★阿修羅♪ > 国家破産50 > 804.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
6月11日
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/85/index.html
わたしは安倍内閣が発足したときから、「この内閣はサブマリン内閣だ」と言ってきた。今は深く潜航しているが、参議院選挙が終わった後、一気に浮上し、国民生活を破壊するミサイルを撃ちまくる。
長い目で見ると恐ろしい破壊力を持った「憲法改正ミサイル」や「福祉切り捨てミサイル」など、強力なミサイルがいくつもあるが、なんといっても国民に即効性のある打撃を与えるのは「増税ミサイル」だ。
安倍さんは参議院選挙が終わるまでは増税論議を一切しないと、議論すら封印し、海底深く潜ったが、よくよく海中を見れば、その動きは見えてくるし、どうやら、ボロも出始めたようだ。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/85/02.html
去る4月25日、都内で、あるパネルディスカッションが開かれた。出席者は石弘光元政府税調会長、香西泰現政府税調会長、そして司会を務めたのがなんと津島雄二自民党税調会長だ。日本の税制のカギを握るキーマンが勢ぞろいした。
石さんは責任のある立場を降りたものだから、言いたい放題。「経済成長や歳出削減だけでは財政再建はできない」と増税するしかないことを訴えた。
石さんは小泉内各時代の政府税調会長として、3年間にわたる税調での審議の成果である中期答申を昨年秋に発表しようとして、官邸からの突然の要請で封印されてしまった。
安倍内閣の発足直前に税制の抜本改革案を打ち出すわけにはいかなかったのだろう。なにしろ、中期答申には、扶養控除・配偶者控除・給与所得控除など人的控除の圧縮と消費税率のアップというサラリーマン狙い撃ちの大増税が含まれていたからだ。
政権交代前には言えない内容だったのだが、それでは安倍内閣が増税とは違う路線に転換したのかと言えばそうではない。
なぜかというと、安倍さん自身が選任した現政府税調会長の香西さんもパネルディスカッションでこう発言したからだ。「成長だけでミラクルのようなことが起きるのは、確率ゼロではないが、政策としては中道を歩んでいくしかない」。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/85/03.html
安倍政権はもともと「上げ潮路線」という政策を打ち出していた。高めの経済成長を続けていけば、自然増収によって、それほどの増税は必要なくなるという考え方だった。この路線を支えていたのが当時の中川秀直自民党政調会長(現・幹事長)と竹中平蔵大臣だ。
ところが香西会長は上げ潮路線を否定し、「成長だけでミラクルが起きることを期待するのではなく」、やっぱり増税が必要だと遠回しに指摘したのだ。
さらに、驚いたことに司会役の津島党税調会長まで「我々の考えに大きな違いはない」と語ったのだ。これは極めて重要な発言である。
なぜなら、津島さんは政治家であり、参議院選前に増税を打ち出したら大変なことになることは百も承知だ。口が裂けても増税は言ってはいけないことだ。その津島さんが増税路線を打ち出した二人を前に「大きな違いはない」と賛意を示したのだ。
奇しくもパネルディスカッションが開かれた同じ日に経済財政諮問会議も開かれた。その中で、ある民間議員が重要な二つの提案を行った。
一つは「結婚、出産などの選択で税制がゆがみをもたないよう各種控除等を見直す」。もう一つは「安定的な財源を確保し、将来世代への負担の先送りは行わない」。
税制の世界で、「安定的な財源の確保」は「消費税率の引き上げ」と同義である。つまり、ここでも人的控除の圧縮あるいは廃止と消費税率の引き上げがテーマとなっているのだ。これは単なる偶然だろうか。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/85/04.html
経済財政諮問会議というのは言ってみれば安倍総理の分身だ。各省庁に対して官邸が強行突破を図るための武器であり、いまや省庁は政策をこの会議に持ち込んで、オーソライズしてもらっているほど力を持っている。
そこで、こうした提案がされているということは、上げ潮路線は既に捨て去られ、増税路線が既定事実になっているということだろう。
参議院選挙が終われば、あと2年は国政レベルの選挙はない。与党が勝てば政府は2年間やりたい放題となる。必ず政府は人的控除の圧縮・廃止、消費税率引き上げを実行しようとするはずだ。
こんなに証拠がそろっているのに、マスコミはほとんど問題にしていない。危険な“大増税サブマリン”がわたしたちの生活にミサイルの照準を合わせようとしているのに。