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□「三洋」再建人 佐野社長と金融団のビミョーな関係 [日刊ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/article/detail/3184820/
「三洋」再建人 佐野社長と金融団のビミョーな関係
2007年06月02日10時00分
ジュニアは残って、GS役員は去る――三洋電機の新体制で、ゴールドマン・サックス(GS)や三井住友銀行などの金融団に首をとられた創業家の井植敏雅前社長が特別顧問に就任する。「佐野精一郎社長を支える」ため、これまでなかったポストを新設した。一方、GS派遣の楢葉徹雄副社長は退任する。「井植前社長とのバトルが最も激しかった」(電機業界関係者)といわれるだけに意外だ。
こうした背景には、三洋社内に渦巻いていた楢葉氏をはじめGSへの不信感があると指摘されている。
「待遇面の違いからくる確執もあったようです。GSからの派遣役員は出向扱いですから超高給。メーカーの三洋はただでさえ低めですから」(前出の業界関係者)
一方、ドライな外資が「結果を出せないならスパッと代えた」(金融関係者)。後任に同じくGS出身の山岸健太郎経営企画本部副本部長を起用したのはその表れともいえる。 問題は佐野社長がリーダーシップを取って新体制を率いていけるかどうか。当面の課題は、9月の中期経営計画をまとめることだが、株主である金融団の意向を尊重しながらどう独自色を出すか。
三洋に詳しい専門家は佐野氏が金融団の単なるイエスマンにはならないと読む向きが多い。
「佐野社長はガードが堅く、ディベートに強いタイプ。金融団と無用な喧嘩をせず、相手の話を聞きつつ三洋の意見を通すのではないか」(神戸大学大学院経営学研究科の長田貴仁准教授)
「人事・労務担当を経験していて組合との関係も良好。根性もある。上手に立ち回れる」(ジャーナリストの真島弘氏)
佐野社長にとって好都合なのが金融団のビミョーな温度差だ。
「GSは短期のリターンしか頭にないが、三井住友は少し時間をかけてでも立て直したいと考えているフシがある」(前出の金融関係者)
住友は、かつて、樋口廣太郎氏を送り込み、スーパードライで危機に直面していたアサヒビールを立て直した実績をもつ。三洋再建でも同様な手法を取ろうとしてもおかしくないだろう。
金融団の食い違いをうまく利用して、佐野社長のペースに引き込む――。三洋の主体性はこの一点にかかっているといえようか。
【2007年5月30日掲載】