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収益力を算出しても、評価額は148億円にしかならないホテルが外資の入札見積はおおよそ七倍の1000億円以上であった。
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/278.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 5 月 01 日 14:05:34: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu143.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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収益力を算出しても、評価額は148億円にしかならないホテルが
外資の入札見積はおおよそ七倍の1000億円以上であった。

2007年5月1日 火曜日

◆「不動産バブルは2度と起きない」という神話 4月23日 宋文洲
http://it.nikkei.co.jp/business/column/sou_tanto.aspx?n=MMITzv000021042007

1980年代末のバブル時代に痛い目に遭ったためか、日本では不動産バブルはもう二度と起こらないだろうと考える人が多いようです。しかし、いまの東京の不動産は既にミニバブルになっています。

 何をもってバブルだと定義するかは難しいですが、デフレや人口減と言われているにもかかわらず、東京のオフィスの賃貸料は3倍にもなったところが出てきました。東京に近い新浦安についに億ションまで出現しました。2、3年前に売り残りが心配された都心の新築マンションに、仲介業者の営業マンがしきりに営業をかけます。「高く転売しませんか」と。

 80年代のバブル期は何もかも高くなりました。その中にあった不動産の高騰でした。正確にいえば、不動産バブルではなく経済バブルでした。

 しかし、今の日本経済そのものはバブルになっていません。株価は2年前と比較して2倍になりましたが、最安値と比較して上がったものの、PERは20倍前後です。物価についてはまだデフレの克服が課題です。経済のグローバル化が進んだ結果、安い輸入品がどんどん入ってきます。

唯一、不自然に上がり過ぎたのが、他でもない東京の不動産です。ここには80年代にはなかった理由が隠れています。ご存じの方も多いと思いますが、不動産の証券化です。

 ビルを丸ごと売るには、相手はなかなか見付かりません。しかし、そのビルを証券に換算しておけば、一般投資家が資金力に応じて好きなだけを買うことができます。これを不動産の証券化といいます。

 さらにマンションやビルや駐車場などの不動産をまとめて証券化する仕組みもあります。これが不動産投信(REIT)です。分かりやすくいえば不動産証券のファンドのようなものです。

 日本の不動産業には面白い現象があります。土地が下がっても家賃が下がりません。これを金融の視点からみれば、地価が下がるほど土地の運用効率がよくなるということになります。そこで安いうちに不動産を取得し、運用益を配当に回せば間違いなく投資家に喜ばれます。

 不動産証券や不動産投信はこのような背景の下でスタートを切りました。不動産の簿価が低いときに非常によい運用効率だったため、その株価自体が上がっていきました。最初は運用を目的に考えていた不動産の証券化は、今となっては値上がりそのものが期待されるようになりました。

 このため5―6%を想定していた利回りは最近3%を切るようになりました。1%台になるものも出てきたそうです。不動産の高騰で取得簿価が高くなれば、家賃収入は高いままでも運用効率は落ちます。

 自分でお金を出して直接不動産を買うならば、「高騰した」と実感して自然に80年代の不動産バブルを思い出すでしょう。しかし、今の問題点は物件を買うのがオーナー自身(投資家)ではなく、投資会社やREITの運用会社になっていることです。

 分かりやすく言えば「自分のお金ではない」ので、資金が集まる以上は買い続けるのが仕事です。高いか安いかという判断は二の次です。買わないと商売が止まってしまうのです。

 投資家は上がる株価をみて安心してしまいます。利回りが1%台になっても「貯金より良い」と解釈して不動産の高騰に気付かないのです。不幸にも超低金利の副作用はこんなところにも出てしまいます。

 しかし、高すぎるものはいずれ調整されます。今回の景気回復はそれなりの期間続いています。どう考えてもオフィスビルやマンションの賃貸料がこれ以上上がるとは思えません。誰かが「高すぎる」と大きな声で言ってしまうと皆が株を売り始めます。そうなると逆回転の始まりです。

 今回の不動産ミニバブルは80年代とかなり異なる環境と仕組みの下で起きているため、なかなか気付かれません。しかし、そのバブルは確実に成長してきました。バブルとは成長するか、弾けるかという挙動をするものですから、このまま放置するといずれ弾けます。

 アメリカでは既にサブプライム・モーゲージの問題が表面化され、下院では不動産ファンドを規制する議論が進んでいます。金余り現象が起こした投資がファンドを通じて不動産に入った場合、投資家は不動産のリスクが見えにくくなります。仲介業者はそのリスクが見えても手数料を稼ぐために目をつぶっているところは日本も米国も同じです。

