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ロシアは「原子力弱体国」になりたくない     【ロシア・ノーボスチ通信】
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/298.html
投稿者 hou 日時 2007 年 5 月 06 日 11:35:15: HWYlsG4gs5FRk
 

http://www.rian-japan.com/opinions/details.php?p=492&more=1

タチヤナ・シニーツィナ、ロシア・ノーボスチ通信社解説員。

いつものロシアの矛盾だ。偉大な原子力国家であるロシアは、相変わらず「原子力弱体国」である − このようにロシアの専門家は特徴付けている。国家の原子力発電の占める割合は17,6%である。この数字は、1954年にすでに世界で初めての原子力発電所、オブニンスク発電所を作り、その30年後にはすでに10基の発電所を所有するようになった国の実態だ。

ソ連の「平和利用原子力」の凱旋行進はチェルノブイリの悲劇で終わった。社会に滲みこんだ深い放射能恐怖は現在までも完全には払拭されていない。しかし、ロシアは、原子力エネルギー発展計画をすべて停止しチェルノブイリのショックを体験している間、例えばフランスは、チェルノブイリ事故には全くうろたえず、チェルノブイリから必要な結論、先に進むこと、を学んでいる。まさにそのため、現在フランスは、同国の全エネルギー発電割合のうち約80%を原子力発電が占める程の原子力のリーダー国になっている。


ロシアは、失ったものを取り戻す決意に満ちている。そして、ロシアのその志向は当然のごとく世界的な原子力を取り戻そうというルネッサンスに融合している。政府も、2020年までに、発電対象の配置の総合スキーム、いわゆる「ロード・マップ」を、基礎として採択したばかりである。ロード・マップでは、昨年採択された原子力発電発展目的連邦課題の中で何よりもまず何よりもまず行動計画が具体的に明文化された。その主要構想は、国内のエネルギー発電の全体量の中で原子力発電の割合を最大限に高めることだが、これはロシアの原子力への意欲を証明している。


「ロード・マップ」によれば、2009年から、毎年1基ずつエネルギー施設を導入し、2012年からは、2基ずつ、そしてさらには、2020年まで、現在の23ギガワットからロシアの原発の合計能力が2,3倍に、うまく行けば2,5倍まで、増大させる計画だ。計画を実現させる技術的な支えになっているのは、最大限に改良され、シリーズで設置するVVER-1000(加圧水型原子炉、Water-water Power Reactor、略して WWPR型、発電能力1000メガワット)原子炉だ。


しかし、連邦原子力エネルギー局は、多様化、すなわち、強力な数千の単位を持つ強力原子炉だけでなく、中小型原子炉も必要であるとの発想に立っている。
ロシア科学アカデミー医学放射線研究センターの副所長ヴィクトル・イワノフは「ロード・マップ」開発に基礎を置く研究論は基本的には正しい。しかし、計画には「リスクの分析」も加える必要がある。これは、原発の発電施設の地理的配分が科学的に本当に根拠があるのか明確にし、そして、他方では、原子力発電のまだ不安を持っている人々を安心させることも必要である、と指摘する。


なぜ、ロシアは、恐らくエネルギー不安を恐れる必要のないはどの豊富な天然資源がありながら、益々原子力エネルギーに注視することを強調しているのでろうか?それは、まず第一に、人類は、近い将来を見る限り、エネルギーを安定的に獲得する代替手段を持っていないからだ。第二に、原子力エネルギーの発展は、国内に形成されているエネルギー資源供給がかなり非合理的になっている構造に刺激する(圧力をかける)力になるからだ。火力発電の60%はガスを要求する。そして、輸出の持続のためにも、また将来の世代に引き継ぐためにも、エネルギーを何らかの形で入れ替える構想は、死活問題として考えねばならないことだ。


ロシア科学アカデミー原子力エネルギー安全発展問題研究所の副所長ラファエリ・アルチュニャンは「もし、近々50年のことを考えるなら、石油とガスは埋蔵が減少し、問題は益々緊張化してくるだろう。世界市場で非常に高い需要はあるがいずれは枯渇するエネルギー資源に志向することは危険だ」と分析する。彼は、原子力エネルギー、これは、中期的のみならず長期的にも発電能力が不足して行く問題を解決する十分なポテンシャルを持っていると強調する。


アルチュンニャンは、ロシアは、計画では原子力によるエネルギー発電の割合を20-25%まで高める目的を設定しているが、これではまだすぐに近い将来「ロシアは原子力の弱い国だ」というステータスから脱出することはできないだろう。しかし、この計画は、最低に必要な取り敢えずのレヴェルを確保するという観点から見る必要がある。50年後のロシアは、自国のエネルギー必要量を確保する強力な原子力エネルギー体制を持つことになるだろう。


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