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BNPパリバ証券の河野龍太郎・・・ 「地方から大都市への人口流入」 【ブルームバーグ】
http://www.asyura2.com/07/hasan51/msg/646.html
投稿者 hou 日時 2007 年 8 月 15 日 19:53:52: HWYlsG4gs5FRk
 

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=a0DnDRmhhdqk&refer=jp_japan

設備投資をめぐるズレ、輸出頼みと中央・地方の格差拡大を映す
  8月15日(ブルームバーグ):戦後最長の景気回復を輸出とともにけん引する設備投資をめぐって、代表的な先行指標とされる機械受注統計と、国内総生産(GDP)などに表れる実態とのズレが広がっている。背後には、日本経済の輸出依存度の高まりに加え、中央と地方との格差拡大も透けて見える。

  日本経済の総合的な姿を示す国内総生産(GDP)で、民間企業の設備投資は4−6月期に前期比年率4.9%増と堅調だ。6四半期連続の増加で、伸び率は1−3月期の約4倍。7−9月期には「同7%程度に加速する」(クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト)など、今後も景気のけん引役を果たすとの見方が多い。

  内閣府は6日の経済財政諮問会議に提出した2007年度の経済動向試算で、民間設備投資の予測値を、1月に閣議了解された政府経済見通し(3.6%増)より0.2ポイント上方修正。大田弘子経済財政担当相は13日、GDP統計発表後の記者会見で「設備投資は堅調な伸びだ。景気のけん引役は変わっていない」との見解を示した。

  実際、設備投資の堅調さを示す指標や調査は多い。日銀の企業短期経済観測調査(短観、6月調査)では、大企業・全産業の07年度設備投資計画(土地投資を含む)は前年度比7.7%増。日本政策投資銀行が2日発表した設備投資計画調査によると、全産業の設備投資計画は07年度に前年度比11.0%増。実現すれば、前年度実績(7.7%増)を上回り、1990年度以来17年ぶりの二ケタ増となる。

  企業による前向きな投資計画は、高い収益力に裏付けられている。11日付の日本経済新聞朝刊によると、3月期決算企業の約4分の1が、今年度稼ぐと予想する経常利益の3割超を、4−6月期だけで稼いでしまったという。

             機械受注のみ悪化

  ところが、設備投資の代表的な先行指標とされる機械受注額は低迷を続けている。実際の設備投資に1−2四半期ほど先行するとされる「船舶・電力を除く民需」は直近の6月分が前月比10%を超える減少。4−6月期も2四半期続けての前期比マイナス。7−9月期の業界見通しも同3.7%増にとどまった。

  実際の設備投資が堅調なのに機械受注だけが悪いとなると、機械受注が持っているはずの先行性に疑問符が付く。金利水準の正常化を目指す「日本銀行も、相関性の低下に注目しているようだ」(HSBC証券の白石誠司チーフエコノミスト)といい、追加利上げの是非をめぐる判断に影響を及ぼす可能性もある。

               輸出頼み

  設備投資に対する機械受注額の先行性が低下している要因としては、まず輸出依存度の高まりが挙げられる。注目指標である「船舶・電力を除く民需」が弱含む半面、別項目の「外需」は「明確な上昇基調を維持している」(みずほ証券の落合昂二シニアマーケットアナリスト)のだ。

  機械受注の総額は民需と官公需、外需、代理店からなる。民需(船舶・電力を含む)は4−6月期まで、4四半期続けて前期比マイナス。一方、外需は直近の3四半期連続で増加した。4−6月期には受注額(季節調整値)が3兆3804 億円となり、四半期ベースで初めて民需を上回った。今回の景気回復が始まって間もない02年前半には月5000億円前後だった。

  背景には、日本経済の輸出依存度の高まりがある。07年度の「年次経済財政報告」(経済財政白書)は、実質GDPに占める輸出の比率がバブル経済期までの7−8%から、今年1−3月期には15%程度まで上昇したと指摘。内閣府の丸山雅章参事官は6日の記者説明で、07年度の経済動向試算で設備投資の伸び率を上方修正した理由として、輸出の増加が設備投資を誘発する点を挙げた。

  輸出の先行きは明るい。4−6月期は米国向け輸出が伸び悩んだが、アジアや欧州向けは好調。7−9月期以降は、米国向け輸出も回復に向かうとの見方が一般的だ。

              非製造業の伸び

  機械受注の先行性が揺らいでいるもう1つの要因は、非製造業によるオフィスビルや商業施設などの建設投資が増えているためという見方がある。企業の設備投資は機械投資と、工場やオフィスビル、商業施設などの建設投資に大別されるが、製造業が工場などを建設すれば、工作機械などの機械投資もついて来るのが一般的。非製造業の建設投資にもある程度の機械投資が必要になるが、「非製造業の投資品目に対する機械受注統計のカバレッジが低いため、機械受注額が実態より低く出る可能性がある」(大和総研の牧野潤一シニアエコノミスト)というのだ。

  非製造業が建設投資を主導する局面になれば、建設投資に伴う機械投資が十分に捕捉されず、先行指標のはずの機械受注額が伸び悩むことになる。牧野氏は、建設投資のけん引役が昨年10−12月期から、製造業から運輸業や卸・小売業などの非製造業に移った影響が出始めているとみる。

  実際、GDP統計の2次速報で基礎統計として使われる法人企業統計季報で業種別の設備投資額を見ると、直近の1−3月期には、投資額が4兆5000億円弱と最も大きいサービス業は前年同期比7.2%増。2番目に大きい運輸業は同 35.4%増の1兆8000億円弱、3番目の情報通信業は同14.2%増の1兆7000億円弱と、非製造業の好調さが目立っている。

            格差拡大、人口移動

  非製造業が建設投資のけん引役に躍り出た裏には、「中央と地方」に代表される地域間の格差拡大が潜んでいるようだ。

  建設投資の増加は、直近の4−6月期には耐震偽装事件を受けた建築基準強化を前にした駆け込み需要も影響した可能性がある。ただ基本的には、「景況感が良い首都圏や東海地方で、オフィスビルや商業施設の建設ラッシュが続いていることが主因」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)とみられるからだ。

  オフィスビルや商業施設の建設ラッシュについて、河野氏は、首都圏や東海地方の大都市を中心とした景気回復が地方経済にはなかなか波及しないなか、「地方から大都市への人口流入が加速したことで、大都市で不動産の期待収益率が上昇したため」と分析している。

  河野氏の指摘するように建設投資の伸びが構造的なものなら、設備投資と機械受注額のズレは今後も続く可能性がある。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野澤茂樹 Shigeki Nozawa snozawa1@bloomberg.net

更新日時 : 2007/08/15 07:56 JST

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