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世界で最新式の原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は日立、東芝、三菱の三社。日本が世界のエネルギー産業をリードする
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投稿者 TORA 日時 2007 年 7 月 19 日 15:31:06: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu148.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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世界で最新式の原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は
日立、東芝、三菱の三社。日本が世界のエネルギー産業をリードする

2007年7月19日 木曜日

◆中越沖地震 柏崎刈羽原発に停止命令 被災者ら「当然」 7月18日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070718-00000021-maip-soci.view-000

地震で敷地の一部に亀裂が入った柏崎刈羽原子力発電所では施設を取り巻くようにビニールシートがかけられていた=新潟県で18日午前9時39分、本社ヘリから内林克行撮影(毎日新聞)

◆日本のエネルギー産業と安全保障 7月5日 大門寺隼人
http://daimonji.iza.ne.jp/blog/folder/2613/

世界的に重厚長大産業の復活が始まっています。そして日本はその中心にいます。

 ここでは、エネルギー分野での日本の位置と将来について、渡部昇一の意見を見てみます。

世界のエネルギーをリードするのは日本だ

 ソ連崩壊(一九九一年)でシュンとしていたロシアがいま大きな顔をしているのはなぜかといえば、石油が出ている、天然ガスが出ている、要するにエネルギー資源をもっているからです。エネルギーをもった国は強い。

 では、そのエネルギーは将来どうなるでしょうか。いちばん注目すべきはやはり原子力です。

 エネルギーというのは究極的には電気・熱にして使います。天然ガスでも石油でも原子力でも、それを電気や熱にして使う。ガソリンで車を動かすこともありますが、いまやハイブリッド(ガソリン・エンジン+電気モーター)やバイオマス・エタノール(サトウキビやトウモロコシから得る燃料)など、代用が利きます。電気に比べたら、さほどの量は必要ありません。エネルギー問題の主要テーマは電気と熱なのです。そして、これを大量に供給できるのはやはり原子力発電所です。

 戦後、私の郷里(山形県鶴岡市)の近くに「八久和ダム」という大きなダムができました。そのとき地元の人たちは「発電量が七万キロ・ワットもあるそうだ」といっていたのを覚えています。現代であれば七万キロ・ワットなど、まったくたいしたことはありません。じっさいその後、石油発電所ができて、これは五十万キロ・ワットといわれました。ところが原子力発電所は百万キロ・ワットです。ケタ違いです。それを知ったとき、八久和ダムのことを覚えていた私は、原子力とはなんと凄いものかと思い知りました。

 ところが周知のように日本というのは原子力アレルギーが強い国です。「原子力」というと、すぐマスコミが叩く。そんなことが続いておりましたが、それでも電力会社の人たちはコツコツと原子力発電の技術を磨いてきました。そうした人たちのおかげで、いまや日本の電力の三分の一は原子力になっています。しかも原子力は「プルサーマル」に移行しようとしている。これも心強い話です。

 プルサーマルというのは和製英語で、通常使われるウラン燃料にプルトニウムを加えた混合燃料(MOX)を熱中性子炉(軽水炉)で燃焼させる技術を指します。プルトニウムとサーマルリアクター(熱中性子炉)を合成して、ごういう名称ができました。そしてこのプルサーマルの技術では日本が断然優位に立っているのです。

 アメリカはスリーマイルの原発事故(一九七九年)以降、新しい原発設備をつくっていません。ヨーロッパも、ソ連(当時)のチェルノブイリの原発事故(一九八六年)で震え上がってしまい、ドイツなどは二〇〇二年に「原子力エネルギー利用を廃止する」ことを決めた改正原子力法を施行しています。ところが先ほど述べたように、今年ロシアがヨーロッパ向けのガスのパイプラインを閉めるという資本主義国のレベルに達しないような暴挙に出たものだから、ドイツの国会も「原発廃止」を決めた法律の廃止に動き出しています。「他国に依存しない原発のよさを見直すべきだ」という意見が高まってきました。

 しかし、アメリカはここ数十年間、新しい原発を作っていない。ドイツも原子力エネルギーの利用廃止を決めたくらいですから、技術は進んでいない。

 そこでふと気がついたら、世界で最新式の原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は三つしかない。全部、日本の会社です。すなわち、日立製作所、東芝、三菱重工業。あとは日本の三社と提携している会社だけ。

 ・日立+ゼネラル・エレクトリック(米)・・・・・・戦略的提携

 ・東芝+ウェスチングハウス(米)・・・・・・東芝が買収

 ・三菱重工+アレバ(仏)・・・・・・技術提携

 この三つの連合だけです。言い換えれば、全部日本が押さえている。いまアメリカは原発を三十基ぐらいつくりたいといっておりますけれども、そうするにはどうしたって日本の手を借りなければならない。ドイツが「ふたたび原発を」といっても頼みにできるのは日本です。これからは日本の三社が中心になって世界中の原発をつくることになるはずです。

 したがって私は、今後は日本を中心にしてふたたび「重厚長大の時代」が復活すると見ています。

 中国の原発にしても日本の技術を借りなければならない。またパイプラインだ何だといっても、その技術をもっているのは新日鉄と住友金属にかぎられる。

 われわれは、日本の重厚長大産業が世界の将来のエネルギーのキーを握っていることを自覚して、核アレルギーを振り払い、速やかにプルサーマルを稼働させ、さらには一歩踏み込んで高速増殖炉の開発に進むべきです。

 私はかつて、筑波大学をおつくりになって、みずからは副学長から学長になられた福田信之先生からお話をうかがったことがあります。そのとき先生ははっきりと、「高速増殖炉ができれば日本のエネルギー問題は百年単位、千年単位で解決する」といっておられました。それだけの見通しはあるのです。

