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東京外為:円が小幅高、日本株安でリスク回避圧力−116円前半 (ブルームバーグ)
2007年3月7日(水)16時02分
3月7日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が小幅高となった。ドル・円相場は1ドル=116円台前半を中心に、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた116円60銭と比べてドル安・円高水準で推移した。日経平均株価が前日の終値を挟んで上下する不安定な展開となり、リスク回避に伴う円キャリートレード(低金利の円で調達した資金を高金利通貨などに投資する取引)の解消懸念が払しょくされず、円に買い戻し圧力がかかった。
みずほコーポレート銀行国際為替部の高木信一参事役は、最近の為替相場は株などリスク資産との連動性が高まっているとしたうえで、「先週から続いているリスク回避の動きは続いており、この日は日本株の下落を受けて円高方向に進んだ」と説明。目先はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)面の材料に目が向きにくく、リスク資産に対する投資家の許容度を探る展開になっていると付け加えた。
日本株動向に振らされる展開
この日のドル・円相場は、欧米株の上昇を受けた日本株の続伸期待を背景に朝方の取引で円売りが先行。1ドル=116円90銭と、3営業日ぶりの水準までドル高・円安が進んだ。その後、日経平均が続伸して始まり、一時は前日比 0.9%高まで上昇したことで、円は安値圏での推移が続いていた。
しかし、株価が午前10時半前にマイナス圏に落ち込むと、米系を中心とした海外勢の円買い戻しが活発化し、一時は116円21銭まで円が反発している。
午後の取引で株価がプラス圏に浮上すると、円がいったんは伸び悩む局面もあったが、株価の不安定な推移が続き、円の買い戻し圧力が強い地合いが残った。結局、日経平均株価は前日比79円88銭(0.5%)安の1万6764円62銭で引けている。
ユーロ・円相場も朝方の取引で1ユーロ=153円55銭まで円安が進んだあと、152円45銭まで円が買い戻される展開となった。
円キャリー取引再開に不安感
1カ月物のドル・円オプションのインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)はこの日、9%前後で推移。5日につけた昨年6月以来の高水準となる10%前半からは低下しているものの、依然として高水準を維持している。
三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、「円キャリートレードの巻き戻しは落ち着いているものの、株価の不安定な状況がくすぶっているため、本格的な再開には不安が残る」といい、市場は巻き戻しリスクの兆候には敏感に反応しやすい状態となっている。
日本銀行の岩田一政副総裁はこの日、新潟市内での講演で、世界的な株価下落の背景について「円キャリー取引の巻き戻しも生じている」と指摘。そのうえで「基本的には、これまで過度にリスクを取りすぎたことに対する技術的なポジション(持ち高)調整とみることができるが、資産価格のボラティリティ(変動)の高まりが投資家のリスクテイク態度などに何らかの影響を及ぼしていくのか注意深く見守っていく必要がある」と語った。
焦点は欧米材料移行か
一方、8日には欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合、9日には米国で2月の雇用統計が発表される予定で、世界的な株価の落ち着きが確認されれば、米景気やユーロ圏の金融政策動向に市場の焦点が移行する可能性もある。
ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、ECBは今回の会合で政策金利を3.75%に引き上げると見込まれているが、会合後に行われる記者会見でトリシェ総裁が今後の政策についてどのような見解を示すかが注目される。
利上げ継続姿勢が確認されれば、ユーロを押し上げる要因となるが、「世界的な資産市場が依然として不安定なことから、再び株価が下落基調を強めた場合は、ECBは厳しい判断を迫られる」(UBS銀行外国為替部FXアドバイザー・牟田誠一郎ディレクター)こともあり、先行きに不透明感が生じている面もある。
また、9日の雇用統計発表を前に、この日は米国で給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが給与名簿を基に試算した雇用者数の伸びを発表する。市場の予想によると、ADPが示す2月の雇用増は前月比で10万人が見込まれている。
労働省発表の雇用統計については、2月は9万5000人の雇用増が見込まれており、市場が米景気に弱気の見方に傾いているなかで、強めの内容が示されれば、ドルの下支え要因になる可能性もありそうだ。
東京時間午後3時38分現在 前日比 6日のニューヨーク午後5時時点
ドル・円 116.38 −.22 116.60
ユーロ・ドル 1.3127 −.0001 1.3128
ユーロ・円 152.78 −.29 153.07
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 Kazumi Miura
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