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インフレ退治の効果は期待できない中国の値上げ取り締まり強化【KlugView】
2007/08/28(火)19:43
中国国家発展改革委員会の物価担当高官は、政府のウエブサイトにて、物価は適切なレンジを超えて上昇すべきではなく、食品やその他の物価動向を注視していくとのコメントを示しています。このコメントは、中国政府が、値上げの取り締まりを強化するとの方針を示したものとみられています。
7月の中国の消費者物価指数が前の年に比べ5%以上も上昇しているように、中国ではインフレ傾向が強まっています。消費者物価指数の内訳をみると、食品価格が15%以上も伸びており、中国に住む一般の方々は、インフレが進んでいることを実感していると思われます。
一般に、インフレの進展は、国民の経済的な不満を広げやすい要因といわれています。中国政府の高官が、値上げ取締り強化をほのめかすのも、こうした状況を懸念したためと思われ、物価の上昇が続くようであれば、実際に値上げ取締りを強化すると思われます。
ただ、物価の上昇が市場原理に基づいて生じている以上、政府がいくら取り締まりを強化したところで、物価上昇が止まることは無いと思われます。1973年、当時の日本政府は、オイルショックをきっかけとした物価上昇に対応するため、事実上の物価統制令を施行しました。しかし、物価上昇が止まったのは、当時社会で増え続けたお金の流通量が、減少したときでした。いわゆる過剰流動性の終焉と呼ばれる現象です。
本コラムで何度と指摘しているように、中国の物価上昇に歯止めをかける効果的かつ即効性のある方法は、中国に流通しているお金の量を抑制すること、つまり金融引き締め策と思われます。すでに中国の金融当局は、利上げなどの金融引き締め策をいくつか実施していますが、結果をみる限り十分なものとは言いにくい状況です。インフレを実感する中国の人々の不満を解決する方法は、政府が値上げの取締りを強化することではなく、金利の大幅な引き上げや人民元レートの変動化など、これまでから、より踏み込んだ金融引き締め策のように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
7月の中国の消費者物価は前の年に比べどれくらい上昇した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
5%以上(正確には5.6%)
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/08/28/post_298.php
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