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不良債権問題を処理するためには政府が財務面で緊急出動して早期に処理しなければならないが、大蔵省に反対され計画は頓挫した
http://www.asyura2.com/07/hasan51/msg/150.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 6 月 30 日 10:45:33: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu146.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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不良債権問題を処理するためには政府が財務面で緊急出動して早期
に処理しなければならないが、大蔵省に強く反対され計画は頓挫した。

2007年6月30日 土曜日

◆宮沢喜一「分かっていて何も出来なかった人」逝く 6月28日 切込隊長ブログ
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2007/06/post_16bb.html

あー、亡くなられましたか。お疲れ様でした。

 不良債権問題で失われた十年をやっちまった戦犯として、あるいは、55年体制からポスト55年にいたる時代の節目の政権を担った宰相として、金丸氏と竹下氏の狭間で棚ぼたの首相就任、そして日本新党ブームみたいな、次の出し物の呼び水的ポジションであることは間違いなく。

 やはり個人的には「不良債権問題を処理するためには政府が財務面で緊急出動して早期に処理しなければならない」というセオリーを知っていながら、右顧左眄首鼠両端の挙句、指導力を発揮できないうちに問題を大きくしてしまったなあという印象が強い。回顧録でもたびたび出てくるネタではあるけれども、彼は周囲を馬鹿にし軽視したが彼の状況を打開するにはそういう人たちに頼らなければならないことに最後まで気づかなかったのだなあという。

 政治家人生の最後まで、経済運営における政府ができることなどそれほど多くはないことに気づかず、むしろ政治は万能なのだと強く思っていた節があって、辞めてからいまさら”矢沢”にされて迷惑したとか言っちゃうあたりが凄いな。

 いろんな評価はあるだろうけれども、高度成長から戦後の終わりへギアシフト「できなかった」群像の一人が宮沢喜一氏だったろうと思うし、いろいろあの世代にいた問題児のなかでも象徴にされるほどの強烈な存在でもなく、むしろ路傍にあったほうがこの人はひょっとして幸せだったのではないかなと感じてしまうほど政治家としては平凡な結果しか残せなかった人だった。

 まあ、いろんな意味で「先に地獄で待っていろ」という台詞を皆から頂戴する人生かも知れないな。

◆不本意にバブルを生成し、崩壊させた宮沢元首相 6月29日 HIT株式教室
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/family-mn/hit1.htm

宮沢氏ほどバブルと深く関わった政治家はいないでしょう。日本がバブル経済になった直接的な原因は米国がドル相場の大幅下落を各国に要請した「プラザ合意」に始まります。この時の蔵相は竹下氏で総務会長だった宮沢氏は(日本文と異なる)英文に書かれた強い円高圧力に対して、竹下蔵相に強く反発したと言われています。実際、85年9月のプラザ合意により、240円前後の対ドル相場は各国の協調介入を受けて、11月に200円を割れ、翌年1月に150円台を割る水準まで急激に円高が進行し、輸出企業に大打撃を与えました。皮肉なことに、プラザ合意に反対していた宮沢氏が円高不況の対策を蔵相として対応することになります。

そして、プラザ合意で米国は貿易収支を黒字化させ、世界で一番保有の多かった日本の持つ米債の価値は急落し、米国は対外債務の急減に成功します。当時の米国は1978年の第二次オイルショック後のスタグフレーションの状況があり、レーガン政権は予算をばら撒き景気回復を行い、その尻拭いがプラザ合意につながりますが、日本は円高不況対策をやり過ぎてバブル発生の道筋を作ってしまいました。どこか今の中国のバブルと似ている面もあります。その後、ドル安誘導に成功し、一息ついた米国の株価は回復しますが、ドル不信を強める副作用もあり、87年のブラックマンデーを迎えることになります。

日本は5%だった公定歩合を円高不況克服の為に2.5%まで下げ、ブラックマンデーが起きた時点で、既に、金融緩和策によって円高不況を克服しつつありましたが、米国からの「内需拡大要求」に屈した内閣は公共投資を拡大させ、過剰流動性と相まって、更にバブルを決定的なものにしてしまう誤りを犯しました。89年に消費税を創設しながら景気対策を同時に行うという矛盾した政策対応も今日の官製談合の温床となりました。

バブル経済を作った宮沢氏ですが、バブル崩壊を収束させるチャンスもありました。株価が暴落していた92年8月がその時期でした。91年末に首相となっていた宮沢氏は92年の8月に休暇中と見せかけて、軽井沢の別荘で公的資金を用いた大胆な不良債権処理策を練っていました。しかし、大胆な政策実施による混乱を恐れた(身内であるはずの)大蔵省に強く反対され、抜本的な不良債権処理計画は頓挫してしまいました。「その時、歴史が動かなかった」ことが後のバブルの深刻化を招くことになり、宮沢氏は大いに後悔したことでしょう。

