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□救世主? ハゲタカ? ビクター支援、米ファンド実像 [ZAKZAK]
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031924.html
救世主? ハゲタカ? ビクター支援、米ファンド実像
世界規模で企業買収を手掛ける巨大ファンドが相次いで日本に上陸している。米投資会社サーベラスとともに日本ビクター争奪戦を演じ、勝利する見通しとなった米TPGもその1つ。日本ではなじみが薄いが、世界各国に拠点を持ち、米航空会社など巨大企業に次々と投資してきた。最近では、日本の航空会社に興味を示しているとされる。企業を再生させる救世主なのか、それとも利益をむさぼるハゲタカなのか。TPGの正体は−。
【全米トップ5】
大手玩具メーカーのタカラトミーと資本・業務提携で合意し、松下電器産業が売却する日本ビクター争奪戦で勝利−。このところTPGの動きが活発だ。
TPGとはテキサス・パシフィック・グループの略で1992年、米国で設立された。現在はロンドン、香港、シンガポール、日本など8カ国にオフィスを構える。
「資金規模は約3兆6000億円で、サーベラスの約2兆6000億円を1兆円も上回っている。資金構成も中東のオイルマネーや中国の富裕層マネーなど多岐にわたるのが特徴だ」(事情通)
投資先は世界で50社を超える。主な案件は、米ファストフードの「バーガーキング」や米航空大手「コンチネンタル航空」など日本でもおなじみの世界企業が顔を連ねる。
その実績と資金量から全米トップ5に入る巨大ファンドと称され、日本にはサーベラスより2年遅れの2000年に進出してきた。が、日本ではなぜかなじみが薄い。
「理由は、ニューブリッジという名で活動していたことや、目立った案件がリップル・ウッド・ホールディングス(現RHJインターナショナル・ジャパン)と共同で買収した旧日本テレコムぐらいだったからだろう。日本市場に本腰を入れ始めたのは、昨年からだ」(同)
昨年6月に、米ゴールドマン・サックスなどをへて買収ファンドを運営してきた津坂純氏を駐日代表にスカウトし、元日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)常務、安岡雅之氏との共同代表の体制を構築。同9月には、メリルリンチ日本証券で投資銀行部門副会長だった石田昭夫氏を日本事業の副会長に迎え、日本での本格活動の態勢を整えた。
【航空会社に関心】
気になるのはTPGの正体。RHJのようなハゲタカなのか。明星食品やサッポロホールディングスの株大量取得で話題になったスティール・パートナーズのように、株を買い占めて経営陣に揺さぶりをかけるアクティビスト(もの言う株主)ファンドなのか。
「そのどちらでもありませんね」とは『ヘッジファンド』(文芸春秋)の著者で国際政治経済学者の浜田和幸氏。
「企業を買収し、経営陣とともに業績を回復させて価値を上げるのが専門です。サッポロを買い占めたスティールのような利益を挙げるためには手段を選ばずというファンドとは大きく異なります」
TPGの紹介資料によると、基本的な投資スタンスは「単純な転売、資産の切り売りによる短期的な利益を追求せず、平均5年ほどの長期間をかけて事業価値向上に取り組む」とある。
浜田氏は「確かにそういう信条で投資していますよ。外資のファンドと聞くと、日本の企業は神経質になる。ただ、TPGはハゲタカではないので、日本企業が手を組めば、企業再生や企業価値向上の国際的ノウハウを学べることにもなる。考えようによっては、いい経験になると思いますが」とも話す。
TPGは日本市場へ2300億円規模を投資する予定で、「電機、金融、航空業界を中心にターゲットを絞っている」(関係者)という。
中でも最近関心を示しているのが、日本の航空会社とされる。
「この航空会社を支援するため、TPGがみずほコーポレート銀行と組み、巨額の支援ファンドを組成するという構想がある。この構想は航空会社の財務担当幹部まで非公式に打診されているが、航空会社からの反応は今のところないようだ」(金融関係者)
外資系ファンドは、弱り切った企業の倒産の引き金を引いたり、切り売りで短期的な利益を追求するため、ハゲタカ扱いされてきた。日本で根付いたこうした“負のイメージ”を払拭(ふっしょく)する重責を、TPGは背負っている。
ZAKZAK 2007/03/19