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2007年08月10日
世界同時株安4
再び世界が大きく震撼しています。ことはECB(欧州中央銀行)が15兆円、FRB(米連邦準備制度理事会)が3兆円の緊急オペを行い、市場に資金を投入したことです。欧州でもサブプライム問題の損失が拡大し、ヘッジファンド破綻懸念が発覚しました。日本でも今日はあおぞら銀行が総額210億円の債券があり、45億円を評価損として計上すると発表しました。日銀も1兆円のオペを実施して、市場の安定を図っています。
サブプライム問題は住宅ローンに留まらず、債券市場に大きな打撃を与えています。昨日ML証券リポートを取り上げましたが、あれは金融関係者からの悲痛な叫びととるべきです。米国経済はそれほど痛んでいるのであり、資金の出元を絞られた世界経済は、今後確実に鈍化するでしょう。
米国ではベアスターンズ代表が中国にわたり、資金援助を申し出るようです。ただブラックストーンで損失を蒙り、中国としても新たな金融機関への保有資産の投入は、二の足を踏むところです。これに失敗すると、ベアスターンズは破綻懸念が広がるでしょう。
それ以外にも複数の金融機関が破綻、もしくは互助会的な統合を繰り返して、やっとこの問題は収束すると考えています。更にブッシュ政権は経済のタガを緩めることで世界経済を潤してきました。今回下落局面を迎えたことで、ブッシュ氏の経済運営にも批判が集まり、今提出されているヘッジファンド課税の見直し以外に、ヘッジファンド管理が進んで総崩れになる可能性もあります。
上海株の下落がほとんどないのは、中国人にとって世界経済との連動性、経済のダイナミズムを理解できていないためです。今はチャイナマネーが緩衝材として働いていますが、今後のアジア相場には緊張が走ります。それはマネーボリュームが減る過程では、新興国の方がより大きな影響を受けるからです。
日本では円キャリー取引、投信、などの日本が世界に供給したマネーの分の損失は被ることになるので、これには注意が必要です。最悪は日本で投信などの中途解約、換金が進み、更に世界経済を弱めることですが、現実問題としてここまで世界経済が混迷すると、それもあるでしょう。
相変わらず、今の日経平均はPER18倍だから割安という意見がありますが、今回の世界経済の混乱で、企業業績は下方修正されると見てまず間違いありません。為替差益だけで業績を上げてきた企業など、この下落でメッキが剥がれるのですから、今はそうした言葉に騙されないよう、しっかりと見定めるべきです。
何事も『過ぎたること』から変化は始まります。「下げ過ぎ」という言葉も、世界経済の変化の前では何の意味をもたないのですから、今は見極めをしっかりしておくことが、個人の方には大事なのでしょう。私はすでに下落トレンド入りを示唆していますが、下げ止まりというのは世界経済の行方を確認してからだと考えています。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/