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国家に蓄積された外貨準備のリスクマネー運用が世界中に広がり中国や産油国の資金が投資としてアメリカの金融市場に流入している
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/822.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 6 月 15 日 21:02:12: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu145.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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国家に蓄積された外貨準備のリスクマネー運用が世界中に広がり
中国や産油国の資金が投資としてアメリカの金融市場に流入している

2007年6月13日 水曜日

◆中央銀行の総「テマセック化」 6月11日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/4b6defb0c7e0979f9b5c6306f336b71e

現在のマーケットを見る上で無視できなくなっているのがこの問題。

従来ヘッジファンドなどのリスクマネーと呼ばれるものはそれなりのお金(代表的なのはスイスに置かれているような不透明ながら歴史も長く、そこそこソフィストケイトされた巨額なプライベートバンキングに流れるお金)だった訳ですが、これに一部の機関投資家のお金が加わり始めたのが1995年以降(これがLTCMの巨大化、ひいては破綻に結びつく。一般に不透明な・・・ブラックボックスの多い・・・運用に機関投資家のお金は不向きだが、彼らの「ノーベル賞」という肩書きがこれを可能にしたと今では分析される)、さらにそれまでシンガポールのテマセックおよびその傘下のGICの独壇場だった国家に蓄積された外貨準備のリスクマネー運用が世界中に広がり始めたのが2005年以降、といことでいまやHFのかなりの部分の資金の出し手が中央銀行だ、という誠に不可解な状況になっておりいます。(中略)

と言う訳で、このテマセックは1980年台から完全にヘッジファンド化し、実際に世界のあちこちでリスクマネーとして飛び出してくるようになります。これがどれだけリスクマネーかというと、1990年代の「失われた十年」といわれた東京市場、特にだれも手をだせなかった「ドライアイスの塊」と言われた日本の不動産を先陣を切って買い捲くっていた訳ですから、これはどこから見ても「リスクマネー」としか言いようがない。

おかげで銀座8丁目から潮留、さらに品川にかけてはすべてシンガポール政府の持ち物になってしまいました。同じようなコンテクストではサウジアラビアの資産管理会社、SAMAが有名ですね。 そしてついに中国がブラックストーンに出資したという象徴的な事件がおきましたが、ロシア、ノルウェーなどの原油価格安定基金によるHFへの出資はとっくの昔に起きていますし、UAE,クウェートなども同じように有名です。

何が言いたいのかというとまず、これらの資金の特徴は巨大であること。そして国のお金ですから、良し悪しはともかくも、現状それほどのディスクロージャーが求められず、HFの運用者にしてはまことに都合の良い「お財布」であるとともに、一方ではディスクロージャーされないために本当の運用がどうなっているか、市場には完全にブラインドだと言う点が重要です。

このためHF自身の巨大化と共に彼らが大きく動いたときのリスクも肥大化しているのは確かで、現在のユーロ高ドル安は、何よりこれらのコンテクストの中で捉えられなければなりません。 日本の外貨準備がほとんどそのまま生でアメリカ国債に転換されている事に比べるとこれらのリスクポイントの高さがわかります。

例えば、日本の1000億ドルの外貨準備は1000億ドルのUST購入にしか結びつきませんが、これがHFを経由すると1000億の資本部分にその資本提供をした国のクレジットをバッファーにその上にローンを出す金融機関が出てくることになります。これが所謂「レバレッジ」でして、つまり、日本の外貨準備は1000億ドルの購買力しか発揮しないけれど、テマセックならその上の融資部分をあわせて少なくとも10倍、1兆ドルの購買力を示すことができる訳です。これが一気に逆に動く可能性ももちろんあるわけで、その意味でのインパクトは日銀の比ではありませんね。まあ、アメリカ国債なら流動性もあるでしょうが、これが不動産、それを取り巻くリート、ジャンクボンド、CDS等に流れ込んでいるとなると・・・・

