擦が起こる確立が非常に高く、より難しい状態が招来することが予想される。それ故日本がなを輸出競争力をもっている間に、中国の外需が旺盛なうちに内需を回復させデフレから脱出する必要がある。
デフレにおいて輸入が増えると、国内の資金が輸出品への消費となって国外へ流出し、その分国民所得が形成されなくなる。それ故輸入が増えるほど、国内の企業が淘汰され、国内での生産は少なくなり、所得線の角度は下がることになる。内需がしぼんでいく。
デフレにおいて輸出が増えると、国内の生産物が国内の流通機構を通る事なく直接海外へ送り出され、生産量の割に国民所得の形成が少なくなる。国内の資金は輸出産業に流出し、内需を中心とした企業はさらに資金が不足する。外需により得た資金が日本に還流されるが、その多くは直接輸出企業に入り、国内の流通機構に回らず、国民所得の形成が予想より少なくなる。
いずれも内需関連企業にとっては不利なことであり、輸出輸入に頼る経済は、遅かれ早かれ内需を喪失させていく。そして多くの内需関連企業は負け組になりわずかな輸出入関連企業が勝ち組になる。そしてデフレが長引くにつれ民間経済が縮小し公務員層との格差が激しくなるのである。
今日本はこの構造の初期の段階に入った所であろう。
日本政府は一体どんな構造改革を目指しているのだろう。彼らがどんな方向を目指しているのか私には何も見えません。発展途上国に落とすのであればこれで良いはずです。理想的と言えます。
しかしデフレからの解消と内需拡大を目指すのが正しいということを前提として書きます。その方が恩恵が大きいからです。
デフレにおいて
実質GDPの成長を指標に置き、低金利過剰融資を取り、なおかつ企業の生産増大や生産性を上げるために企業を優遇する政策は、間違った構造に日本を導いています。
第1に間違っているのはデフレにおいて指標を実質GDPに取ることです。
実質GDPを基礎に置くのは、普通の正常経済では、インフレ気味であるので、名目GDPは高くでがちであるため、実質GDPを基礎にしているのです。デフレでは逆に実質GDPの成長率が高くでるため、名目のGDPを指針に取るべきなのです。他国は正常な経済であるが日本はデフレであるから、日本は名目GDPを選択しなければならないはずです。
第2に低金利過剰融資政策を取るのなら、名目GDPを指標にしなければならないことです。
そもそもこの低金利過剰融資政策はインフレ政策のはずです。にもかかわらずなぜ実質GDPを経済成長の中心指標にするのか理由が分かりません。
国内のデフレの解消を目指すなら、国内の最終生産物の消費を重視すべきであり、付加価値が正当な価格で評価されているかを重視すべきでしょう。デフレは大幅に貨幣量が減少しているので、付加価値が少ない価格で評価されるからです。
実質GDPを重視すると、企業の生産量が重視され、正当な付加価値が低い価格で評価されていても、生産量を増やすことで補われるからです。値引きされた生産や消費されないで返品された生産も算入されてしまいます。どれだけ価格が低かろうと生産量が多ければ
消費額は変わらないのです。
このような実質GDPを指針にしていると、企業活動を刺激するだけの政策を取ることになり、これをデフレで行えば国内は供給過多になり、消費額=販売額が増えないためさらに低価格になり企業が消耗し、やむ負えず企業は活路を輸出に求めることになります。これが今の現状であり、国内のデフレはより深刻化し悲惨な経済構造に陥いりました。この構造は称えるべきものではありません。
政府は我々をだましているのではないか、と思える節が有ります。名目値が全く伸びないため、実質値を取って成長と言い張ってるのではないか。低金利過剰融資政策という名で、インフレ政策を取ったがそれが実現せず失敗に終わったのをみて
実質GDPを成長と言い張ったように私には見えます。(この低金利過剰融資政策はデフレで取ると返って
デフレ促進策になります。)ゼロインフレを発表する訳にはいかなかったのでしょう。
ある人は「低金利過剰融資政策を悪魔的なインフレ政策と呼んだが言い得て妙であろう。」
単なるデフレ促進策であることを悟っているのである。しかし彼もまた名目GDPを中心にすべきことを知らないようです。
「デフレにおける低金利政策はデフレを促進するものであり、インフレにするものではありません。」現在この低金利政策をよいものとして推進しているのは昔の間違った経済を信望している経済学者や政策担当者だけでしょう。彼らが日本の経済をいまなお潰しにかかっていると言えます。我々は間違ったケインズ経済学を越えねばなりません。
幸いにも巷の一般大衆はこれに気が付き始め、格差是正という名のもとに消費側への動きを強め初めています。最低賃金の引き上げ、や年金の完全施行などに動き始めました。
このような動きは経済学的に完全に正しくはありませんが、今までの政府の政策、低金利過剰融資政策、銀行の合併統合、企業優遇策が間違いであることを正しく理解し始めたということでしょう。
しかしまだこの動きを牽制するように財政再建のための名目で消費税上げを目論む動きもあります。
政府は先ず、構造改革の名のもとにどういう将来を描こうとしているのかを明らかにし、それに対する適切な政策を立てるべきです。今の構造改革は発展途上国を目指すのであれば全く理想的です。念のため。
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