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日経金融新聞
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欧米保険各社、バミューダ進出に拍車――再保険の拠点に、法人税率ゼロが魅力。2007/04/10, 日経金融新聞, 9ページ, 有, 981文字
昨年、3年ぶり高水準
【ロンドン=吉田ありさ】欧米の保険会社によるオフショア金融市場・英自治領バミューダへの進出に拍車がかかっている。二〇〇六年の新設数は八十二と三年ぶりの高水準となった。各社は法人税率ゼロ%であることなど利益課税がない点に着目、バミューダは再保険事業を中心に世界の保険ビジネスの集積地として一段と存在感を増している。
新設の大半は再保険会社。前年の米ハリケーン被害に対する保険金支払いで既存の再保険会社の引き受け余力が落ちたタイミングを狙い、後発組が相次ぎバミューダに進出している。
目立つのは税負担などコスト軽減を狙う英ロイズ保険組合の有力プレーヤーだ。〇五年末に進出したヒスコックスに続き、オメガが〇六年一月に新法人オメガ・スペシャリティー・インシュランスを設立して本社機能をロンドンから移した。
半年後にはロンドン新興市場向け市場(AIM)への上場を果たした。同じくロイズ・メンバーのアドベントも〇六年末に新法人アドベント・リーを設立した。
大災害直後の再保険料率の上昇をにらんで、買収ファンドなどの投資を受けた後発組も相次ぎバミューダで開業している。鉄鋼会社の再建で財を成した米大富豪ウィルバー・ロス氏は再保険会社パンサー・リー・バミューダを昨年十月に新設した。
バミューダ金融庁によると、〇六年の進出数は他の再保険ビジネス拠点、英領ケイマン諸島(五十)や米バーモント州(三十七)と比べても多かった。
バミューダは利益課税がないうえ、保険会社の設立認可から営業開始まで数カ月で終わるといった「柔軟な規制監督体制が参入に適している」(ジェレミー・コックス保険部門長)という。
〇六年は世界的に大規模なハリケーンなどの災害がなかったためバミューダに参入した再保険会社の業績はおおむね好調だ。〇五年の米ハリケーン被害の直後にバミューダで新規参入したバリダスやフラッグストーン・リインシュランスは最近、株式の新規公開に踏み切った。
米エーオンなどグローバルな保険会社は顧客企業に一カ所ですべての再保険を提供できる大規模オフィスをバミューダで展開している。
新規参入組を含めたバミューダの保険会社数は約千七百。ドイツ、米国、スイスに次ぐ世界四番目の保険会社の集積地となっている。
【図・写真】再保険会社の新設で建設ラッシュが続く英自治領バミューダ島