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http://www.adecco.co.jp/aboutus/pressrelease/2007/20070315.html
アデコ・インスティテュートが
ヨーロッパの若年層の就職に関する白書を発表
EU の若年層が無職になるリスクは全体平均の2倍におよび、卒業後の進路が雇用水準および雇用機会向上のカギとなる。アデコ・インスティテュートの所長は「EU スキル委員会」がビジネススキルの差を埋める役割を担えると予測。
[2007年3月15日 ベルギー・ブリュッセル]
アデコグループが設立した将来の雇用問題に関する国際的シンクタンク、アデコ・インスティテュートは 、卒業後の進路が、ヨーロッパの若年層の就職や将来に及ぼす影響についての白書をまとめました。 要旨は以下の通りです。
・ GDP成長率の変動が若年層の就職に与える影響は、好悪を問わず全体の2倍である。
・ ヨーロッパの若年層 (15 歳から 24歳まで)は全体の倍という高い失業率に直面している。
・ 若年で無職状態に陥ると、将来的なキャリアアップの見込みが永続的に弱まる可能性がある。
・ 熟年労働者と若年の新人労働者では必要とされる条件が異なるため、就職の機会にも差がある。
・ ヨーロッパには新卒就職の仕組みが3パターンあるが、その有効性には大きな差がある。
・ デンマークは若年層、成人ともに失業率が低く、また、若年層、全体の別に関わらず男女の格差も小さいことから、ヨーロッパにおける模範といえる。
・ EUにおける若年層の就職問題と労働者の高齢化問題は表裏一体ともいえる。現在、若年層の失業率が18%であるにもかかわらず、熟練労働者が不足しているという問題を抱えている。
ドイツの元連邦経済労働大臣で、現在アデコ・インスティテュート所長のヴォルフガング・クレメントは以下の通り述べています。「この調査をきっかけに、若年層の高い失業率というヨーロッパ労働市場の大きな問題に注目していただきたいと思います。ヨーロッパが直面している最大の課題の一つは、教育機関と働く場を結ぶきちんとした橋を架け、若者を労働市場に導く機会を増やすことだと思います。現在はむしろ、両者間の亀裂の方が大きいように見えます。」
アデコ ・インスティテュートの調査によって、ヨーロッパではGDPと若年層の失業率に明確な関連があることが明らかにしました。経済成長が鈍化すると、若年層が就職しやすいような職の採用が凍結される、または切り捨てられることになります。逆もまた同様です。総じて、若年層の求人倍率はGDPの変動1%につき全体の求人倍率に比べて倍の差が出るため、若年層は一般労働者の倍と不安定な状況に置かれているといえます。市場だけではなく教育機関や国の政策も若年層の就職に影響しており、GDPと求人倍率の相互関係は国ごとに大きく異なります。
また、若年層の雇用につながるビジネススキル(及び職場についての理解)と企業側のニーズの差が大きくなっていることも明らかになりました。熟練労働者が退職するのに伴い、資格を持ったスキルの高い人材の需要が伸びます。しかし、熟練労働者の穴を埋められるようなスキル習得ができる教育を若年者が受けられていないため、失業率が高い一方でスキルを持った人材が不足するという状態が続きます。
結論と政策への提言は以下の通りです。 ・ ヨーロッパが失業率のみにこだわっている状態では、労働者に対し、サービス・情報・知識に焦点を当てた将来の経済に必要なスキルを身につける機会を提供することができない。
・ あらゆる環境下に置かれている若年層に、質の高い教育、研修、能力開発プログラムを提供しなければならない。
・ 上記を達成するには、今ある教育機関との連携を進める官民仲介機関が必要である。
・ ヨーロッパは、雇用する側や政治家などからなるEUスキル委員会がまとめるフレームワークを通じて、あらゆる分野の教育、研修について考えていかなければならない。
・ 公的または民間資金の注入により、EU圏内の全学校に卒業後の就職を促す進路指導員を配置することもきっかけ作りになるだろう。