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2007年05月20日
日本の税制について
日本の税制に関して、幾つかの話が上がっています。ふるさと納税の話もそうですが、法人によるNPOに対しての献金も非課税にしよう、という中川自民党幹事長の発言がありました。NPOは非営利団体ですが、松岡農水相が資産運用会社FACの関連団体WBEFの問題に際し、秘書の名前で特定非営利活動法人認証の審査状況を照会していた問題があります。
この団体はすでに出資法違反容疑で捜査を受けていますが、松岡氏のパーティー券を購入し、それを松岡氏側が政治資金収支報告書に記載していなかったこともあります。全てのNPOに問題があるわけでは勿論ありませんが、仮にNPO団体が企業との間で法人税分のキックバックなどを行った場合、これが脱税の手法に用いられる可能性があります。NPO認証に政治が口先介入する可能性がないのか、また企業との間に不透明な関係が結ばれないのか、という検証を経ないと、安易に非課税などの方針を打ち出すのは危険なのでしょう。
国際通貨基金(IMF)のマイケル・キーン財政局税制課長による、「日本の法人所得税率の引き下げ圧力が高まる可能性が高い」との発言もありました。これは政府税制調査会での発言なので、安倍氏の「成長なくして財政再建なし」の提言とも合致します。すでに減価償却などで企業に有利な税制を打ち出していますが、グローバル化する中では、諸外国の基準に合わせることが求められるということになります。
ただ諸外国と日本では、企業体としての意識の持ち方、組織の考え方が著しく異なります。三角合併が解禁されましたが、外国企業が買収用に企業を日本で立ち上げる場合、この税率の考え方がネックとなりますので、確かに外国、特に米国からの圧力は高まるでしょう。ですが、日本企業の体質が改善されない限り、この法人税率の引き下げには反対です。
最近、日本国内の強化と言う視点で意見をすることも多いですが、世界で稼いだマネーを還流する仕組みをどうするのか?日本全体がこうした視点で、税制や社会の仕組みを議論しないと、日本の未来像も描けないでしょう。税制を世界基準に合わせれば成長する、ということでもありませんし、法人税を減税すれば日本の景気が良くなるわけでもありません。
実はすでに日本の景気は後退局面入りしているのではないか、そうした観測も聞かれます。指標的に見ると、踊り場入りを示唆しているとも見えるので、今後の指標次第ではこの判断も変わってくるでしょう。「デフレ脱却宣言」どころではなくなるかもしれません。
今の内閣は減税に前向きですが、税収減を補う成長性が確保されないと、日本の財政は本当に危険水域になります。債券格付けの悪化は、更に日本の国力を弱め、世界に対する日本の位置付けを低めるでしょう。そうならないためにも、税制議論には社会全体の枠組みから、議論を始めることが必要なのだと考えます。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/