 日本が明治維新で国を開いてから、ずっと困ってきたのは天然資源がないことでした。たしかに維新以前の日本は大きな工場がなかったから自給自足でやってこられました。しかし、近代社会に入り近代工業の時代になると、石炭が必要になり、その後は石油が必要になった。それが無いために日本はずいぶん苦しんできました。石油を止められて日米開戦にも踏み込まざるをえなかった。

 それが原子力の時代に入って、ようやく日本は世界のトップを切ってエネルギー問題の解決に向かっているわけです。

 もう、日本は資源小国だといって恐れることはない。福田先生の言を信じて核融合に向かうべきだと思います。そこに国民的な関心を向け、政府も思い切った政策を推し進める。そううなれば、それは日本にとって半永久的な安全保障にもなります。

渡部昇一『中国・韓国に二度と謝らないための近現代史』P.160-165

(私のコメント)
中越沖地震が柏崎原発の近くが震源地だった事で、世界中がトップ記事で報道されているようです。原発の被害がどの程度だったかまだ分かりませんが、安全装置が働いて緊急停止しました。震源から50キロで震度6強で設計上よりも大きな地震に見舞われた事になります。

付帯設備の変圧器が燃えている状況がテレビでも中継されましたが、消火器何本かあれば消せるような火事が2時間も放置されていた。発電所も地震の対応で手が回らなかったのでしょう。緊急停止した原子力発電機そのものはなんともなかったようですが、冷却水が漏れて流れたらしい。

しかし震源地の近くで震度6強の地震であの程度の被害で済んだということは、直下型の地震で震度7の地震がない限り大丈夫だと言う事になる。むしろ原子力発電所の災害で恐れなければならないのはチェルノブイリやスリーマイル島の事故のような炉心が暴走するような災害だ。

原子力発電機の炉心に異常をきたすようになると、チェルノブイリやスリーマイル島のような大災害となり大変危険な状況になる。チェルノブイリの大事故はソ連崩壊のきっかけにもなったし、スリーマイル島の事故はアメリカが原子力発電所の建設を止めたきっかけにもなった。

原子力発電所で一番問題になるのは安全性の問題であり、もし大事故が起きれば国家存亡の危機になる。だから原子力発電所は石炭や石油を燃やす火力発電所とは違って安直に作ることは出来ない。発展途上国が見よう見真似で作れるものではないからだ。

世界最先端の技術で原子力発電所を作れるのは現在では三つのグループしかない。日立と東芝と三菱だ。ドイツやイギリスは原子力発電所の建設を止めて作ってはいないし、最新鋭の原子力発電所を作り続けてきたのは日本とフランスの企業だけだ。だからアメリカもこれから原子力発電所を30基の建設を予定しているが、日本企業なしには作ることが出来ない。

日本の原子力発電所は今回の地震のような事が想定されているから事故に対しては特別に強化されたものを作っている。炉に使われる19ミリの圧力鋼板を加工する事ができる企業は限られている。特に鋼板を溶接する際にはピンホールほどの穴も許されない。溶接検査技術も非常に難しい。


◆東芝、米国で原発受注 海外で初、総事業費6000億円 6月27日 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/keizai/sangyo/070627/sng070627003.htm

東芝が米電力大手NRGエナジーから原子力発電所を受注する見通しになったことが27日、わかった。総事業費は約6000億円に上る大型受注。東芝が海外で原発建設の主契約企業となるのは初めて。同原発は昨年、日立製作所・米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合が契約直前まで進んだが、同型原子炉の納入実績などを訴えた東芝が逆転した。

 受注する見通しとなったのは、NRGがテキサス州に新設する改良型の沸騰水型軽水炉(BWR、出力135万キロワット)2基で、7年後の稼働を目指す。両社はすでに主契約を結ぶことで基本合意。NRGは年内にも当局に原発の設置運転許可を申請する予定で、東芝も原子炉の主要部材の発注を始めた。

 米国は原子力政策を転換しており、今後も30基の原発建設が見込まれている。三菱重工業も米国で大型案件を獲得するなど、このところ技術力に定評のある日本勢の攻勢が続いている。

 海外ではGEの営業力が強く、これまで東芝の単独受注はなかった。今回の案件についても昨年、NRGがいったん日立・GE連合の原子炉を採用する方針を決めた。しかし、東京電力の柏崎刈羽原発6号機などの建設実績を持つ東芝の提案も改めて比較した結果、一転して東芝を採用することにした。

 原子炉の技術は今回のBWRに加え、加圧水型軽水炉(PWR)がある。東芝は従来はBWRを採用していたが、昨秋にPWR陣営の米ウエスチングハウス(WH)を買収。米国で数々の実績を持つWHを傘下に収めたことで米市場での信頼性が高まっていた。

(私のコメント)
アメリカは現在でも原子力発電では世界最大ですが、そのアメリカですら原子力発電所は日本企業なしには出来なくなっている。これからの発電所は規模からいえば原子力発電が主流にならざるを得ない。石炭や石油や天然ガスを燃やす火力発電所は地球温暖化などの問題や資源の確保やコストで問題があるからだ。

世界のマスコミは原子力と名前を聞いただけで条件反射的に危険だと騒ぎ立てますが、背後ではオイルマフィアがやらせているのだ。しかしアメリカも原子力発電を再開せざるを得ないほど石油事情は逼迫してきている。日本とフランスは国策として原子力発電を推進してきたが、日本はこれから数世紀にわたって原子力発電をリードしていく役割を担っている。


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