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中途半端な利上げが後押しする中国株の上昇(Klug View)
2007/09/19(水)22:38
中国株の上昇が止まりません。9月18日の中国株式市場では、上海総合指数が5日連続の上昇となり、終値は5425.208と、過去最高値を更新しています。上海総合指数は、つい1ヶ月前には5000を下回っていましたから、たかだか20数日で1割以上も上昇したことになります。
中国人民銀行は、9月15日より預金・貸付金利を引き上げています。中国人民銀行は、今年だけでも5回も利上げをしており、預金準備率は7回も引き上げています。利上げ幅は小さいとはいえ、これだけ数多くの金融引き締めをすれば、株価にそれなりに影響を与えてもよさそうに思えます。
一般に金融引き締めが続けられると、株価は下落すると考えられています。金融引き締めによって市中に出回る資金が少なくなり、株式市場に流入する資金も少なくなるからです。この考え方を中国に当てはめれば、中国株は下落することはあっても、過去最高値を更新することは不自然といえます。
あくまで仮説の1つでしかありませんが、中国株を押し上げているのは、銀行預金の取り崩しによって生じた資金のように思えます。中国証券登記結算が発表した統計データによると、8月の新規証券口座開設数は、7月に比べ5倍増の511万8000件に達しています。8月の23取引日のうち、1日あたりの新規口座開設数が10万件を超えた日は18日間あり、最も多い日には1日で60万件もの口座が開設されています。これほどの「株ブーム」であれば、銀行預金の一部が、株式市場に流入し、株価を押し上げている可能性も考えられます。
あまり知られていないことですが、中国の株式市場の規模は、まだまだ未熟です。連日過去最高値を更新している中国株ですが、時価総額は約8兆元(約5200億円)に過ぎません。一方、中国の銀行預金の規模は約37兆元(約2.4兆円)ありますので、預金の3%弱が株式市場に流入すれば、中国株の時価総額は1割以上も拡大することになります。
9月11日に発表された8月の中国の消費者物価指数は、前の年に比べ6.5%の上昇となり、約11年ぶりの上昇率を示しています。中国政府は、今年の消費者物価上昇率を3%以内に抑えることを目標としているので、おそらく今後も中国は金融引き締めを続けるでしょう。
しかし中国政府は、景気悪化や株価下落を懸念し、大幅な利上げをする気はなさそうです。預金金利が大幅に引き上げられないのであれば、今後も預金から株式への資金シフトが続く可能性はあるのでしょう。中国株が、ある種のバブル的な上昇を続けているのは事実でしょうが、株価上昇は、中途半端な金融政策のおかげもあって、しぶとく続くように思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
中国の株式市場の時価総額はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
約8兆元(約5200億円)
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/09/19/post_2265.php