こういうリスクが今の市場にはある訳です。 このあたりの話はウォールストリートでも最先端ですから、日経なんか読んでても絶対にわからんのですが、今年はこの「中央銀行のテマセック化」が運用担当者にとってのキーワードのひとつであることは間違いありません。この巨大化したHFを取り巻く中央銀行のマネーが動き出したときにどうやって流動性を確保していくのか、現時点ではおそらく誰も答えを持っていない筈であります。

◆中露の大国化、世界の多極化(2) 6月12日  田中 宇
http://tanakanews.com/070612china.htm

前回の記事で、中国が外貨を急速に貯め込み、中国政府はこの財力を使って国際的な影響力(覇権)を拡大していることを書いたが、外貨を貯め込み、その金で覇権拡大をめざしている国は、中国だけではない。ロシア、サウジアラビア、ベネズエラなどの産油国は、いずれも石油価格の高騰によって外貨を貯め込み、それを自国の国際影響力の拡大や、外国から自国への影響力を排除するために使っている。これらの国々は、いずれもアメリカ(米英)からの影響力行使や圧力、敵視を受けている。その代表例は、ロシアである。

 アメリカはすでに巨大な双子の赤字を抱えて経済難に向かいつつあり、軍事的にもイラクで疲弊している。西欧諸国も、ロシアや中国の台頭に敵対するつもりはない。世界は、このまま非米同盟の側の覇権が強くなり、欧米と中国、ロシアなどが並び立つ状態に移行するのではないかとも思えるが、現実はそれほど簡単ではない。世界の基軸通貨がアメリカのドルである状態のままなので、非米同盟諸国が貯め込んでいる資金の多くはドル建てだ。アメリカの経済力が衰退してドルが急落したら、非米同盟側の資産も大きく目減りしてしまう。

そうこうするうちに、ドルの為替が他の諸通貨、特にユーロに対して下がり続けた。ペルシャ湾岸諸国は、通貨はドルにペグしているものの、国内で消費される商品の多くが欧州のユーロ圏からの輸入に頼っており、ドル安ユーロ高は、輸入品の値上がりを引き起こした。その結果、インフレがひどくなり、国民の不満が強まっている。これに耐えられず、共通通貨作りのために2003年からドルペグ制に変更していたクウェートは5月下旬、ドルペグをやめて、以前の、ドルとユーロなどとの通貨バスケットに対する連動制に戻した。(関連記事)

今のところ、アメリカの株価は上昇傾向を続けている。これは、外貨備蓄を急増させている中国や、ペルシャ湾岸諸国、ロシアなどの産油国が貯めた巨額の石油代金が、投資としてアメリカの金融市場に流入しているからである。中国や産油国からの資金の流入圧力が非常に強いので、市場では、米経済が潜在的に悪い状況を深めていることは無視されている。中国と産油国の巨額の資金は、アメリカだけでなく欧州、日本、上海、ドバイなどの金融市場にも流入し、世界的な相場の上昇が起きている。

 世界の金融相場は上がっているものの、その基盤となっている体制は依然としてドルの一極基軸体制であり、ドルを支えているアメリカの経済的、政治的な力は潜在的にかなり弱まっている。今の世界金融は、舞台の上では派手な催し物が繰り広げられて繁盛しているように見えるが、舞台を支えているドルという名の柱が腐ってぐらついている状態だ。IMFやG7といった舞台の管理者たちは、舞台を支える新たな柱を湾岸産油国や日中に作らせようとしたが、失敗した。

(私のコメント)
「株式日記」ではアメリカの経済状況が悪化している事を書いて来ましたが、それにもかかわらずアメリカの株式は新高値をつけて上昇しています。かなりの資金量のあるヘッジファンドが買い上がっているのでしょうが、短期間にリターンを得るにはアメリカの株式が一番手ごろなのでしょう。

日本やドイツなどは外貨準備などはドルで米国債などで直接運用していますが、中国やロシアや産油国などはアメリカの投資会社に運用を託して、投資会社は運用効率を上げる為にリスクの高い米国株などに投資をしているようだ。資金の委託主が国家であるためにディスクローズがされない為に実態は不明だ。

