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2007年08月16日
世界同時株安5
世界同時株安の波が止まりません。私は7/27にあげた記事で、日経平均で15000円台、ダウで12000ドル代半ばを試すとしていましたが、その水準にも近付いてきたので、改めて水準というものを見直したいと思います。
まず今回の下落はサブプライムローン問題が発端ですが、今はそのことより信用収縮がリスクとしてではなく、実態として債券のセカンダリー相場に影響していることが問題です。これに伴い資金繰りが悪化した企業の破綻、閉鎖が続いており、それが問題を長期化させています。
潤沢なキャッシュフローと見られていた米国が、意外と簡単に底割れしてしまったことで、換金売りが進むとの思惑が働き、世界各国の市場を一気に悪化させました。世界同時株安としていますが、ここからは世界同時景気後退局面を視野に入れ、思考を変えていく必要もあるでしょう。
日本市場は今日大幅下落に見舞われましたが、これはこれまでも外国人投資家頼みの相場でしたから、そこが姿勢を変化させれば、こうして売りに押される局面となります。極端だったのは、そこに売りで稼ぐ主体がいたためであり、買いの気配が全く入りませんでした。
日経平均先物より、TOPIXの逆ザヤ状態がひどく、とにかく売り一辺倒でせめて来ました。17000円台近傍で押し目を狙った個人投資家も、この動きに抗することも出来ず、投売りを強いられたために、今日の大幅下落を招きました。それでも後場下げ渋ったのは流石に傾斜が急なため、下げ止まり始めたことで押し目をとったものと思われます。ただこれはセリングクライマックスとは思えないので、もう一段の下げは覚悟する必要があるのでしょうね。
最近、私が経済を語るときに数値や指数を用いないのは、景気が好調の時の数値は今何も意味をもたないからです。CDSやVIXなど、普段耳慣れない指数を示して下げ止まるという意見も、PER水準が割安という意見も、経済が混乱して後退局面を迎えるとき、株価が動かなくても指数の方が勝手に正常値に戻るだけであって、上昇を示唆するものにはなりえないからですね。
そこで水準ですが、日経平均は15000円台後半、ダウは12000ドル台半ばでもみ合う展開を予想しています。その下の水準も考えましたが、米国で巨額破綻などが明らかになれば、FRBの緊急利下げや政策面での支えが入ると思いますので、別の悪材料がない限り売り込むのは難しいと見ます。今回の下落で誘発された新興国経済の崩壊、のような事態となれば、その時はもう一段の下げを覚悟する必要はあるのでしょうね。
最後に、安倍首相が「日本経済は底堅い」、尾身財務相が「山は越えた」等の発言をしていますが、今は発言により影響を抑える段階は越えました。米国でもそうですが、政策面での対応が必要な段階に来ていると考えています。それがあっても後退局面入りすれば、景気の下支えも難しくなりますので、初期段階での対応が重要ということを考え、政府には行動していただきたいと思います。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/