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債券相場は堅調、日経平均失速で先物に買い戻し―現物債連れ高(2) (ブルームバーグ)
2007年3月7日(水)16時01分
3月7日(ブルームバーグ):債券相場は堅調(利回りは低下)。朝方には、前日の欧米株式相場の反発を受けて、日経平均株価が続伸して始まったことから売りが先行したほか、あすの5年債入札に向けたヘッジ売りなどで先物3月物は3営業日ぶりに135円を割り込んだ。しかし、一時は150円近く続伸していた日経平均が下げに転じると、限月交代を控えている先物を中心に買い戻し圧力が強まり、現物債も小口の買いで小幅に高くなった。
第一生命保険債券部の野村裕之課長は、海外と比べると円債市場は比較的に落ち着いており、極端な質への逃避的な動きもないが、海外市場がさらに進むと影響を受けそう。ただ、あすは5年債、来週には20年債入札が予定されており、一方向的な動きにもなりにくいと指摘。一方、「短期市場は金利がついたという日本独自の年度末なので短中期債は楽観視できず注意が必要」との見方も示した。
東京先物市場の中心限月3月物は、前日比3銭安い135円10銭で始まり、直後に135円14銭をつけたが、その後は売りに押されて、午前9時45分すぎには17銭安い134円96銭まで下げた。しかし、日経平均が下げに転じると、買いが増えて横ばいまで戻した。午後に入ると、限月交代に向けた買い戻し要因もあって堅調に推移。取引終了前に135円25銭まで上昇して、結局は11銭高い135円24銭と、この日の高値圏で終了した。
この日の債券相場は、6日の欧米株式相場の反発で、これまで世界同時株安を背景に買い進まれてきた反動の売りや、あす8日の5年債入札に向けた調整の売り圧力がかかりやすいとみられていたが、予想以上に底堅く推移した。
日経平均が反落に転じたことや、先物3月物の最終売買日を9日に控え、3月物の持ち高を期先の6月物に移す買い戻しの動きが相場を支えたかたち。実際に3月物と6月物の限月間スプレッド取引の日中の売買高は、5兆6000億円を超えるなど急激に膨らんだ。岡三証券の坂東明継シニアストラテジストは「株が反落したので債券先物中心に買い戻しが入り、午後には現物債も連れ高となったようだ」と説明した。
もっとも、午後に株安が100円超まで進んでも債券相場の上値は重かった。前週から今週はじめの株価急落を受けて、先物3月物は135円台前半まで水準を切り上げ、新発10年債利回りも節目の1.6%割れ近くまで低下した。しかし、株価の連日の急落にもかかわらず、先物は2月末につけた直近高値(135円44 銭)を更新できなかったほか、10年債の1.6%割れも実現できず、好需給による押し上げで、相場水準がかなり高いところまで達していることが示された格好だ。
こうしたなか、岩田一政日銀副総裁が7日午前、新潟市内で行った講演内容には反応が鈍かった。追加利上げが決まった2月の日銀金融政策決定会合では、岩田日銀副総裁が唯一の反対票を投じたことで注目はされていたが、市場の関心が金融政策から世界同時株安や円借り取引の巻き戻しなどに向かっており、予想外の発言が出ないかぎり、影響は限定的ともみられていた。
一方、午後の記者会見で、岩田副総裁は2月の追加利上げに反対した背景について「賃金や個人消費の弱めの動きが必ずしも払しょくされていない。I T(情報技術)で軽度の調整の可能性もある。物価の先行きも不透明性が強い」と述べた。
10年債利回りは1.62%
現物債市場で10年物の285回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp) 高い1.63%で始まり、その後も水準を切り上げて、10時前には1.5bp高い1.64%に上昇した。しかし、株価が下げに転じると利回りの上昇幅を縮めており、午後に入ると横ばい圏の1.625−1.63%で推移。3時前後には0.5bp低い1.62%に低下した。
中期債相場は、朝安後に下げ渋り、午後は底堅く推移した。新発5年債利回りは、あすに5年債入札を控えて一時は2bp高い1.18%に上昇していたが、株価反落などで、午後の取引では0.5bp低い1.155%に下げた。新発2年債利回りも朝方には0.80%に上昇していたが、午後に入ると横ばいの0.79%をつける場面があった。
日銀が2月の金融政策決定会合で補完貸付制度の基準金利を0.75%に引き上げていることから、2年債など中短期債は高値警戒感が強かったが、株式相場の反落や再び円高基調となるなど、外部環境の不安定さが中期債を売り込めない要因となっていた。
(債券価格) 前日比 利回り
長期国債先物3月物 135.24 +0.11 1.830%
売買高(億円) 36828
10年物285回債 100.69 1.62(-0.005)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 hidenori yamanaka
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