これと同じような事は日本のバブル崩壊前にもあったことであり、当時は「特金」と呼ばれていました。企業が財テクと称して資金運用で利益を稼ごうということで企業が「特金」の解禁で一斉に株式市場にマネーが流れ込んだ。証券会社がヘッジファンドの役割をしたのですが、株式もみんなで買えば恐くないとばかりに買い上げた。

当時はどんなに買う理由を探しても困るくらいに利益水準から見てPERが50倍100倍は当たり前で土地の資産価値で買われていた。現在のアメリカも同じようなものであり、中国やロシアや産油国の余剰マネーがヘッジファンドを経由して米国株が買われている。それも中央政府の金だから金額が半端ではない。


◆中国政府、米ファンドに30億ドル出資…外貨準備の専門会社通じ 5月21日 読売新聞
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07052122.cfm

【ニューヨーク=山本正実】米大手投資会社のブラックストーン・グループは20日、中国政府が設立を表明している外貨準備の専門投資会社から30億ドル(約3600億円)の出資を受けると発表した。ブラックストーンが6月にも予定している株式上場に合わせ、中国政府が株式の10%未満を4年以上保有する計画だ。

 中国の専門投資会社が投資する第1弾となる見通しで、22日に開かれる米中戦略経済対話を前に、積極的な対米投資の姿勢をアピールする狙いもあるとみられる。中国の外貨運用は、米国債が中心だったが、より高い運用利回りを求め、米投資会社を出資対象にするとみられる。

 ブラックストーンは運用資産額が約787億ドル(約9兆4000億円)と世界最大級で、買収企業を成長させた後に再上場させて売り抜ける投資ファンドだ。

 一方、中国の外貨準備額は昨年末時点で1兆663億ドル(約128兆円)と世界トップ。中国の外貨準備の専門投資会社の運用額は2000億〜4000億ドル規模と言われ、海外企業の株式のほかエネルギー資源なども投資対象になる可能性がある。

(私のコメント)
このように中国だけでも数千億ドルのマネーが投資会社を通じて株式などに投資されるという思惑だけでも株価は先取りして上がるだろう。「株式日記」でも米国債ばかり買っていないで日本の株を買えと書いた事がありますが、今から考えればきわめて正論なのですが、日本政府日銀の考えはあまりにも硬直的だ。

しかし世界各国の経常黒字国がリスクの高い財務運用をするとなると、市場規模から言って運用できるのはニューヨーク株式などに限られる。いわばNY株式市場で世界各国政府の運用マネーが丁半博打をやっている。このように吊り上げられた株式相場でどっかが売り抜けようとしたら株式の暴落が起きるだろう。

アメリカ政府が一番恐れているのが株の暴落であり、中国政府はアメリカの弱点を知り抜いて外交に利用している。日本政府もそれくらいの駆け引きが出来ればいいのですが出来るわけがない。日本国民が一生懸命に働いて稼いだ外貨を米国債にみんな替えてしまう。その挙句円高で価値が半分に減ってしまうのですからばかげている。

中国はドルと元を連動させているから元高で損することはなく、アメリカ政府からの為替自由化要求をを頑強に拒んでいる。日本が円高でひどい目にあったことを見ているからですが、アメリカの投資会社を巻き込む事でアメリカからの圧力をかわして行こうという戦略なのだろう。

もし貿易摩擦などでアメリカが中国へ経済制裁をちらつかせれば、中国は米国債や株を一斉に売って対抗するだろう。日本と違ってアメリカに対して敵対的な国ほど国債や株を売るのは容赦はしないからリスクのとれる投資もできるのだろう。日本の場合はいったん米国債を買ってしまうと売ることが出来ない。

投資会社は先物などのレバレッジを利かせて、デリバティブなどにも手を出しているのだろうから効率はいいのでしょうが、損したときはそれだけ損失も大きくなり、小さな国では国が倒産しかねない。貿易黒字国が巨額の黒字をもてあまして財テクにつぎ込んでバブルの崩壊で倒産する国が続出するだろう。

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