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所得税率の累進性は強い方がよいのか、弱い方がよいのか。岩本教授の解説で興味深かったのは、かつては望ましい最高税率は20%台と、累進性を弱めることが推奨されていたのが、最近になって同税率に対する考え方が大きく変わり、50%超とする見解が世界の学界で主流になっているという点です。しかも、その変化が日本国内には浸透していないといいます。振り返ると、日本では1990年代以降、税率を緩めることが、働く意欲を高め経済の活性化につながるという考え方に沿って、税制改革を進めてきたように思います。
今の日本にとって「最適」な税の条件を探ると、判断基準の1つは財政再建のため税収が増えやすい体系にするということだと思います。最高税率を引き上げても節税行動が起きにくいのなら、累進度を高めて、稼いだ人にはより納税してもらうのが得策です。手元で簡単な試算をしてみると、最高税率を65%から50%に引き下げた99年以降、所得の伸びに比べて税収が伸びにくくなっている兆候が見られます。
もう1つ、印象に残ったのが、経済学は最適な税体系のメニューを示せるが、最後に選択するのは国民だという点です。この意味で、自助努力を重視し「小さな政府」を指向する与党の政策に代わる選択肢が、今の日本に見当たらないのは残念なことです。野党が対立軸を打ち出す役割を担うべきですが、民主党は格差を問題にしつつも、税や社会保障について明確な方針を定め切れていないようです。