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http://www.rian-japan.com/news/details.php?p=564&more=1
ロシアの石油の巨人にたじろぐ米国小規模小企業。
16:06
今日の話題
オレグ・ミチャエフ、ノーボスチ通信社経済解説員。
アメリカでは、同国に約2000のガソリンスタンド(金額にして40億ドル)を持つ有名な石油会社「ルックオイル」に関わるスキャンダルが続いている。スキャンダル提唱者は、アメリカでガソリンの小規模のホールセールス(卸売納入)を行なっているあまり良く知られていないGreen Oilと言うアメリカの商社である。同社は裁判を通じて被告人(ルックオイル)からアメリカ全土に亘る給油権の剥奪を要求している。訴訟は、自分よりももっと成功裏に事業を展開している異分子国(ロシア)の競争相手との競争で不利な立場を払拭するために政治要因を利用しようという試み以外の何物でもないことは殆ど誰も疑っていない。
イリノイ州地方裁判所に提出された訴状自体はアメリカに非常によくある価格の談合を告訴する内容だ。「ルックオイル」は、サウジアラヴィアのSaudi AramcoとヴェネズエラのPDVSAとの間で、価格談合協定があったとして告訴されている。注目すべきことは、Green Oil社が巨人3社を告訴しているのは、アメリカでの車所有者のためにガソリン価格を不当に吊り上げたことではなくて、「黒い金」の国際価格、さらには、3社と一緒になって石油の卸売り価格を操作しているとしていることである。しかしGreen Oilが、被告人3社に、「たかだかアメリカ全土の給油権を剥奪する」と言った程度の処罰を要求するとうのは愚かなものに見える。
とは言ってもガソリンの給油を営むこの小さなブローカー業社の立場も理解することはできる。実際、Green Oil社が石油と石油精製品の価格高騰に悩まされていたのは事実だ。いつものように、自己所有の採掘及び精製設備を持つ大手石油会社がいつも勝者になる。そして、Green Oil社の訴状に列挙された3社は、あらゆる観点から、勝者の立場になっているとの考え方に結びつけることができる。しかし、国際石油価格高騰の罪をなぜか3社だけにしか提訴していないのは滑稽に見える。Green Oilの訴状には、全般的な言葉や見解、そして何も具体的根拠で確認されたわけではない、単なる「あたかも価格の談合があったかのでは」という程度の不確かな事例が数件示されているに過ぎない。
それでもGreen Oilにとっては無礼者の「地理」(無礼者の範囲)は、はるかに広くなるかも可能性がある。例えば、Green Oilは、2002年の前半にSaudi AramcoとPDVSAとルックオイルがオマーン、メキシコ、ノルウエイそしてアンゴラの石油会社と採掘を減らすことで合意しそれが原因でアメリカ国内での石油製品の卸売り価格が高騰したと、ことさら、主張している。しかし、このような事実が実際あったとしても、「黒い金」の価格が雲の向こうのような額になったというなら「談合参加者」全員を告訴すべきであり、その意味で無礼者の数は増える可能性はある。
Green oilは、しかしながら、高騰した価格の責任は、もう1つのロシアのもう1つの大産油会社「ロスネフチ」を含む他社にもあることを認識している。ではなぜGreen Oilはブラック・リストに3社しか挙げなかったのか?
答えはすぐに判る。提訴された石油巨人3社はすべてアメリカ市場で確固たるシェアを持っているだけでなく(ついでに言うと、同じロスネフチはアメリカで1台のガソリンスタンドも持っていない)、「異分子」陣営に挙げられる会社である。Green Oilは、総合的に判断すると、「疑わしい」アラブのSaudi Aramcoと「21世紀の社会主義建設者」ウーゴ・チャヴェスの国ヴェネズエラからのPDVSAを、地元の市場から追い出すために、アメリカでの政治気運を利用することを決意したようだ。そして、「全く先の読めない国」ロシアからの「ルック・オイル」社もついでに追い出そうとしているようだ。このことを一番明確に物語っているのはGreen Oilの主要求である、上述3社すべてに、彼らの所有のアメリカにあるガソリンスタンドと石油精製所を手放すように強制していることである。
あたかもこれは、石油の国際価格を下げる効果があるように見えるかも知れない。
恐らく、アメリカで、ついでにガソリンスタンド装置だけを持ち、ガソリンはアメリカで精製工場から買い高く転売している「ルックオイル」に対して、Green Oilは心理的に毛嫌いしているのだろう。丁度、今年に、ルックオイルは、アメリカで購入したガソリン給油所の看板の交替作業を終える。最初のアメリカ人の目に慣れているGettyとMobilという看板から彼らには馴染みのないLukoilの看板に交替する。これも車を頻繁に使うアメリカの地方の住民にはこれは多分気に入らないものになるだろう。
「ルックオイル」自体はGreen Oilの訴訟をそれほど恐れていないようだ。ルックオイルは、新しい巨人の誕生により心配になった地元の小さなガソリン給油企業からの似たようなクレームを、アメリカの裁判所で、すでに何度も退けてきた実績を持っているからだ。