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2007年05月07日
フランス・サルコジ氏が大統領選を制す
GWも明けて、日本はここから長い祝日のない日々が続きます。長い休みも必要ですが、祝日のバランスが悪いのもどうなんでしょうね。
仏国では国民運動連合党首のサルコジ氏が、社会党のロワイヤル氏を破り大統領となりました。極右とも呼ばれますが、中道右派の位置付けであり、今回は移民政策などで強硬路線をアピールすることで、見事に極右勢力の取り込みに成功しました。ロワイヤル氏は高福祉型の旧来の政策のようにも見え、またカナダ・ケベック州の問題で、不興を買ったのが大きく影響したようです。
仏国では親日派で知られるシラク氏がいたからこそ、国際社会の中でフランスは日本の擁護をしてくれるなど、かなり友好的な対応をしてもらえました。ですがサルコジ氏は日本に対して厳しい意見も持っているようなので、今までよりも良くなる関係というのは望み薄というところでしょう。サルコジ氏は経済界との繋がりも深く、中国重視とも伝わっていますし、この辺りは新興国効果に縋りたい、今の仏国の現状が伝わるような話です。
英米型の市場主義経済を目指すとされていますが、問題は英米型の市場経済に歪が溜まり始めているこの段階で、フランスが本当に経済政策で転換できるのか、ということでしょう。歪とは巨大になり過ぎたヘッジファンドや、過剰流動性相場などですが、仏国にその歪を修正して尚、自国経済をその波に晒すことが出来るほど、余裕があるとは思えないところもあります。
変に先進国がその過剰流動性の波に巻き込まれると、以前発生したアジア通貨危機のような、売り叩かれて経済がボロボロになる可能性すらあります。移民を受け入れ、労働力の低下を補ってきた背景にあるのは、少子化の流れが自国経済を収束させることへの対応です。経済の閉塞感が払拭せず、労働市場が拡大しない中で移民への強い対応が鮮明化すれば、既に起こったように暴動に発展する可能性を孕んでいます。内政の不安定化は経済を冷やしますので、そこに売りで稼ぐチャンスを与えてしまうのです。
更に、移民対策で失敗するとこれは欧州全体に波及するかもしれません。仏国では8%と言われる移民ですが、欧州全体では相当の数に上りますし、アフリカや中東から欧州を目指す人間は、かなりの数に膨れ上がります。欧州が閉鎖的になれば、それらの人間が行き場を失って、世界が混乱する可能性もあります。
今のところ、サルコジ氏の手腕は未知数です。これらも悪い観測ばかりでしかありませんが、重い課題が仏国には山積されることもまた事実です。米英はサルコジ氏でホッとしているところでしょうが、仏国の舵取り次第では世界に波及する問題が起こるのかもしれませんね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/