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http://www.nnn.co.jp/tokusyu/focus/070413.html
道州制 経済地盤沈下へ強い警戒
2007/04/13の紙面より
道州制の具体化論議が政府・与党や中央財界で加速する中、鳥取県内の主要経済団体による検討会が発足した。道州制論議に本腰を入れ、国の制度設計に積極的に注文していく考えだ。県域制度の廃止に伴う経済地盤沈下への警戒心は強く、論点を整理して声を上げる必要に迫られている。地方分権の進展、地域の在り方をめぐる論議で、平井新県政の重要課題にもなりそうだ。
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論議に本腰
道州制移行で地域が直面する課題を分析した県内主要経済団体による検討会の初会合=3日、鳥取商工会議所
■「千葉リポート」
検討会初会合には、とっとり政策総合研究センターの千葉雄二調査研究ディレクターがアドバイザー的立場で出席。財政力や経済力の諸指標を比較・分析したリポートを行い、「適切な対策がなければ、県域の経済縮小は明らか」と指摘した。
人口最少県の鳥取県は、地方交付税や社会保障制度、県職員数などで「相対的厚遇」にあり、これらが中国五県で最も低賃金ながらトップの家計最終消費支出(いずれも人口一人当たり)を支える主因と分析。県域撤廃で地域リスクや格差が表面的に希薄化する恐れがあり、財源調整の設計次第で大きな影響を受けると訴えた。
仮に行政システムの効率化に重きが置かれると、道路問題のように非効率のやり玉に挙げられ、鳥取県の訴えは「集中砲火を浴びる中での対応を余儀なくされる」(千葉氏)との危ぐもあるとした。
■再び合併論議も
千葉氏は、影響緩和の論点の一つとして、現在の県域メリットを最大限継承する市町村設計に言及。県の機能は基礎自治体となる市町村に移される。小規模か、大規模か。力量をどう高めるか。「平成の大合併」が完了したばかりだが、国の制度をにらみながら検討し、「一県一市化」も一つの案だとした。
道州区域は原則、県単位で集約し、国が最終決定する。関西圏との連携を模索する県東部、中海圏での結び付きを考える県西部と県内部でも見解はさまざまで、議論百出が予想される。
■「自立型」が急務
検討会では、新たな枠組みに備え「自立できる経済構造を追求することが経済界の役目」(県経済同友会・秦野一憲代表幹事)との認識を共有した。千葉氏は「経済・産業目標を具体的に設定し、その産業を根付かせるための支援策、制度設計を要望するアプローチが重要」とアドバイスする。
自民党は夏の参院選のマニフェストに道州制への考え方を盛り込む方針だ。全国知事会は「地方分権の推進が前提」、日本経団連は「国の財源問題の根本的解決手段」と基本認識のズレも見せる。ただ、「議論の流れは早まっている」(県商工会議所連合会・八村輝夫会長)のは事実。平井伸治知事は知事選アンケートで「中央政府を解体するくらいの権限移譲が不可欠。鳥取県のメリット、デメリットもよく吟味する必要がある」とした。県内経済界は県とも共同歩調をとり、対応を急ぐ方針だ。
道州制
都道府県を10前後の広域自治体の道や州に再編する。地方制度調査会が2006年2月、地方分権の担い手となる広域自治体改革を通じ国と地方の在り方を再構築する具体案として、道州制の導入が適当と答申。同時に全国を9、11、13道州とする区割り3案を示した。07年1月には全国知事会が「分権型社会における新たな地方制度として道州制を検討しなければならない」とする統一見解を発表。日本経団連は3月、3年以内のビジョン策定、2015年実行をうたい、市町村を300−500に再編すべきとの第1次提言をまとめた。