 ただし、米国と違って日本は依然として超低金利が続いています。「貯金より得」という安易なセールストークにひかれていると自ら、ババをひいてしまう危険性があります。

◆日本危うし、“モルガンショック 4月27日 建築家の育住日記
http://oneandonly.livedoor.biz/

4月23日、日経朝刊「経営の視点」に安西巧編集委員の論説がのっていた。見出しはこうだ。
「外資が導くバブル再来」
「“モルガンショック”波紋」

モルガン・スタンレーによるANAホテル十三カ所の落札価格が、二千八百十三億円であった。これに対して入札に参加した関係者から「どんな投資尺度を使ったら、あんな巨額になるのか」という声がもれた、と論説は紹介する。
「破格の値付け」のなかでも特に関心をよんでいるのがANAインターコンチネンタルホテル(東京・赤坂)だ。RevPAR(リバパー)という指標を使って当該ホテルの収益力を算出しても、評価額は百四十八億円にしかならない。ところが入札見積はおおよそ七倍の一千億円以上であった。RevPARによる収益還元法では説明できない。

日本企業の関係者がパニックった。
ついでに、編集委員もパニックった。編集委員の結語を紹介しておこう。
“「バブルにあらず」の論拠となっていた収益還元法の値付けが崩れた‘モルガンショック’。三越だけでなく、他の百貨店や鉄道会社など不動産資産に恵まれた企業にも波紋を拡げそうだ。”

何でこんな大騒ぎになるのか?何がショックか?

“モルガンショック”の直撃を受けのは、劣化不動産をお腹一杯抱え込んでいるこの国の企業家であり、外資のすすめる収益還元法を礼賛してきた経済ジャーナリストだ。
外資は収益還元法という合理的な投資手法によって投資を決定しているのだから、バブルで失敗した我々日本企業は彼らに学ばなければならない。さすれば、バブルのような過ちを二度と引き起こすこともないし、今日の手痛い打撃、深刻な損失を被ることもない・・・はずだ。

ところが?

商売で痛い目にあったことがないのだから、ジャーナリストの甘さは仕方があるまい。
「収益還元法という合理的な投資手法」は正しいのだから、「どんな投資尺度」があるか、しっかり勉強した。ところがこれが当てはまらなかった。結局、使い物にならなかった。
いつものことで、この国のジャーナリストのレベルがこの程度というにすぎない。
が、「外資が導くバブル再来」の見出しは嘆かわしい。
バブルというのは、つまり資産インフレのことだ。資産インフレを予想するのであれば、外資はわざわざ高値で入札するはずがない。なぜなら黙って周辺の不動産を買いあさって、「バブル再来」すなわち資産インフレが「来る」のを待てばよいからである。
この国のジャーナリストはこんな事も分かっていない。

問題はさらに日本の企業家たちの体たらくだ。

町場の零細投資家のおやじは、息子たちに説明のつく理屈を考えてみた。
木造2階建てのアパートが建っている。10世帯で家賃が10万円、月で100万、年間で1200万の家賃収入(キャッシュ・フロー)がある。
これを建てかえるシミュレーションを建築家にやらせてみた。
するとどうだ。3階建て10室のラブホテルが模型付きで提案されてきた。ラブホテルにはちゅうちょしたが、日銭は稼げそうだ。
1室あたり2時間で5千円、日に4回転で2万のキャッシュ・イン。宿泊を入れたら、日に3万円だ。
1室当たり日銭3万で、10室ある。これに年間稼働日数を掛けでどうなるか。年間のキャッシュフローは1億近くに達する。

もちろんこれはシミュレーションに過ぎないのであるが、零細事業家であっても、頭の中は日夜シミュレーションで満たされ飽きることはない。
賃貸アパートからラブホテルへの建替構想で、キャッシュフローが7〜10倍に跳ね上がった。その上で、収益還元法によってこの土地を再評価する。
計算上であるが、地価が跳ね上がった。

しかして、これはバブルだろうか。

日本の企業家、ジャーナリストは今あるANAインターコンチネンタルホテルに収益還元法を適用する。
外資はどうか、まさかラブホテルではあるまいが、何かに建てかえることを織り込んだようだ。そう観測できそうである。
その上で、彼らはきっちり収益還元法を駆使することだろう。
収益還元法を既存ホテルに適用する以外に思いつかなかった。結果、評価額の七倍の入札見積を外資に突きつけられた。その秘密は何かよくよく考えることだ。
これを「バブル」という御仁の頭は、直ちに危ういのである。