歴史は宮沢氏の当時の判断が正しかったことを示しています。大手銀行の頭取達は公的資金注入が自分たちの責任問題に及ぶことを自覚して抜本的な不良債権処理に反対し、国民も銀行を税金で救済するような政策は許せないという感情が強くあり、周囲が反対一色で四面楚歌だったことが実施を困難にし、長い不況につながりました。その後は株価が下がればPKOで誤魔化すような問題先送りが常態化しました。

そして、佐川急便の5億円の政治献金受け取りを金丸氏が認めて与党は選挙で敗北し、細川政権が誕生し、金融正常化の宮沢案は陽の目を見ることが出来ませんでした。バブル崩壊からの再生が2003年の金融再生プログラム(竹中プラン)の実行で行われたことを考えると、92年の宮沢氏の発想は竹中プランと同じで、10年前に実施していれば安上がりに回復できたことでしょう。宮沢氏のリーダーシップがもっと強ければ「失われた10年」は経験せずに済んだ可能性があります。

日経平均は外国人投資家の買い姿勢が強く、大幅続伸となりました。他のアジア市場は弱く、日本株だけドレッシング買いが入ったような感もありますが、日本市場の需給が意外と良いことが外国人投資家に注目される可能性もあります。


(私のコメント)
私は80年代から90年代に株式投資をしながら、バブルの発生と崩壊を現場から眺めてきたのですが、新聞とテレビをはじめとするマスコミや経済学者たちのデタラメな分析に対して苛立ちを持ってきた。しかし当時はインターネットは無く、著名な学者でもないので新聞や雑誌で批判する事もできなかった。

しかし、現代ではブログを書きながらマスコミの経済記者やエコノミスト達と論争する事ができるようになった。「株式日記」も10000人近い読者がいるわけだから、売れない経済雑誌よりかは影響力は持てるようになった。亡くなられた宮沢元総理もバブルが弾け始めた当時の総理大臣でしたが、銀行の不良債権を公的資金で処理をするという、きわめて真っ当な計画を持っていましたが、なぜか大蔵省によって潰されてしまった。

この内幕については大体想像がつきますが、当時の都市銀行の幹部達も公的資金を注入されると責任問題を追及されることを恐れて、宮沢総理の計画は潰された。マスコミも公的資金で銀行を救済することに対する反対キャンペーンは異常さを感じた。住専救済で6000億円が使われたことに対する反発を利用したのだ。

結局はりそな銀行救済に見るように竹中大臣も宮沢プランと同じような方法で不良債権処理は進められました。私自身は銀行の不良債権を簿価で買い取ればいいと主張してきました。これなら銀行の経営責任を問わずに処理が出来る。


◆ところが最後の最後で小泉政権は方針を全面転換した。大銀行は公的資金で救済されることになった。植草一秀 2006年5月29日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20060529

 この対応を用いるのなら、日本経済を破滅的に悪化させる必要もなかった。金融危機には公的資金で銀行を守る方針を、当初から示しておけばよかった。私は不良債権問題処理にあたっては、「モラル・ハザード」を引き起こさぬために、個別処理は既存のルールに則った運営を進めるべきと主張した。金融システムの安定性確保は、マクロの経済政策を活用した経済の安定化によるべきだと述べてきた。

 金融恐慌への突入もありうるとする政策スタンスを原因として、景気悪化、株価暴落、企業倒産、失業、自殺の多大な犠牲が広がった。多数の国民が犠牲になったが、その責任の大半は彼ら自身にはない。経済悪化、資産価格暴落誘導の政府の政策が事態悪化の主因である。膨大な国民が政府の誤った経済政策の犠牲者になっていった。

 多くの中小零細企業、個人が犠牲になった。一方で、最後の最後に大銀行が救済された。見落とせないのは、資産価格が暴落し、金融恐慌を恐れて資産の買い入れに向かう国内勢力が消滅したときに、ひたすら資産取得に向かった勢力が存在したことだ。外資系ファンドである。彼らが独自の判断で日本の実物資産取得に向かったのだったら、彼らの慧眼は賞賛されるべきだろう。だが、実情は違う。彼らは日本の政権と連携していた可能性が非常に高いのである。

 日本の不良債権問題処理の闇に光を当てるときに、どうしても避けて通れない論点が3つ存在する。金融行政と外国資本との連携、りそな銀行が標的とされた理由、りそな銀行処理に際しての繰延税金資産の取扱いの3つである。次回はこの3点に焦点を当てる。

