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北海道赤平氏助役の浅水忠男・・・ 「もう鼻血も出ません」。  【日本経済新聞】
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投稿者 hou 日時 2007 年 5 月 13 日 18:25:24: HWYlsG4gs5FRk
 

北海道赤平市――夕張の苦悩、明日はわが身(ドキュメント自治体再生)2007/04/02, 日本経済新聞 朝刊, 29ページ, 有, 1290文字


金なし、頼りは住民参加
 「なんとか財源をひねり出せないか」。昨年八月二十五日。北海道赤平市助役の浅水忠男は札幌市に向かう車中にいた。手には二〇〇六年度の予算資料。首っ引きで目を通し、数字を足し引く。行く先には北海道庁の幹部が待ち受けていた。

 足りない財源を補おうと、知事の了解なしに長期資金を借りる無許可起債。同年六月に夕張市で発覚した財政破綻は、夕張や赤平市を含む近隣六市町の七十五億円の隠れ借金もあぶり出した。総務省や道は各市町に一括返済を要求。旧産炭地で人口が最盛期の四分の一(約一万四千人)に減った赤平市も十三億五千万円の返済を迫られた。

 その前日、赤平市の財政担当者は道幹部に訴えた。「二億円までしか返済できない」。だが、返答は「ギリギリまで努力してほしい」。議論は平行線をたどり、浅水は直談判を決意した。

 車中では各種事業の中止はもちろん、人件費の削減や基金からの借り入れなど思いつく限りの策を並べ、十億円余りの返済にメドをつけた。「もう鼻血も出ません」。浅水は開き直り気味に道幹部にこう告げた。

 返済財源は結局三億円ほど足りず、〇六年度の普通会計も約二億円の赤字に。同市の場合、赤字が単年度で九億円強に膨らむと夕張市と同じ財政再建団体に転落する。
 市は道の要請を受けてこの三月、一二年度の黒字転換をめざす財政健全化計画をまとめた。職員給与を平均で一五%削減するのが柱。税金や各種サービス料の引き上げなど市民にも負担増を求めた。それでも「第二の夕張」になる危機が去ったわけではない。

 「最大の問題は病院だ」と市長の高尾弘明は打ち明ける。病院事業会計は二十五億円近い実質赤字を抱えている。〇九年度に導入予定の国の新再建法制は「連結決算」が基本。現状では国の管理団体に転落しかねず、もはや歳出削減に聖域はない。

 「市公民館を三月末で廃止する」。昨年末、赤平市民活動支援センター理事長の佐藤智子に市からの通告が届いた。センターは市から公民館の運営を請け負っていた。
 市財政の窮状は分かっている。佐藤は廃止を承諾した上で「行政に頼らず自分たちで市民の交流の場をつくる」と代わりの場所探しに奔走した。人づてに信用金庫の支店跡を探し出し、無償で借りる交渉をまとめた。近く「私営の公民館」として活動を始める。

 市内の文京地区では手作りのベンチも目立ち始めた。地区に住む三十七人の市職員が昨年四月に「お結び倶楽部」を結成。町内会などと協力しながら廃材を使って組み立てる。「市にお金がないのだから、住民が助け合う地域本来の姿を取り戻すしかない」。リーダーを務めている伊藤寿雄はこう話す。

 かつて炭鉱会社は住民生活のインフラを丸ごと抱え、閉山後は自治体が引き継いだ。一九九四年に最後の炭鉱が閉山して基幹産業を失った赤平も「行政への依存度が強い土地柄」とされる。こうした地域で行政に頼らない街づくりは可能か。再建に苦悩する夕張市民を横目に、赤平市民も新たな課題に向き合い始めた。=敬称略
(札幌支社 大塚節雄)
【図・写真】財政危機は住民発の街づくりを促す契機となるか(赤平駅近くの中心商店街)

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