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長期金利が急上昇、株価堅調で利上げ前倒しの思惑【世界日報】
【東京 5日 ロイター】 5日の円債市場で10年最長期国債利回り(長期金利)が1.830%に急上昇した。堅調な内外株価による景気押し上げ効果で、インフレが意識されやすい状況が続いているためだ。日銀の利上げ前倒しの思惑がくすぶり、金利は低下しにくい地合いが続きそうだ。
<海外勢の売りに対して国内勢は様子見>
5日の円債市場は先物主導で急落。国債先物6月限は一時前日比43銭安の132円31銭と前日に付けた直近安値(132円59銭)を割り込み、06年8月15日以来約10カ月ぶりの水準に下落。10年最長期国債利回り(長期金利)は同3.5ベーシス・ポイント(bp)高い1.830%と06年10月24日以来約8カ月ぶりの水準に上昇した。
財務省が午後に発表した10年利付国債入札の結果は無難な内容となり、いったんは戻りを試す場面もあったが、追随した現物買いが見られず、現物4─5年を中心に中期ゾーンに国内勢からまとまった売りが出たのをきっかけに下げに転じた。国債先物は新発債の消化を懸念した業者からのヘッジ売りに加えて、チャート上の節目を相次いで下回ったことでCTA(先物取引業者)など海外勢からまとまった売りが出たことで下げが加速した。
6月は国債大量償還を迎えるため、入札をきっかけに国内勢の買い期待は強かったが「金利上昇のスピードが速いため、国内投資家が様子見を決め込んでいる。先物はチャートが崩れてきており、入札のヘッジやまとまった売りが出やすくなっている」(大和証券SMBC・チーフJGBストラテジストの鯵坂亮平氏)といい、地合いは一段と悪化した。
<海外勢がショート戦略、国債先物の建て玉が高水準>
弱気相場を反映するように、国債先物の建て玉が5月末にかけて急増した。先物中心限月6月限が12日に最終売買日を迎えるため、6月に入り限月交代に絡むテクニカルな動きで13兆円台まで減少しているが、5月31日には15兆5318億円と、中心限月ベースでゼロ金利解除への警戒感が高まった06年5月19日(15兆7817億円)以来の水準に膨れ上がった。
欧米金利の上昇や日銀利上げ前倒し観測を背景にした金利上昇懸念が強まったのを受けて「海外勢がロングポジションを解消しながら、ショート(売り持ち)戦略を進めた」(国内証券)ことが建て玉急増につながった。
「6月14─15日の日銀金融政策決定会合で利上げが決定される可能性があるとして、一部海外勢が先物売りを仕掛けている節がある」──ある国内系金融機関の債券関係者はこう話す。
日銀会合まで1週間余りのタイミングであるため、6月利上げの可能性に否定的な声が多いが、債券売りが止まないことを考えると、利上げ時期に市場が神経質になっているのも事実だ。
6月の日銀会合で利上げ票が出てくれば、参議院選挙前である7月利上げの線も浮上する。仮に日銀が7月に利上げに踏み切れば、次の利上げは年度内、早ければ年内の可能性も出てくる。「マーケットは利上げが早まるリスクシナリオを織り込み始めている」(国内証券)との見方もある。
<世界的な金融引き締め観測、注目のECB理事会>
利上げ前倒し観測がくすぶる背景には、中国株の急落にもかかわらず、主要国の株価が堅調に推移していることがある。4日の米株市場ではダウ工業株30種とS&P総合500種指数がともに終値で最高値を更新。5日の東京株式市場でも日経平均株価が終値で約3カ月ぶりに1万8000円台を回復した。「株価上昇は景気だけではなく商品市況を押し上げる効果がある。最終的にはインフレ懸念、世界的な金融引き締めのロジックがワークしている」(国内系金融機関)として、株買い/債券売りが鮮明になっている。
市場関係者は、6日の欧州中央銀行(ECB)理事会に注目している。主要政策金利(現行3.75%)を0.25%引き上げ4.00にすることは確実視されているが、さらに追加利上げがあるとの見方が多い。世界的な金融引き締めの流れの中で「少なくともECB理事会を終えるまで、債券買いは入りにくい」(国内系金融機関)との声が出ていた。
2007/06/05 19:40
http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2007-06-05T194005Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-262937-1.html