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<新種振り込め詐欺>医師の息子装い1800万円
6月19日3時10分配信 毎日新聞
愛知県尾張地方の無職男性(63)が今年5月、医師の息子を装った男から振り込め詐欺で計約1800万円をだまし取られていたことが18日、分かった。男は今年1月、法改正で現金自動預払機(ATM)の振り込み額が制限されたことから、窓口で直接振り込むよう持ち掛け、無職男性はATMを使わずに振り込んでいたという。同県内の5月中の振り込み詐欺の被害額は約1年ぶりに1億円を越え、県警捜査2課は新たな振り込み詐欺の手口に警戒を強めている。
県警によると、無職男性の自宅に5月下旬、実在する医師の息子に成りすました男の声で「病院の金を使い込んだ」と電話があったという。直後に病院の経理担当者を名乗る男から「監査が近づいているので病院の口座に振り込むとばれる。指定する口座に振り込んでほしい」と電話があり、無職男性は指定された銀行と郵便局の計8口座に計約1800万円を2日間、計14回にわたって振り込んだという。
男は無職男性にATMではなく、銀行の窓口からの振り込みを依頼したという。今年1月、ATMを使った振り込みは1回10万円以下に制限された。県警は法改正に合わせた新たな振り込みの詐欺の手口とみている。男はさらに、振り込み額が銀行などの職員に不審に思われないよう、例えば振り込み額を「50万円」とするのではなく、「47万円」と細かく指定するなど、巧妙な偽装工作を行っていたという。
県警によると、同県の振り込め詐欺の認被害額は5月だけで、56件計1億1271万円に達し、昨年6月の1億887万円依頼、1年ぶりの1億円を超える被害となっている。県内の被害額は▽1月=29件3066万円▽2月=32件4014万円▽3月=37件7767万円▽4月=50件8253万円――と増加傾向を示している。
県警は「振り込め詐欺のグループは分裂し、増えている。また、窓口での振込みを不審に思われないようなノウハウが巧妙化しており、改めて、本人かどうか確認を徹底してほしい」と呼び掛けている。【桜井平】
最終更新:6月19日3時10分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070619-00000017-mai-soci