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長野県公共事業評価監視委員会の委員を務める金子勝・慶応大学教授と保母武彦・前島根大学副学長らに対し、県が任期半ばでの辞職を勧告したことから、委員会がもめにもめている。2人は田中康夫・前知事時代に任命され、公共事業には批判的。共に「多忙」「家が遠い」という勧告理由に反発、保母氏は勧告拒否で留任が決まったが、金子氏は意思確認のないまま名簿から削除された。金子氏は6日開催の委員会に乗り込み、会場は一時、騒然となった。
2人は田中参議院議員(新党日本)が県知事時代に委員に就任。任期は来年3月末までの2年間だった。田中前知事の「脱ダム宣言」でいったん工事が中止された浅川ダムの建設に反対している。同ダムについては、1年前の8月6日、田中氏を破って当選した村井仁・現知事が工事再開を決めている。
今年3月末、県は2人に土木部長名で「大変お忙しい」「大変遠路よりわざわざ時間をかけ(出席)」を理由に「ご厚意にこれ以上甘えることは本意ではありません。ご辞退についてお考えいただければ幸い」などとする文書を送った。県によれば、保母氏には電話で意向が確認できたが、金子氏は連絡が取れず、返信もなかったため、「辞意」と判断、今年度の委員リストから削除した。
一方の金子氏は「同意もなしに解任するのは手続き違反。県に批判的な委員を辞めさせたいのではないか」と納得していない。6日の委員会では「解任されたことをメディアの取材などで初めて知った。県からは通告もない」と述べ、「県の独断で委員を辞めさせられるのなら、委員会の独立性は損なわれるのではないか」などとする5項目の質問状を読み上げた。