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2007年04月19日
経済の話。世界同時株安の波、再び?
今日はアジアの証券市場が大幅に下落し、また欧州株も下落して始まったようです。世界が再び二月後半に起こった世界同時株安のような、そんな懸念も抱く気配になってきました。今はどんな相場も上昇するにしろ下落するにしろ、ヘッジファンドが『虚像を現実にする力』を持っていることが問題です。
ヘッジファンドが悪い未来像を描く場合、現実がどうであろうと相場は下落します。上昇でも同じことですが、先のG7でヘッジファンド規制に二の足を踏んだために、世界はこの『ヘッジファンドの都合』により、右往左往させられることになるのでしょう。あの時は『腰が引けた』と表現しましたが、世界はそのツケをいつかは払わされるのでしょう。
今回の下落のきっかけは中国が1-3月期のGDP発表を遅らせたことです。市場は11%を危険水域としていましたが、その水準を越えるのではないか?それが金融引き締めに繋がり、引いては経済を冷やすのではないかとする『虚像』を、現実の形にしてしまった訳です。
実際に発表されたのは11.1%であり、危険水域であることは間違いありません。人民元が国内でだぶついており、金余りによる投資が進んでマネーゲーム化しています。土地や上海株にそうした投資が向かい易く、実体なき上昇が続いて既にバブル症状を呈しています。これに規制をかけるのは難しく、3月に小幅に金利を上昇させても冷却効果はありませんでした。
今は世界のどこがくしゃみをしても風邪に怯えてしまう、そんな時代です。こんな時には米国経済が重要ですが、一つだけ良い観測があるとすれば、4月は還付金による上昇相場を描き易いというアノマリーがあり、ここまでダウが高値をとっていることです。
ただ一部メディアでは既にミニバブルと評されており、実体なき上昇が続いているために足腰が弱くなっています。資金が入っているため、悪いニュースにも関係なく上昇してきたからですが、これで悪いニュースが意識されれば、一気に下落する可能性もあります。サブプライムローンの住宅差し押さえ件数急増、鉱工業生産指数の低さなどに見る、設備投資意欲の減退など景気減速が顕著となっています。
日銀が五月にも利上げをするのではないか?という懸念も為替相場を混乱させています。IMFが示した世界経済の見通しで、日本は2.3%の経済成長をはたし、米国では2.2%しかありません。それで金利差が5%近くあるという不均衡を解消する、それだけの話で巨大な資金が蠢きます。
過剰流動性相場という怪物が実体を表し始めた今、それが消失した時に生じる損失を懸念すべき段階なのだと思います。何事もそうですが、実体が分からなかったものの正体が見えた時には、既にそれが終焉を迎える時なのですから。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/