★阿修羅♪ > 国家破産50 > 342.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
年金記録「なし」2万人、3月末時点、1ヵ月で20%増、社保庁・自治体が消失の恐れ2007/05/10, 日本経済新聞 朝刊, 5ページ, 有, 911文字
社会保険庁に年金の加入記録を照会した人のうち、本人が保険料を払ったと主張しているにもかかわらず、記録が存在しないケースが三月末時点で二万六百三十五人に達したことが分かった。社保庁が公表している三月初め時点の人数は一万七千二百四人で、一カ月で二〇%も増えたことになる。本人の勘違いだけでなく、社保庁や自治体が記録を消失した恐れもあり、今後年金の受給権をめぐって加入者との間で紛争が起きる可能性もある
。
二万六百三十五人のうち、記録が一部しか存在しないのは三千百九十七人、全く存在しないのは一万七千四百三十八人。一カ月で合計人数が二割も増えたのは、年金制度への不信感から記録の照会を求める動きが加入者の間に広がっているためだ。実際に全国にある社会保険事務所を訪れて照会した人はこの一カ月で二〇%、郵送で照会を求めた人は一五%増えた。こうした動きは四月以降さらに広がっており、記録が存在しない人がさらに増えるのは確実だ。
加入記録が一部でも存在しないと、年金の受取額が減ったり、受け取る権利を失ったりする公算がある。領収書など保険料を払ったことを確実に証明する書類があれば、加入記録は修正されて受取額も減らない。社保庁は領収書だけでなく、保険料の支払時に発行された印紙や保険料を口座振替したことを示す預金通帳なども「証拠書類」として認める方針だ。
逆にこうした書類が全くない場合は、本人の勘違いの可能性もあるため加入記録は修正しない。ただ、社保庁に記録がないにもかかわらず、領収書などで存在が確認された加入記録が昨年末時点で五十五件あることがすでに判明している。社保庁や自治体が記録を紛失したり、誤って処理したためだ。実際に保険料を払っていても社保庁などのずさんな管理で記録がない例もさらにあるとみられ、納得しない加入者が訴訟を起こすようなケースも出てきそうだ。
政府は今国会に社保庁を分割・解体する社保庁改革法案を提出し、八日に審議入りした。民主党は対案の一つとして年金記録の消失被害者の救済法案を提出しており、加入記録問題は法案審議の争点となる見通しだ。
【図・写真】社会保険事務所の窓口で年金の相談をする人たち(東京都内)