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http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kinyu/news/20070819k0000m020031000c.html
【ワシントン木村旬】米住宅ローンの焦げ付き問題に端を発した金融市場の混乱を沈静化するため、米連邦準備制度理事会(FRB)が17日、公定歩合の引き下げに踏み切り、米株価は反発して円高も一服した。だが、「一時的な効果」と懐疑的な見方も根強く、市場が安定化するかは予断を許さない。FRBは最重視する政策金利の引き下げにも含みを残し、市場が再び動揺すると「次の一手」が焦点となる。
今回の信用不安の引き金となった低所得者向けの高金利型住宅ローン(サブプライムローン)に絡んだ損失は、米欧のヘッジファンドなどで相次いで発生している。同ローンの返済を担保にした金融商品は幅広く取引されてきたため、「次はどこで損失が表面化するのか」との投資家の警戒感は解消していない。
これに対し、現行の年6.25%から0.5%引き下げて5.75%とした今回の公定歩合の引き下げは、信用不安の広がりで資金繰りが難航している金融機関の負担を軽減する狙いだ。このため、「不安の拡散をとりあえず抑える『応急手当て』に過ぎず、投資家の疑念がくすぶる限り、市場の混乱は終息しない」(米スタンダード・アンド・プアーズのデビッド・ウィス氏)との指摘が出ている。
FRBも17日の声明で、市場が安定化しない場合は、公定歩合よりも利下げ効果がはるかに大きく、経済全体への波及効果が見込める政策金利の引き下げに動く用意があることを示唆した。
FRBはこれまでインフレ警戒に軸足を置いてきたが、「景気重視に転換した。9月18日に開く定例の連邦公開市場委員会の前にも政策金利を引き下げるだろう」(米ゴールドマン・サックスのジャン・ハチウス氏)との観測が広がっている。また、公定歩合の再引き下げを行う可能性も取りざたされている。
一方、FRBは、公定歩合での融資を受ける金融機関の担保として、信用力が著しく低下している住宅ローン債権も認めた。米ベア・スターンズのジョン・ライディング氏は「担保の範囲は幅広く、市場に十分な資金を供給するものだ」と指摘し、政策金利の引き下げはないとの見方だ。
【ことば】FRBの政策金利 民間の金融機関同士が資金を融通する短期金融市場の金利(フェデラル・ファンド金利)の誘導目標のこと。現在は年5.25%。昨年8月に利上げを休止してから、据え置かれている。公定歩合は資金繰りが難しい金融機関にFRBが融資する金利のため、引き下げ効果が限られる。政策金利は金融機関全体が対象なので、引き下げによって、金融機関が企業に貸し出す金利や住宅ローン金利が低下するなど経済全体への波及が見込める。
毎日新聞 2007年8月18日 18時52分