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スーパー「2強」鮮明 イオンとダイエー提携発表
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200703100022.html
2007年03月10日
かつて小売業界トップに上り詰めた大手スーパー・ダイエーが、単独では生き残れず、盛んな企業合併・買収(M&A)で規模拡大を続けるイオンの連合に入る。これで国内小売り「2強」のイオンとセブン&アイ・ホールディングスの求心力はますます強まる。一方、提携合意に至る舞台裏では、丸紅とイオンの思惑がぶつかり合い、今後を危ぶむ声もある。
●世界視野に規模追求
「一刻も早く世界で戦うには、ダイエーとの提携が重要だ」。イオンの岡田元也社長は9日の記者会見で自らに言い聞かせるように語った。
M&Aで経営規模を広げてきたイオンの連結売上高は10年間で約2倍に膨らんだ。10〜30%程度の緩やかな資本参加によって、グループ企業は約160社を数える。その中で商品購入や商品開発を共同化することで、規模のメリットを狙う。岡田氏の目標は「グローバル10」(世界の小売業トップ10社)だ。
一方、イオンと小売り「2強」を占めるセブン&アイ・ホールディングスも06年、百貨店の西武百貨店とそごうを運営するミレニアムリテイリングを傘下に収めるなど拡大戦略を進め、中小業者からのグループ参加申し入れは後を絶たないという。少子高齢化の進行で縮小が予測される国内市場では、強みを持たない小売業の単独生き残りは厳しい。強力な購買力を持つ流通グループへの求心力は強まるばかりだ。
だがめざす世界での最大手、米ウォルマート・ストアーズの連結売上高は30兆円を超え、国内流通企業は「足元にも及ばない」(イオン・岡田氏)。
ウォルマートは傘下の大手スーパー・西友の再建に苦しむが、「規模のメリットを生かすことが重要」(西友のエドワード・カレジェッスキー最高経営責任者)と、中堅スーパーを視野に新たなM&Aの可能性を否定しない。
●店名・看板は変えず
これまでなかった商品が並び、より安く買えるのか――。イオンとダイエーは提携後も「それぞれの、のれんを尊重する」(ダイエー・西見徹社長)ため、店名も看板も変えない。だが共同で商品開発や仕入れをして「仕入れ原価は2〜3%下がる」(イオン・岡田氏)といい、店頭価格も値下げする可能性が高いとみられる。ダイエーが定番商品にした89円の「第3のビール」をイオンでも売るなど互いの人気商品を置き合えば、品ぞろえも広がる。
提携効果が表れる販売額は初年度、イオンで2000億円相当、ダイエーで1000億円相当になると両社は試算する。ダイエーは「店の魅力が高まれば、確実に新しいサービスや商品を提供できる」(西見氏)と提携がダイエー再生に向け大きな力になると強調。イオン・岡田氏も今後1年半での「スピード再生は可能」と自信をみせた。
●丸紅とイオン、水面下では思惑が衝突
丸紅の勝俣宣夫社長は「どこも意見の相違はなかった」と述べ、5カ月間の提携交渉が順調だったと強調した。だが水面下では、イオンと思惑がぶつかっていた。
丸紅は1月、ダイエー100%子会社のファッションビル「OPA」の全株売却を決め、不動産会社と独自交渉を進めていた。
ダイエーの有利子負債圧縮が目的だったが、OPAを活用した店舗展開を考えていたイオンには寝耳に水。「交渉から降りる」と怒りは収まらなかった。
結局、丸紅はOPA売却を白紙に戻さざるを得なくなった。この余波で「コア事業」(ダイエー・西見氏)として売却を否定してきたクレジットカード子会社オーエムシーカード株売却の検討を迫られることになった。
イオンは仕入れ価格削減へ卸など仲介業者を通さない直取引を進めている。「流通の各段階で取引に絡んで利益を狙う丸紅と、そもそも向いている方向が違う」(流通関係者)との指摘もある。