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□異形の帝国「クリスタル」の実像 [ちびすけのHP]
http://plaza.rakuten.co.jp/chibisuke5656/3012
○異形の帝国「クリスタル」の実像
※この記事は2003.2.8週刊東洋経済の記事です。詳しくはそちらを。
この不況下、失業率も一向に改善しない昨今。その中では非常に価値ある業態であるとは思うのだが...。
この会社、グループ会社は良い話しを聞いた事がない。
それだけ従業員を蔑ろにして営業している証しなのだろうか?
伸びている会社は人材は「人財」なんて言って、従業員を大切にして会社を発展させようというのだが...。
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上段裕士さんは1999年3月に自らの命を絶った。
「アメリカに留学して電子工学を学びたい」と留学資金を稼ごうと業務請負会社「ネクスター」に就職してから1年4ヶ月後の事であった。
体重は就職時の65キロから52キロまで激減。記憶力も減退していた。
お母さんののり子さんが勇士さんの死は過労自殺だという事で「ネクスター」と実際の勤務先であった「ニコン」を相手に損害賠償を求めて訴えを起こしている。
(詳しくは→「派遣社員過労自殺裁判」を)
http://www10.ocn.ne.jp/〜karoushi/
また同じ「ネクスター」で勇士さんの死から1年後、Kさんが心筋梗塞で無くなった。26歳の若さなのに心筋梗塞である。
亡くなる前にKさんは実家へ「俺、もうダメかも」という精気のない声で電話しているとの事。
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これらの事件から「ネクスター」とはどんな会社なのか?
従業員にどんな過酷な労働を強いていたのか?
調べていくうちに、同業で同じ様な横文字の会社が一杯世の中にあるではないか?
でも実は、これらはすべて1つ。
「株式会社 クリスタル」グループの1社に過ぎなかった.....。
クリスタルは74年、その前身(株)綜合サービスが京都市で設立されている。
創業目的は日産車体工場内の清掃。
以来、30年弱で業績は急上昇。この2002年度は売上高3100億円に達する見通し。
(2001年度だがクリスタルは2816億円)人材派遣大手の「パソナ」で1338億円、「メイテック」で650億円、「フルキャスト」で263億円である。ものすごい売り上げである。
グループ従業員は七万人とも八万人とも言われる。
オーナー社長でグループ総帥の林純一氏(58歳)は一切表には出てこない。
業界の会合はもちろん、地元京都での経営者団体の会合にもまったく顔を出さないという。
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クリスタルが急成長した「業務請負業」とは?
ある仕事を一括で受託し、自社で業務遂行責任を負うアウトソーシングが「業務請負」なのであるが、同業者からは「客先の要望でほとんど人材派遣に近い」と言われ、その実態はいわゆる「裏派遣」である。
労働者派遣法の改正で対象となる業務は原則自由化されているが、「モノの製造」すなわち生産ラインへの人材派遣は認められていない。
ここに抜け道があり、「派遣」は禁止でも「請負」は派遣法の縛りを受けないのである。
請負と派遣を区別する職業安定法施行規則、労働省告示はいくらでも解釈の
できるものである。
その法規制も監督官庁もないグレーゾーンに「1万社100万人」とも言われる業務請負業がどんどんできてきた。
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業務請負業者を使う理由は、生産変動に伴う人員調整が簡単であるからだ。
固定費(人件費)の変動費(外注管理費)化がメーカー各社の生き残りの至上命題であるからだ。
忙しい時はどんどん入れて、いらなくなれば請負会社に契約更新しないと言えばそれで済むからだ。
契約は半年単位が多いが1ヶ月、3ヶ月なんて契約をする会社もある。
契約期間が短ければ、切りやすいという事だ。
労働コストは「正社員の1/3」とも言われている。
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さらに正社員が嫌がる過酷な業務は請負社員(外注社員)に回せ。
そんな風潮の会社がほとんどではないか?
クリスタルグループには「夜勤専属、24時間365日、一括請負」をキャッチフレーズに営業をかけている「ダイテック」という会社もある。
亡くなった上段勇士さんは、クリーンルーム(一旦入ると簡単に出られない)という過酷な労働環境で昼夜2交代制、拘束11時間労働。
かつ15日間連続勤務。残業は月70時間を超過していたとの事。
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請負社員たちは地方出身が多い。
高卒の就職内定率が5割を切る様な北海道、東北、南九州などは深刻だ。
とにかく就職したい若者が、新聞広告やチラシ、求人誌を頼ってクリスタルに入社してくるが、現実は厳しい。
地方出身者は寮に入れられ、給料から寮費を差っぴかれ「手取りが10万円もいかない」なんて話しもザラの様である。
生活するためやむを得ず、「夜はスナックでバイト」などという女性も多いとの事。
挙句には社会保険の加入率も3〜4割。保険料の会社負担分を浮かせているのである。
また若い社員を雇えば、荒利益は増す。粗利益5割なんてのもザラかも...。
人を右から左に動かすだけで、こんな利益を生めばこんなおいしい商売はない。
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その社風、会社方針は徹底した上位下達と信賞必罰。
グループ子会社には毎日の様に「クリスタル通達」がFAXで送られてくる。子会社社長はその意を受け、「社長通達」を社内に発信する。
その「通達」とは、
・1ヶ月、新規受注が取れない営業には日本全国への強制転勤を課す。
・新卒600人、中途を月平均50人採用。目標の半分しか達成できず、人事責任者は2割の減俸。
・応募者の中から(選り好みせず)必ず2名採用。
・チャージ(契約金額)ダウン要請を受諾した担当者はダウン相当分を減俸
(ダウンした分は自腹を切れという事)
・有給休暇は安易に取らせない。
等々驚きのものばかりだそうである。
普通の会社勤務経験者の中途者は即刻、会社経験のない新卒ですら2年で9割近く辞めてしまう。当たり前である。
しかし辞めていく社員が多くても、次から次へと採用していけば良いという事である。
「人は財」などという言葉はここにはない。「人は商品」なのかもしれない。
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○クリスタル グループ各社については、こちらを○
http://plaza.rakuten.co.jp/chibisuke5656/010000