ああ、日本危うし。


(私のコメント)
1980年代に起きた日本のバブルは本当に潰すべきものだったのだろうか? NHKをはじめとしてニュースキャスターの久米宏や経済評論家などが大合唱してバブル潰しの大キャンペーンを張った。確かに1年に20%も30%もの土地や株の値上がりは資産バブルの過熱現象だ。しかしその事をもってバブルを潰す理由にはならない。

80年代に起きた日本の資産バブルは90年代にはアメリカに飛び火して株や不動産が値上がりして、00年代からは資産バブルは全世界に広がった。このような資産バブルは世界を一周して再び日本に資産バブルが起きようとしている。80年代の日本のバブルマネーはアメリカのビルなどを買いあさりましたが、最近の現象は逆であり海外マネーが日本のビルを買いあさっている。

90年代の日本のバブル崩壊後の状況は異常なものであり、株の利回りは債権をも上回り、ビルの投資利回りは年20%以上にもなる物件が続出した。私なども銀行などにビルの買収資金を借りに窓口に相談した事もありましたが、銀行は不動産と聞いただけで拒否反応を示してしまった。それほど商業用不動産の値崩れは酷く、価値が10分の1になった不動産はもっと値下がりすると見られていたからだ。

90年代は銀行自身が大蔵省や金融庁によって潰された時代であり、日債銀や長銀や東京相互銀行などが外資に売り飛ばされた。証券会社も四大証券と呼ばれた証券会社のうち山一はメリルリンチに売られ、日興証券はシティーに売られた。メガバンクと呼ばれる銀行にも外資の手は着々と伸びている。

このような80年代のバブル潰しのマスコミによる大キャンペーンと、最近までの外資による日本の金融会社の買い占めなどの流れは関連があるのだろう。もし日本政府が毅然としてバブルを潰さない決意があれば、このような結果にはならなかったはずだ。作為的に日本の銀行や生保や証券会社などを潰して外資に売り払う政策が実施されたのだ。もちろんこのような事は政府部内に外資の協力者がいないと出来ない事だ。

「建築家の育住日記」によればモルガンスタンレーがANAのホテルを評価額の10倍で買おうとしている。収益還元法で計算すれば148億円のホテルが1000億以上の値段が付くとは驚きだ。つまりバブルの頃の値段で売買されようとしている。もちろんモルガンスタンレーもそれだけの収益を計算して出した金額なのだろう。

東京では続々と超高層ビルや超高層マンションが建てられている。買い手や借り手がいるのだろうかと心配になるが、企業業績の回復で都心のビル需要が増大しているようだ。数年前は都心の本社ビルを売り払った企業が、今ではまた都心に戻ってきている。

日本の失われた10年を解決する為には構造改革が必要だと言う政治キャンペーンが行なわれた。しかし構造改革とは具体的になんだったのかよく分からない。小泉首相によれば民営化ということですが、郵政の民営化もまだ先だし、不良債権の処理も景気の回復で胡散霧消しそうだ。

日本に失われた10年をもたらしたのは、私は円高構造が原因ではなかったかと思う。ドルが基軸通貨の特権を生かして紙幣を印刷してばら撒いた。それを買い支える為に円が使われた。世界の大金持ちもドルの目減りを円高でカバーしようとして円が買われた。だから一時期に1ドル80円まで行ってしまった。

最近は1ドル120円前後で安定していますが、ユーロから見ると1ユーロが168円にまで円が下落している。この事によって円高構造が解消されて輸出企業をはじめとして企業業績が回復し始めた。円高構造は国内のコストをも引き上げましたが、最近の円安構造はコストの低下をもたらして企業の業績や人件費の上昇をもたらしている。今年は新卒者の採用もバブル期並みの求人難だ。

結果的にユーロの登場は円高構造の解消につながり円は通常のレートに戻りつつある。円キャリートレードの影響もあるのでしょうが、円の金利が低いと言う事はまだドルやユーロに比べて円の信用が高いと言う証拠だろう。このような円安傾向が工場などが海外に移転していましたが、付加価値の高い工場は国内に戻ってきている。

円安は必ずしもメリットばかりではありませんが円高構造がもたらしていた弊害を解消しつつある。都心の不動産バブルもその一つだろう。不動産の値上がりが全国に広がっていけば、不動産担保の金融なども活性化されて銀行の貸し出しも増えていくだろう。土地の値上がりは土地を持つ企業の価値が上がり株式も評価されて上がるだろう。

問題は海外の資産バブルが日本のように崩壊するかと言う事ですが、日本政府のようなへまな事をしなければバブルの崩壊は短期で規模も小さい事だろう。日本のバブル崩壊も土地も半値ぐらいの下落で済んでいれば単なる金融不況で済んだはずだ。日本の政府日銀の経済政策の不手際が日本の失われた10年を作り出したのだ。

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