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2007年04月25日
経済の話。東証株価指数の下落の理由を考える
米国では企業業績が好調でダウが史上最高値を更新、13000ドル目前まで迫る勢いを見せています。私は経済の面で『出遅れ』と使うことを好ましく思っていませんが、その理由は経済とは個別の要因により上下動するものなので、世界との対比で経済を語ると見誤ることの方が多いからです。しかし新興国でも最高値をとっており、日本だけが蚊帳の外に置かれていることだけは間違いありません。
私は行き過ぎた低金利は経済を冷やす、と大勢の経済評論家の意見とは異なる意見を持っています。円キャリー取引など、日本から資金を持ち出されることが多くなると円は弱くなりますが、これは輸出企業に追い風でも日本国内全体を考えた時、マイナス面の方が大きいからです。
現在の経済財政諮問会議でも言われていることですが、昔から日本では個人資産を貯蓄から投資へと謳われます。しかし今投資を促しても、それは世界の高金利国や伸張著しい新興国に流れるばかりで、日本国内に限ってはあまりプラスになりません。
低金利が国内経済を有利に働かせるのは、借り手にとって金利が低く借りられる効果が最大ですが、一方で国内に投資を呼び込まないので、資産増大効果は見込めないことになります。一部メディアでは欧米と日本の違いとして、賃金上昇率は違いがないが、土地高騰などによる資産増大効果が欧米ではあるので、景気が好調に動いているとするものもあります。これは日本で貯蓄から投資を促しても、日本が超低金利を続けている以上投資は国外に向かうので、土地が高騰することもなくインフレも進まないことになり、景気は上向かないことにもなるということです。
結果として日本経済は世界経済、特に米国経済としか連動せず、米国の企業業績は好調でも経済全体は弱めの指標が出ているため、日本単独で見ると下落圧力の方が強く働くことにもなります。一部で企業が業績見通しを低く発表するため…、との理由も聞かれますが、業績見通しを低くせざるを得ない背景には、米国経済の先行き不透明感や円高進行などのマイナス圧力も存在するのです。
そして米国経済の見通し次第で業績が大きく振れるということは、世界経済が好調な時に日本国内への景気対策を怠ってきた、官や一部大企業の責任が大きいのです。外需よりも内需へ、とも言いますが日銀が超低金利を続ける以上、内需の拡大も先の理由により不可能でしょう。
日本が『出遅れ』てしまったのは、株価ではなく金利水準です。そしてもうこの金利水準は円キャリー取引などの弊害を生み、手を出せば変動を大きくする要因にもなってしまいました。今の日本の株価下落を引き起こす原因は、単に外国人が売っているという実需の問題だけではない、ということだけは肝に銘じておかなければなりませんね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/