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http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003015&sid=as.PLS8HnJOc&refer=jp_europe
米サブプライム住宅ローン担保証券保有者、損失は750億ドルにも
4月24日(ブルームバーグ):米国の住宅ブームを支えた債券投資家は、住宅価格の停滞とサブプライム住宅ローン延滞増の影響を受け始めている。
債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)によると、投資家は信用力の低い借り手を対象としたサブプライム住宅ローン担保証券(MBS)で、最大750億ドル(約8兆8700億円)の損失を被る見通しだ。メリルリンチによると、2006年に発行された4500億ドル相当のサブプライム住宅ローン担保証券の一部は価値の37%を失っている。
ブラックロックやアライアンスバーンスタイン・ホールディング、フランクリン・テンプルトン・インベストメンツは、リスクを抱えている。銀行や貯蓄金融機関が、これらの投資家にリスクを転嫁したためだ。住宅ローン担保証券の残高は6兆ドルを上回り、米国債を約50%上回る。
PIMCOで2500億ドル相当の資産担保証券運用に携わるスコット・サイモン氏は「損失を引き受けるのは債券投資家となるだろう」と話す。
カリフォルニア州のリバーサイド郡では、1−3月(第1四半期)の担保物件差し押さえが前年同期比ほぼ3倍の6103件に増えた。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは2006年1月に、同郡の住宅ローンなどを担保としたMBS15億ドル相当を発行した。メリルリンチによると、このなかの高リスク部分の価格は額面1ドルに対し63セントと、06年10月の100セントから下落している。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ブラックロックやアライアンスバーンスタインは、このリーマンのMBSを保有している。またブルームバーグ・データによると、フランクリン・テンプルトンも同銘柄を購入していた。
債券投資家の資金が、10年にわたる米不動産市場拡大を支え、米国の持ち家比率を69%にまで押し上げた。銀行や貯蓄金融機関、住宅金融会社は住宅ローン債権を売却することによって新たな資金を得て融資を増やした。ローン債権の買い手であるリーマンやベアー・スターンズ、モルガン・スタンレーなどの証券会社は、債権をMBSに組成して投資家に販売した。
米連邦準備制度などのデータによると、前回住宅市場が低迷した1990年には、市場は1兆800億ドル規模で、証券化されるローンの割合は40%だった。現在ではほぼ3分の2が証券化されている。
住宅ローンの証券化は1995年以来、債券市場のなかで最も大きく伸びている分野だ。バンク・オブ・アメリカのアナリスト、マイケル・ヘクト氏の概算によると、住宅ローンや学資ローンの債権の証券化による手数料は過去5年で3倍になり56億ドルに達した。
今日の問題の背景には、景気拡大期に貸し手が融資基準を緩和し信用力の低い借り手への融資を増やしたことがある。しかし、債券保有者にも責任があると米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁は指摘している。
住宅ローン担保証券への需要は、03年に米政策金利が45年ぶり低水準の1%に引き下げられた後に急増した。さらに、サブプライム住宅ローンの金利は、通常のプライムローンに比べ少なくとも2−3ポイント高い。サブプライム住宅ローン担保証券の発行は06年に4500億ドルと、01年の950億ドルから増えていた。
米下院金融委員会のバーニー・フランク委員長はインタビューで、「貸すべきでなかったカネを貸した者がいる」として、MBSの投資家は「無責任に流動性を提供した」と指摘した。
原題:Subprime Bondholders May Lose $75 Billion in