★阿修羅♪ > 国家破産50 > 941.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070623/usa070623005.htm
潤沢な外資…中露が運営 米「国家ファンド」警戒
【ワシントン=渡辺浩生】輸出増で潤沢な外貨準備を抱えた中国やロシアが運営する「国家ファンド」に対し米政府が初めて懸念を表明した。22日に上場した米最大投資ファンド、ブラックストーン・グループに中国が30億ドルを出資するなど、外国政府がファンドを通じて米企業を買収することを恐れ、米政府は、国際通貨基金(IMF)や世界銀行による国家ファンドの監視や規制の検討を求めている。
企業買収恐れ規制要求
「過去最高」を塗り替えた貿易黒字や人民元相場に対するドル買い為替介入の結果、今年3月末の発表では、中国は1・2兆ドルの外貨準備を抱えている。この資金を運用するため国営投資会社を設立する。ロシアも原油や天然ガスの輸出で約3600億ドルの外貨準備を持ち、2003年に国有ファンドを立ち上げた。他の新興国や産油国でも同様の動きが広がっているという。
米財務省のロワリー次官代理(国際問題担当)は21日、サンフランシスコでの講演で「国家ファンド」の資産規模が1.5兆〜2.5兆ドルに達し、金融市場への影響力が増していると指摘した。
外貨準備が膨らむ国がファンド設立に走る理由は、国際収支の調整が図れると同時に、米国債だけでなく、外国の株式、不動産、デリバティブ(金融派生商品)などで外貨を運用すれば高いリターン(収益)を狙えるからだ。
その半面、リスクもある。国家ファンドは、投資方針などが不透明で金融当局による規制も緩く、金融市場の不安定要因となる。例えばA国企業をB国の国家ファンドが買収すれば、B国政府が議決権を行使してA国企業の経営に介入するかもしれない。
このため、ロワリー氏は国家ファンドの透明性を増すことが不可欠だとして、IMFや世銀に基準や規制の設置を検討するように求めた。実際、米国では、対米外国投資委員会が外国政府系の企業による米企業買収の動きに目を光らせている。
05年に中国の国策会社、中国海洋石油(CNOOC)が米石油大手、ユノカル買収を断念、昨年、アラブ首長国連邦(UAE)の国営企業が米港湾の管理業務実施をあきらめたのは、米議会の激しい反発に遭ったからだった。
21日には米最大投資会社のブラックストーンが新規株式公開(IPO)を実施(22日上場)し、30億ドル分の株式が中国の国営投資会社に売却された。これに対し上院のウェブ議員(民主党)が「安全保障上問題がある」と懸念を表明。ブラックストーンが軍事や衛星技術企業の株式も保有しているためで、証券取引委員会(SEC)などに審査の実施を求めた。
(2007/06/23 10:01)