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18日FOMC声明、追加利下げ示唆する内容か
2007年 09月 14日 12:08 JST
[ニューヨーク 13日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が18日開く米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視されるなか、今後のリスクや政策の先行きについてFOMC後の声明でどのような認識が示されるのかに注目が集まっている。
アナリストは、FRBが経済への脅威を認め、インフレ見通しについてよりバランスのとれた見方を示し、追加利下げに道を開くとみている。
JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「FOMC声明はバイアスをやや緩和方向に傾けると思う」との見方を示した。前回のFOMCでは、インフレが依然として経済にとっての主要なリスクとの認識が示されていた。ただ、8月半ばごろから信用収縮が深刻になり、金融市場の混乱が経済全般に大きな影響を与えるとの懸念が浮上。こうした事態を落ち着かせるために、FRBは短期金融市場に流動性を潤沢に供給したほか、公定歩合の引き下げを行った。
8月の米非農業部門雇用者数が予想外に減少したことから、金融市場は、18日のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が引き下げられるとの見方でほぼ一致している。エコノミストは、政策金利が少なくとも0.25%ポイント引き下げられると予想している。
今週に入って複数のFRB当局者が発言したが、利下げ期待を後退させるようなコメントはなかった。ただ、経済の見通しに関する認識には温度差があり、利下げ幅についての市場の見方は分かれている。 金利決定と同じぐらいの重要性を持つのが、FOMC後の声明だ。
アナリストらは、18日の声明について、8月17日の公定歩合引き下げの際に発表された声明を発展させた内容になるとみている。
8月17日に発表された声明では、成長への下方リスクが目に見えて(appreciably)高まったと指摘。「状況を監視しており、金融市場の混乱が経済に与える悪影響を緩和するため、必要に応じて行動する用意がある」としたため、利下げ期待が高まった。
一部のアナリストの間では、FRBが18日の声明でもこの文言を踏襲し、追加利下げの用意があることを示唆するとの見方が出ているほか、10月末の次回の定例会合前に利下げがある可能性も指摘されている。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27889020070914
ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツのエコノミスト、ケネス・キム氏は「おそらくは、行動の用意があると表明し、次の会合で追加利下げを行うことを暗に約束する」としている。
2000年12月、FRBが利下げ局面に入る直前のFOMCでは「変化している経済情勢を注意深く監視し続ける」と表明。その2週間後に、定例会合を待たず、市場の意表をつく利下げに踏み切った。
FRBは18日には、長引く住宅市場の低迷のほか、金融市場の混乱と信用収縮について言及する見通し。ただし、アナリストは、FRBは緩やかな景気拡大が続くとの見方は維持する、と予想している。
FRB当局者は既に、食品とエネルギーを除くインフレの緩和を指摘しているが、インフレ見通しに関する議論は難しさが予想される。
サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は10日、「実質的なインフレ圧力の改善の兆候が、最近のデータで見られる」としている。
ミシュキンFRB理事は一歩踏み込み、成長の下振リスク拡大を考慮すれば、インフレ見通しのリスクはより均衡してきた、と述べた。
ただ米国ではこのところ、生産性が鈍化し、労働コストも上昇、原油や食品価格も急騰していることから、一部のFRB当局者は、インフレ懸念を完全に無視することにはためらいを感じるかもしれない。
FRBが金利を据え置いてきたこの1年ほどの間は、経済が緩やかに成長する一方インフレが高止まりしていたため、FRBは声明を、金利をどちらの方向にも動かせる余地を残すような内容にしていた。
18日声明ではFRBが市場の期待を誘導する能力が試されよう。
(ロイター日本語ニュース 原文執筆:Tamawa Kadoya、翻訳:吉川彩)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27889020070914?pageNumber=2