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日本の財務省/津田廣喜事務次官・・・ 日本の外貨準備 「大幅に変える特別な考えは持っていない」 【ブルームバーグ】
http://www.asyura2.com/07/hasan51/msg/258.html
投稿者 hou 日時 2007 年 7 月 10 日 22:40:56: HWYlsG4gs5FRk
 

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=atccbDK_fKrg&refer=jp_japan

津田財務次官:諸外国の事例は勉強、大幅変更は考えず−外貨準備運用

7月10日(ブルームバーグ):10日付で就任した財務省の津田廣喜事務次官は、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、アジア諸国が外貨準備の積極運用を開始するなか、財務省内でも「諸外国の事例を勉強している」と指摘する一方、日本の外貨準備の通貨構成や運用対象を「大幅に変える特別な考えは持っていない」と強調した。外貨準備の運用益の一部を一般会計に組み入れる仕組みについても、財政健全化の観点から継続が必要だとの認識を示した。

  津田次官は「あちこちで議論があることは、承知している」としながらも、同資産の運用は、「普通の資産運用とは違うと思っている」と指摘。その理由として「1つは安全性と流動性が必要だ。外国為替資金特別会計(外為特会)が保有している外貨準備というのは、いざという時に、為替介入のために持っているので、資産としては安全であるということと、流動性を持っておかなければならないことが大前提にある」と述べ、円が過度に下落した際の外貨売り・円買い介入のための資金であることを説明した。

  次官はまた、「可能な限り、収益性を高めていくことが大事だ。そういう原則のもとで今後も対処していきたい」と語った。さらに「為替市場なり、他の国の金融市場をかく乱するような影響を及ぼさないということも大事だ。その辺も配慮しながら考えていく必要がある」と述べ、6月末時点で9135億ドルと世界第2位の規模を誇る日本の外貨準備の運用方針の変更には慎重であるべきだとの考えを示した。

  外貨準備の運用を巡っては、政府の経済財政諮問会議の民間議員の1人である伊藤隆俊・東大大学院教授を筆頭に山本有二金融相らが、見直しに前向きな姿勢を示している。塩崎恭久官房長官も「安全性と流動性を確保しながら、どれだけ利回りを上げていくのかが大事。その仕方を工夫してはどうか」と指摘している。

  リーマン・ブラザーズ証券の白石洋エコノミストは「高齢化に伴い生産が下がってくるなかで、外貨準備のより良い運用法を考えるのは自然のこと」とし、「より高い収益を、積極的な外貨資産の運用から求める世界的な流れ」も日 本国内で議論が活発化している要因になっていると分析する。

           財政健全化に向け協力を

  伊藤隆俊教授は経済財政諮問会議で、外貨準備から発生する利子収入が非常に膨大な額に上るなか、利子収入に見合う政府短期証券(FB)を発行し、債務を積み上げている構造を指摘。そのうえで、「少なくとも入って来る利子収入だけは、何か別の基金をつくってそちらに回すことが可能だ」と述べている。

  この点について津田次官は、07年度予算でも約1兆6000億円を、外為特会から一般会計への繰り入れを予定していることを紹介。さらに昨年6月に成立した行政改革推進法のなかで、@06年度から10年度までの間に、特別会計全体から財政健全化に総額20兆円程度の寄与を目標とするA外為特会から一般会計への繰り入れについては、決算剰余金のうち相当と認められる金額を繰り入れる措置を講じる−が明記されていることを説明した。

  そのうえで、「さまざまな意見があろうかと思うが、財政全体の健全化のために外国為替特別会計に協力をしていただく点は、どうしても必要だと考えている」と述べ、現在の仕組みを継続する重要性を訴えた。

            利上げ影響はプラス、マイナス両面

  市場では8月中にも日本銀行が利上げを実施するとの見方が強まっている。津田次官は現状の景気について、「全体としては内需に支えられた順調な景気回復をたどっている」との認識を示したうえで、「現在の回復を持続的なものとするために、(日銀には)経済を金融面から支えてもらうことを期待している」と述べた。中小企業も含めた実体経済への追加利上げの影響は「プラス面、マイナス面両方ある」と述べ、単純には測れないと指摘した。

  また、実質経済成長率やインフレ率などを踏まえ、日銀が将来的に2%程度まで利上げを実施するとの市場の見方については、「日銀は一定の水準に目がけて、一定のスケジュール感を持って金利を調整するものではないと受け取っている」と述べた。

  利上げによる長期金利上昇が国債費に与える影響については、「もちろん上昇することで、それなりの影響は避けられない」と認め、「非常に大きな(額の)国債を発行しているので、金利の上昇が国債の利払いに影響を与えることを十分に認識したうえで、さまざまな対処をしていかなければならない」と語った。

  為替相場が円安傾向で推移していることについて、津田次官は「日ごろから注意深く見守っている」と述べ、「累次のG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)声明にあるように、経済ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を反映すべきであると考えている」と指摘。円安是正策などについては「コメントを控える」と語った。

         概算要求はお盆休み前までに

  08年度予算の概算要求基準(シーリング)を決定する時期については、先日、尾身幸次財務相らが安倍晋三首相と相談したことを紹介し、「総理は8月末までには各役所から要求を提出していただく必要があるので、そのための時間がある程度必要だということもあり、お盆休みの前には概算要求基準を決めようという話だった。われわれもそうしたスケジュール感でやっていきたいと思う」と語った。

  また財政健全化への取り組みについて次官は、「国・地方を合わせた長期債務残高はGDP(国内総生産)比で148%になる見込みだ。これは主要先進国の間では一番悪い。しかも他の国は、改善の方向に向かっているのに対し、わが国はその比率が上がっている状況」と述べた。

  そのうえで、中長期的に2010年代の半ばに、対GDP比債務残高を「安定的に引き下げることを政府の目標として掲げている。そのためにまずは、2011 年度までに国・地方を併せたプライマリーバランスを確実に黒字化することを目標にして、歳入・歳出の一体的な改革を進めていきたい」と意欲を示した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 伊藤辰雄 Tatsuo Ito tito2@bloomberg.net

更新日時 : 2007/07/10 17:02 JST

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