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日銀による9月追加利上げを見極めるポイント【KlugView】
2007/08/23(木)19:50
8月23日、日本銀行は金融政策決定会合を開き、賛成8、反対1の賛成多数で、政策金利の現状維持を決めました。これにより、短期金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利は、年0.5%で据え置かれることになります。
報道によると、金融政策決定会合では、国内景気が緩やかな拡大を続けているとの認識で一致したようですが、米国サブプライムローン問題をきっかけとした金融市場の動揺や、米国経済先行きを慎重に見極める必要があると判断し、追加利上げを見送ったようです。
日本銀行執行部としては、米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合を0.5%引き下げ、ECBが金融市場に大量の資金供給を続けている以上、国内景気が拡大しているからと利上げをするのは難しく、今回の利上げ見送りは、ある程度順当な結果だといえます。むしろ市場関係者の多くは、今回(8月)の結果よりも、次回(9月)会合での利上げの有無に目を移しています。
次回の利上げの有無を考える上でポイントとなるのは、会合後の記者会見での日本銀行・福井総裁による「(金融市場の動揺が収まるには)ある程度時間がかかる。数週間でほぐれるとはみていない」というコメントです。
市場関係者の多くは、福井総裁の「数週間でほぐれるとはみていない」の部分に注目し、次回の利上げも見送られるだろうとの考えを強めているようです。たしかに機械的に考えれば、数週間とは少なくとも2,3週間を意味するので、次回の会合が開かれる9月18、19日まで、日本銀行は様子を見ると考えられます。
ただ個人的には、福井総裁のこの発言を、そこまで機械的に考えなくても良いように思えます。福井総裁のコメントは、あくまで福井総裁自身の見込みであり、福井総裁の見込みが外れ、金融市場の動揺が予想以上に収束すれば、次回会合でも利上げを見送る理由にはならない気がします。
今回と同様、次回の会合でも、欧米の中央銀行の動きが日本銀行の動きを制約するとの見方もあります。たしかに、国内景気の拡大が続いているのであれば、日本銀行は今回会合で利上げをして良いはずで、日本銀行が欧米の中央銀行の動きと歩調を合わせた感は否めません。
欧米の中央銀行の考えを見極めるうえで重要なのは、9月6日の欧州中央銀行(ECB)の政策金利決定会合と、9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の2つです。ECBは、サブプライム問題が拡大する前の8月に、9月に利上げをすることを半ば予告していました。このため、9月にECBが利上げを実施すれば、(途中で右往左往したものの)ECBはサブプライム問題が利上げを抑制する要因にならないことを示すことになります。
9月のFOMCもポイントです。短期金融市場を見る限り、市場はFRBが9月のFOMCで利下げを実施することをほぼ100%織り込んでいます。こうした状況においても、FRBが市場の期待に反して政策金利(FFレート)を据え置けば、日本銀行の追加利上げムードは一気に高まることになります。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
日本銀行による9月の金融政策決定会合で
追加利上げの有無を見極めるポイントは?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
9月6日の欧州中央銀行(ECB)の政策金利決定会合と、
9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の2つ。
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/08/23/post_2660.php
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