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http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/scn/070613/070613_mbiz100.html
中国国家統計局は、5月の消費者物価指数(CPI)が、前の年に比べ3.4%上昇したと発表しました。中国人民銀行は、CPIの伸び率の目標として3%以下を掲げていますが、CPIが3%台になるのは3カ月連続です。内訳をみると食用油、肉類、卵などが2−3割上昇したほか、穀物も6%程度上昇するなど、食品価格の上昇が物価全体を押し上げています。
中国人民銀行は、5月のマネーサプライ(M2)の伸び率が、前の年に比べ+16.7%と、前月(4月)の伸び(+17.1%)から鈍化したと発表しました。興味深いのは、M2の伸びが鈍化した理由の1つが、銀行預金残高の減少による点です。5月の銀行預金残高は、4月に比べ2784億元も減少しています。報道によると、銀行預金残高が減少したのは、市民が銀行預金を引き出し、株式に資金を投じたためといわれています。
CPIの伸び率が、目標に近づくどころか、目標から遠のいていること、また市民が銀行預金を引き出し株式投資に熱中している状況を考えると、現在の中国経済は、まさに金余りの中に浸っているように思えます。市場関係者の多くは、中国の金融当局が、金利引き上げなどの金融引き締め策をさらに強化するだろうと見込むのも、中国経済の現象を考えれば、素直なものといえそうです。
ただ、中国の金融当局が、いくら金融引き締め策を強化したとしても、中国経済の金余りが是正される可能性は低いだろうと感じています。中国当局が、人民元レートの上昇スピードを抑えるために、為替介入を続けている以上、貿易黒字の拡大に歯止めがかからなければ、中国経済には人民元が大量に流入するためです。
個人的には、金融引き締め策を遂行する中国当局は、火災現場に油を注ぐ一方で、水をかけて火事を消し止めようと努力する消防士の姿とダブります。消防士が、本気で火事を消し止めたいのであれば、消防士は、水をかける努力だけでなく、火に油を注ぐ行為を止めることも必要です。
いつかは分かりませんが、中国当局は、火に油を注ぐという自らの行為を止めざるを得ない時を迎えるのでしょう。ただ、これは、その時までは中国経済の金余り現象は続くと言い換えることもできます。中国への投資を検討する個人投資家は、中国当局の顔色を伺いながら、金余りの恩恵を汲み取ろうとするのも1つの方法でしょうし、金余りという火事の被害を避けるべく、非難するのも1つの方法でしょう。
どちらにしても、中国投資に対する今後の姿勢が、各投資家の投資哲学を表すような気がします。(執筆者:村田雅志 株式会社GCIキャピタル・チーフエコノミスト)