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米30年債利回りが5%台に上昇、年金や保険会社が関心【世界日報】
【ニューヨーク 1日 ロイター】 米債券市場で30年債利回りが5%台に上昇し、年金基金や保険会社の関心を集めている。市場関係者によると、今後、長期保有を前提とするこうした機関投資家が30年債への投資を増やす可能性がある。
30年債利回りは今月1日の取引で、一時9カ月ぶりの高水準となる5.05%まで上昇。年内の利下げ観測が後退したことや、株式などリスクの高い資産に資金が向かっていることが背景だ。
30年債利回りが5%台に上昇するのは、昨年8月以来。利回り5%は、機関投資家が国債と株式の運用利回りを見直す1つのフシ目となることが多く、今後30年債への投資が増える可能性がある。
UBS(コネチカット州)の米金利戦略・調査を統括するウィリアム・オドネル氏は「5%という水準は大きい。投資機会が生まれるとみている」と述べた。
年金基金は、株高などを背景に資産が増えており、多くの基金が積み立て不足を解消している。
このため、今後は比較的安定した利回りを確保するため、国債などへの長期投資を進めるとみられており、30年債の投資配分が高まる公算が大きいという。
ドワイド・アセット・マネジメント(バーモント州)のチーフ・エコノミック・ストラテジスト、ジェーン・キャロン氏は「株価上昇のおかげで、年金基金は総じて十分な積み立てを確保している。資産のデュレーションを長期化して、負債のデュレーションに近づける良いチャンスだ」と述べた。
ただ、年金や保険会社が実際に30年債を購入するかどうかは、株価次第との声もある。30年債の利回りが5%でも、株式投資に比べると見劣りする可能性があるためだ。
米国株の割安感を示す指標は数多く、割安な銘柄を物色する投資家は勢いづいている。第2・四半期の米経済成長が加速する兆しも出ており、これも株価にプラスに働く可能性がある。
1株利益を株価で割った株式益利回りも、S&P総合500種採用企業で約6.2%と、10年債利回りの4.94%を大幅に上回っている。歴史的には、国債利回りが株式益利回りを上回って推移することが多い。
債券市場では、保険会社や年金などの機関投資家から、国債にまとまった買いが入れば、利回り上昇に歯止めがかかるとの見方が出ている。
保険・金融サービスのハートフォード(コネチカット州)のチーフ・インベストメント・ストラテジスト、クィンシー・クロズビー氏は「当然、保険会社の間には(長期国債への)需要がある」としながらも、保険会社や年金の買いが膨らめば、10年債、30年債の割高感が増し、再び機関投資家がリスク資産に資金を振り向ける可能性があるとの見方を示した。
根強いインフレ懸念や景気拡大見通しを背景に、米国債が一段と下落すれば、長期の投資家でさえ米国債への投資を見合わせる可能性も指摘されている。
バンク・オブ・アメリカのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ジョー・クィンラン氏は「世界のインフレ率が、(長期的に)1─2%台から3─4%台に向かっているなかで、5%という利回りが果たして魅力的なのか、よく分からない」と述べた。
2007/06/04 13:47
http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2007-06-04T134743Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-262654-1.html