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銀行はフランス生保の最重要販路
ヨーロッパでは、保険を銀行の窓口で販売するバンカシュアランスは成功しているのだろうか。その業績には、国によって大きな違いがある。
例えば、フランスでは生命保険の62%が、銀行の窓口で販売されている。これは、ドイツの割合(25%)に比べるとはるかに高い(ドイツ最大手のアリアンツすら、銀行経由で販売される生保商品の比率は、20%にすぎない)。
フランス生保業界のマーケット・リーダーであるCNP社は、貯蓄金庫や郵便銀行と提携し、同国で最大の販売ネットワークを築いている。
フランスの生保業界にとって、銀行窓販が最も重要な販売チャネルになっている最大の理由は、この国の生命保険が、投資・貯蓄手段としての性格を強く持っていることだ。同国には、顧客が保険料を8年以上払い続けた場合、原則として満期保険金には、税金がかからないという税制上の優遇措置がある。
フランス政府が20年前にこの措置を導入した時、銀行業界は生保商品が新たな収入源になることを察知し、続々と生保子会社を設立した。
例えば、同国の生保業界で第2位の座を誇っているプレディカ社は、クレディ・アグリコール銀行の子会社だ。大手銀行BNPパリバも、生保子会社を通じて、ファンド型生保商品のマーケット・リーダーの座を確保している。
つまり、フランスで生保のバンカシュアランスが成功している理由は、銀行にとって、金融商品に比較的似通った、貯蓄型生保商品を売ることに抵抗が少ないことである。これに対し、火災保険のようにリスクの移転を伴う商品は、フランスの銀行は重要な販売チャネルにはなっていない。
一口にヨーロッパと言っても、国によって販売チャネルに大きな違いがあることは、この地域の経済の多様性を象徴している。
(探照灯)
【保険毎日新聞2007年6月6日】