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2007年07月06日
経済の話。日米の問題について
5月の景気一致指数が66.7%となり、先行指数は低いものの景気の現状には改善傾向が見られます。最近、経済について色々と考えたことを雑感的に述べたいと思います。
米国で再び再燃したサブプライムローン問題、今回破綻が懸念されるのは、証券化されたローンを保有するヘッジファンドです。日本では馴染みが薄いですが、米国ではローンを組んでも、金融機関が直接お金を貸し出すわけではありません。一部を証券化し、それを売り出します。
例えば、住宅購入で1000万円をローンで組んだとすると、金融機関はそれを100分割して証券として売り出します。この時、格付けが低いと購入者が減りますが、サブプライムローンの問題とは、この証券の格付けの80%がトリプルAランク、つまり最上位にあったことであり、安全な投資先として購入していたのに、今回不払いによる差し押さえが急増したことで、いきなり紙くずとなってしまったことです。
安全な投資運用先が、突然不良債権化する。これは現状安全とされている金融機関も、いつ破綻懸念に見舞われるか分からないということです。金融機関はローンの証券化により債務不履行の危険から手を切ったはずなのに、ヘッジファンドに出資することで、巡り巡って負債が自分たちに跳ね返ってくることになる、これがサブプライムローン問題がどこまで拡大するのかわからない、ということになっています。
実効為替レートがついにプラザ合意水準以下になりました。海外旅行に行けば感じることですが、世界の物価はこれほど高いのか、と眼を見張ることになるでしょう。実効為替レートは物価と為替の水準で決まりますが、円ベースで見ると、諸外国の景色は違って見えます。
例えば米国で話題のiPhoneなど、2.5世代で7万円は随分と高いと思えます。しかしこれは円ベースで見た場合であり、米国人にはiPodもついた多機能機種が600ドル以下なら、安いと見えるのかもしれません。変な言い方かもしれませんが、世界でも極端に弱い通貨で相手を見ると、判断を間違う理由の一つになり得るということです。
米国に大量に入る外貨は債券を買う、欧州に入る外貨は証券を買う。これが現在の世界の流れです。米国では債券買いで下がった金利を利用し、金融機関が資金を調達し易くなり、それを欧州やアジアなどの証券投資に回す。これが大きなマネーフローだとも言います。
米国金利が上昇した時、日本からの貸し出しが急増しましたが、日本もこのマネーフローの一環を担っています。金利差を抱えたこの国には、そうした大きな流れを止める術もなく、世界との連動性を高めるばかりで日本単独での強さを演じ切れません。
最近の企業は業績好調ですが、円換算された業績で見ると先のiPhoneの話と同じ、見誤るのかもしれません。むしろこれだけ円が弱い中、その程度しか稼げていないのか、と諸外国から見られているかもしれないのです。円が弱い間に外貨を稼いできた企業、これを内需に波及できないことが、日本の景気が加速しない理由です。日本国内に資金を循環させる手法、もう一度政界、財界が真剣に討議すべき段階なのだと思います。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/