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驚くべき毎日新聞の社説の行け行けどんどん。6月13日頃の社説
こんな記事が日本を破滅に導びいていく。国内世論が戦争に向いている時、千人斬りなどの提灯記事が戦争にのめり込ませ、国を滅亡させたように。
この社説によると、日本の実質経済成長率は2007年1月から3月期は年換算2、4%だったそうで、さらに2次速報では、2、5%に修正するそうだ。その結果ヨーロッパのEU諸国の実質を上回るということだ。これは事実であろう。しかしここからこの論説者は日本は経済が好調であり、ここ6年間の経済成長は公共事業が減少している中で希有なことであり、戦後日本経済が経験してこなかった事だと書いている。そして格差が出ているのは経済無策からであり、その対策をすべきであり、さらに今の為替の円安水準は納得できないと述べている。先進国で一番好調な日本が円安なのは納得がいかないということのようだ。まさに日本経済が成長しており、デフレを脱したと言わんばかりである。
確かに1面だけを見ればこのように言えるかもしれない。
しかし経済速報には名目GDPも載っていたはずである。それを無視して論を組み立ててもしようが無いのである。というよりこの論説者はGDPの逆転の意味もその差もなんら理解できていないのにこのような社説を載せてしまうことがそら恐ろしいのである。
それははなはだしい間違いを生む。実際に日本経済は実質GDP神話に毒され、デフレを深まらせる方向に向かっている。このような経済評論家が多いからだ。
この6年間は、経済成長ではなく、単なる消耗景気、あるいは空吹かし景気に過ぎないのである。資金という燃料が少ない中でアクセルを目一杯踏んでいる状態なのだ。アクセルを目一杯吹かせども前に吹かした分進んで行かないのである。大きな犠牲を払っていながらほとんど前に進まない。だから借金が増えるのである。借金が増えて成長と言えるだろうか。
デフレスパイラル下による経済現象については、デフレインフレの一般理論のハートランド理論を参考にしていただきたい。http://blog. so-net.ne.jp/siawaseninarou/
人によってはパワーレス経済という人もいるが、単にデフレの経済現象に過ぎない。
それにもかかわらず、
こういった片手落ちの記事を書くことは、世論を間違った方向に流し易く、大新聞の社説だけに始末に負えないところがある。それが独走しはじめると正しい意見が多数決原理により通らなくなる恐れがあるからである。こわいのは消費税の増税などの負担増である。
デフレによる負担増は完全に日本経済を追い詰めるであろう。
今年の内閣部の発表したものには、
名目国民所得が0、3%(年換算1、2%)とあり、EU諸国はインフレ率が2、3%とあった。なぜEU諸国の名目GDPが載っていないのか分からないが多分彼らもデフレというものを知らないのかまたはデフレとは全く関係無いからであろう、だから名目GDPを無視しているのであろう。また日本のインフレ率がどのくらいか恐らく0、3%に近いのであろう。
この実質GDPだけをみるとなるほど日本の経済成長率はEU諸国やアメリカと同じぐらいである。しかしインフレ率や名目GDPは無視していいのだろうか。
いいわけがない。すべての物の価値は貨幣を通して表されるからである。
これから先ず簡単に分かることは、日本で働くのとEUやアメリカで働くのとでは、同じ生産量なら2倍多く欧米では儲かるということであり、同じ労働なら2倍以上賃金が多いということである。
日本は名目GDPを出しており、向こうはインフレ率なので多少違うが、日本は実質GDPが2、5%、名目が1、2%とその半分だから同じように働いてもその半分しかもらえない。欧米と比べると3倍違うことになる。これで欧米と成長率が並び日本は再び繁栄し始めたと言えるであろうか。普通は言わない。
欧米では働いた以上に儲かり、日本では働いた以下に賃金が抑えられるのである。
しかし往々にして政府関係者や、今までの経済学を疑わない人達や、名目GDPと実質GDPの逆転の関係を説明できない人達は、景気はいざなぎを越え回復しているというのである。正気の沙汰とは思えないがこれが今までの経済知識なのである。単に日本は低賃金過剰労働に陥っているだけであり、デフレで資金が少ないため消耗しているだけなのである。このGDPの名目と実質の差は、生産規模に対して資金が少ないことを明確に表している。
各企業は付加価値が少ないためより多く生産して売上を確保しようとしているのである。それが本当の経済力より多く生産量物を産出させるのである。
さらにはなはだしき人達になると、日本は生産力が欧米に比べると低いので、もっと生産効率を上げるべきであると説く始末である。真顔で堂々と大手新聞や雑誌に載せる輩である。このひどい低賃金過剰労働のデフレの世の中で、さらに働けさらにただ働きしろというというのだから、困ったものだ、ではすまされない。
日本人は勤勉であり働くに追いつく貧乏なしと言うたとえどおり働くが、デフレはそれがより全体の貧乏をもたらすのである。働きに追いつく貧乏があるのがデフレなのだ。
生産効率などは、生産量に対してどれだけ付加価値があるかで決まるものだから、当然インフレの方がよくなるのが当たり前。デフレで本来の労働価値以下に賃金が押さえられているので、生産効率はどうしても悪く出がちである。もう1度このことを加味して生産効率が悪いかどうか確かめて見るべきだろう。こういう視点で見ればそのようなことは言えないはずである。
経済指標の一方だけを見て、判断するのは片手落ちであり、特に日本の大手新聞の社説がこのようなざまでは、多くの読者はだまされよう。また間違った解釈は間違った政策を取りがちである。2千7年の1月ー3月期の指標は名目と実質を合わせ見るなら明らかにデフレが今なを深刻な状態であり、付加価値は一向に増えず、失業率が減少しても低賃金過剰労働が増えているに過ぎないのである。この先生産量が増えても今のような政策が続くと付加価値が生産物に乗せられず、完全雇用下のデフレという前代未聞の現象が招来する恐れがある。
今はなおデフレの最中であり、深刻な状況であることをアナウンスするべき時であろう。