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2007年08月12日
経済の話。世界の動きについて
現在、世界市場が混乱し、日米欧の協調介入としてオペが実施されています。欧州中央銀行(ECB)が15兆円、10兆円、米準備制度理事会(FRB)が3兆円、4兆円と巨額に上る資金を連日投入し、市場の安定化につとめています。ただこのオペはあくまで債券相場を安定させるものであり、世界から連日数十兆円規模の資金が失われつつある今、これが巨額に見えても焼け石に水に終わる可能性すらあります。
米証券取引委員会(SEC)がサブプライムローン関連の、各金融機関の損失調査を開始しましたが、今為さねばいけないのは、信用収縮における債券相場のダメージです。バーナンキFRB議長が算出した12兆円という損失規模も、信用収縮が起これば影響範囲は数百兆円規模に膨れ上がります。
更に今回の問題で、一番深刻なのは『格付け』による各金融機関の信頼が、完全に崩れてしまったことです。未だに「日本の金融機関が保有しているのは、格付けの高い債券だから大丈夫」という声を聞きますが、今回破綻しているのは、格付けの高い債券を保有していたヘッジファンドです。そもそも論として、サブプライムローンを組み込んだ債券の、80%が最高ランクの格付けをされていたといわれていますから、格付けによる評価は不可能です。
そしてここで起こり始めた資産デフレの波が、世界のあちこちに波及し始めます。今までと全く逆、資産を持たざるリスクから、持つリスクへと転換され、資産を手放さない限り評価損の計上を免れなくなります。自社株買いと業績好調により支えられていた株価も、一段の下を見に行く可能性は高まるでしょう。何より、上記の理由と世界経済の混乱が、業績に対して影響を強くするからです。
今回の下落局面は、明らかに前二回の下落と違う、と私は指摘しています。欧米が激震しており、また信用収縮が起きたことで、世界に溢れていたマネー量が確実に減少するからです。今回は懸念でなく、現実としてこれが起こっており、過去二回の下落局面で過度な上昇期待を持つ人もいるかもしれませんが、状況が全く異なるということは憶えておいて欲しいと思います。
今は全ての市場で、何が起きるか分からない事態に陥っています。ここまでの好景気は『良いとこ取り』でしたから、その一つのピースが外れたことで、総崩れになる可能性もあります。問題が収束するまでは安易な期待は控え、市場に対しては厳しい姿勢で臨むべき時です。個人で市場に参加されている方は、くれぐれも注意していただきたいと思います。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/