(私のコメント)
株式日記では当初から金融危機対策として、銀行の不良債権を簿価で買い取って公的資金を投入せよと主張してきましたが、小泉内閣ではモラルハザードだとか、自己責任を取らせるべきだとかで数多くの銀行を潰してきた。小渕内閣の時に公的資金の注入が行なわれましたが小規模のものであり、十分な成果は無かったがアジア金融危機からの金融パニックからは回避する事ができた。

97年のアジア金融危機はアメリカが仕掛けたものですが、これによりアジアの銀行や主な企業の多くが外資に乗っ取られてしまった。韓国では五つの大手行のうち四つが外資系銀行になってしまった。日本でも長銀がリップルウッドに買収されて新生銀行になった。その他のメガバンクも竹中金融政策により経営が追い込まれて「みずほ」や「UFJ」も倒産は時間の問題とまで言われた。

アメリカの代理人である竹中平蔵氏は小渕内閣から諮問会議のメンバーになり徐々に影響力を増してきて、小渕、森、小泉内閣と政策に関与して来ました。特に小泉内閣になってからは経済は竹中大臣の専権となり、2003年6月には株価が7600円にまで値下がりするほどの経済危機を招いてしまった。

アメリカのブッシュ大統領から早く不良債権を処理せよという命令が下されたからですが、それが銀行への経営の締め付けとなり、銀行は不良債権処理のために持ち合い株式の吐き出しと、企業への貸し出しの回収に追われることとなり、多くの企業が倒産に追い込まれた。そして倒産した企業を外資が買い取り、その他の多くの企業も株価が暴落して株価が安くなったところを外資か買い取って、日本企業の外資の持ち株比率は上がり続けている。

そもそも金融危機はなぜ起きたのかと言う問題がありますが、バブル時代の過剰な銀行の貸し出しがあったことが原因ですが、これは政府の内需拡大政策から起きた事でもあり、銀行だけの責任ではない。この内需拡大もアメリカからの圧力によるものですが、つまりアメリカの圧力がバブル発生の原因である。


(私のコメント)
昨日は株主総会の集中日ということで、外資投資ファンドと会社経営陣との攻防が注目されましたが、買収防衛策を採用する会社が多かったようだ。この事に対する私の見方は複雑なのですが、会社経営陣がこの防衛策を乱用すると株主の権利が阻害される事になる。しかし当面は80年代から続く外資による日本企業乗っ取り工作は続いており、スティールパートナーズはほんの序の口であり、巨大国際金融資本は長期的な戦略で乗っ取り工作を行なっている。

国内の中には外資に乗っ取られてどこが悪いと言う人もいるが、アメリカ企業が英国企業を乗っ取るのとは違って、新たなる植民地政策が会社経営で行なわれる可能性がある。会社がいくら営業利益を上げてもみんな株主配当や社外重役の給与などに回ってしまって、労働者は低賃金で働かされるようになる。本格的な格差社会が訪れる事になる。

宮沢元総理は「年次改革要望書」をクリントンと決めた当事者ですが、バブルの崩壊と共に「日本の失われた10年は宮沢内閣」から始まっている。日本にとっては宮沢氏は疫病神であり昭和17年に大蔵省に入省した時から日本の大敗北が始まり、宮沢氏が総理大臣になってからバブルの本格的な崩壊が始まっている。

宮沢氏のようにエリートでありながら指導力の無い政治家ほどアメリカにとっては使いやすい人材はいない。英語が堪能であったがためにアメリカの代理人として統治させるには都合が良かった。しかしアメリカ政府による強引な内政干渉ともいえる手段は反発を招いて、自民党は退潮し始めて宮沢氏は自民単独政権最後の総理大臣となった。

宮沢氏がこのように貧乏神になってしまう理由としては、切込隊長氏が言うように「回顧録でもたびたび出てくるネタではあるけれども、彼は周囲を馬鹿にし軽視したが彼の状況を打開するにはそういう人たちに頼らなければならないことに最後まで気づかなかった」事にある。非常に頭のいい人ではあっても周囲を馬鹿にして協力が得られなくて自滅してしまうタイプだ。だから参謀と強しては優秀でもリーダーとしては失格だった。

東大教育は優れた参謀は育てても、優れたリーダーを育てていない。エリート意識ばかりが先行して責任を取る意識が低い。偶然なのか知らないが朝鮮総連の詐欺事件の緒方元公安調査庁長官も宮沢内閣時代に任命されている。なんとなくキャラクター的に宮沢氏と緒方元長官は似ているような気がする。とんでもない事をしていながら飄々として責任を感じていないような態度だ。だから貧乏神になってしまう。


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