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来週の外為市場、金融市場に拡大した不安払拭が課題
8月17日17時49分配信 ロイター
[東京 17日 ロイター] 来週の外為市場で、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題を背景に金融市場に拡大した信用収縮懸念の不安を、どこまで払拭できるかが焦点となりそうだ。
円キャリー巻き戻しによる主要通貨売り/円買いの流れが反転する材料は見当たらず、為替相場も着地点が見えない状況が続いており、各国中央銀行の政策運営が注目される。日銀金融政策決定会合では、最近の金融市場の混乱から金利据え置きが織り込まれつつある。
予想レンジはドル/円が110.00─115.00円、ユーロ/ドルは1.3250―1.3600ドル、ユーロ/円は146.00―153.00円。
<信用収縮不安で、引き続き円が相場を引っ張る>
金融市場の信用収縮懸念で、16日から17日にかけて世界の株価が軒並み下げ、円キャリー巻き戻しから円が大きく買われた。みずほ総研シニアエコノミストの吉田健一郎氏は「ドルと円の名目実効相場の動きをみると、名目実効ドル相場は下げ止まっている一方で、名目実効円相場は上昇ペースが加速している」とし、エマージング地域からの資金流出に伴う円キャリートレード解消の動きが進むなか、引き続き円が為替市場のけん引役になりつつあると指摘している。
外為市場が米国の株価に連動する動きに変わりはなく、米株価の下落が続けば更に円高が進む可能性が高いとみられている。吉田氏は「115円の節目を下抜けしたドル/円相場は、そのレベルを上限として円高リスクを強く意識した展開が続くだろう」との見方を示している。
こうした金融市場の混乱のなかで「反転材料は見当たらない」(大手証券)とされ、各国中銀による金融政策対応への期待が高まっている。信州大経済学部教授の真壁昭夫氏は、「米、欧、日の中銀が大量の資金を市場に供給しているが、これは問題解決の特効薬ではない」という。そのうえで「利下げとクレジット物の買い切りオペの合わせ技が、FRB(米連邦準備理事会)から出てくれば、マーケットは劇的に回復するだろう」と指摘している。
<市場は金利据え置きを織り込み>
22、23の両日開かれる日銀金融政策決定会合で、金融収縮懸念が広がる前は利上げが期待されていた。しかし、ロイターが13日、金利・為替市場関係者を対象に実施した緊急アンケート調査によると、8月の利上げを予想する参加者は、前回調査(7月12日)では回答者57人中45人(78%)から45人中12人(26%)と大幅に減少した。
日興シティグループ証券為替ストラテジストの山本雅文氏は、足もと株価下落や円急伸など金融市場の動揺を受けて利上げ期待はかなり低下しているとし「(こうした)金融市場の動向に加えて、個人消費減速懸念、米景気の下振れリスクの高まり等を踏まえ利上げは見送られる」との見方を示す。
そのうえで「利上げ見送りは他国との金利差縮小の遅延を意味し円安要因ではあるが、金利差そのものが市場の焦点ではなくなっているなかで、円買い圧力を抑えるには不十分」としている。ロイターのアンケート調査では、9月の利上げ予想は45人中21人(46%)にのぼる。市場参加者は「その時点での株価次第ではないか」とみている。
<米新築住宅販売も手掛かりの可能性>
24日は7月米新築住宅販売が発表される。大きな材料にはならない見通しだが、「銀行の融資基準厳格化の影響が販売低迷に結びつくようだと、サブプライムローン問題懸念を強め、円買いに繋がる可能性もあろう」(山本氏)との見方もある。
最終更新:8月17日17時49分